【コラム】韓国が米中間で思慮深く立ち回る方法

兄弟と友人間の頼りないバランサーに兄弟は失望し友人は疑念を抱く
大統領の中国戦勝節訪問はまず国益を考えよ
統一外交を展開する観点も同時に持て

 第二は、いかなる問題が起こっても、そのたびに韓国の国益を明確にし、これに基づいて国際的な規範に沿って各国を説得することだ。例えば中国が設立を進めるアジア・インフラ投資銀行(AIIB)については、将来的にユーラシア時代を開拓すべきわれわれとしてはぜひとも加入しておきたい。この点を米国に理解させ、AIIBのガバナンスの透明性などについては米国と協力すればよい。中国が2013年末に一方的に自国の防空識別圏を拡大した際、韓国政府はこれに対抗して離於島(中国名:蘇岩礁)南方236キロにまで防空識別圏を拡大したが、米国は裏でこれを後押しした。当時、韓国のこの措置に対して中国が反対できなかったのは、国際民間航空機関(ICAO)が定めた飛行情報区域(FIR)に防空識別圏を合わせるとしたわれわれの主張が、国際的な慣例に沿うものだったからだ。

 第三に韓国は外交上のミスが国民の苦痛となって直ちに跳ね返ってくる国であることをしっかりと認識することだ。三国時代から近代に至るまでの長い歴史がこれを証明している。しかも韓国は今も4大強国の中心に位置することから、冷戦と分断状態が残存する唯一の国となっている。このような国で政界が外交を党利党略に利用すると、これはまさに逆賊に等しい愚かな行為となってしまう。外交の優先順位を明確にし、主張すべき時と沈黙を守るべき時を明確にする、いわば「国政政治のDNA」が国会に強く求められるのはそのためだ。

 近く大統領府は朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の中国戦勝節参加問題で何らかの結論を下すが、これによって米国側、中国側といった議論も再び巻き起こるだろう。しかも最近は周辺国も韓国国内におけるこのような対立をあおるような傾向さえ見られるようになった。そのためわれわれとしては米国側あるいは中国側という立場ではなく、自分たちの国益という立ち位置からまずは考えなければならない。同時に今後の統一外交という観点からも、今後何をやるべきか考える必要がある。冷酷な国際政治の中で、われわれも独立変数であるなどとやたら自慢する必要はないが、一方でいつも従属変数であると自らを卑下する必要もない。

政治部=朱庸中(チュ・ヨンジュン)部長
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