【コラム】韓国が米中間で思慮深く立ち回る方法

兄弟と友人間の頼りないバランサーに兄弟は失望し友人は疑念を抱く
大統領の中国戦勝節訪問はまず国益を考えよ
統一外交を展開する観点も同時に持て

 大韓民国は地球上のビッグ2である米国と中国の双方から、経済と安全保障の両面で最も影響を受ける国だ。米中両国の利害関係がぶつかる問題が表面化するたびに、どちらを選択するかによって韓国の命運が左右されるのだ。ただ単に米国あるいは中国に付くのは簡単だが、新たな冷戦でも始まらない限り、これには実益も現実性もない。だからといって何か問題があるたびに、両国の立場の違いを勝手に推し量り、その中間あたりに居続けようと双方の顔色ばかりをうかがっていては、いずれどちらからも見捨てられるだろう。だとすれば韓国が取るべき解決策はなんだろうか。

 まず第一に米国は「兄弟(同盟)」、中国は「友人」という点をわれわれが明確に認識し、米中両国にもこれをしっかりと認識させることが重要だ。兄弟と友人の間で頼りないバランサーであり続けようとすれば、兄弟は失望し友人は疑念を抱くだろう。兄弟の面前で「友人(中国)よりも兄弟(米国)」と比較して語るのもおかしなことだ。米国は今、何らかの問題で韓国の選択に不満や失望を抱くこと以前に、韓国が兄弟の義理を裏切るのではないかと不安を感じているようだ。しかし韓米両国の間で互いに対する信頼が確かであれば、一見対立のようでも実は対立になっていないはずだ。

 1950年、北朝鮮が破竹の勢いで南侵してきた直後のことだ。当時のムーチョ駐韓米国大使が「韓国政府を済州島に移せ」と主張すると、これに怒った李承晩(イ・スンマン)大統領はムーチョ氏に拳銃を向けた。ムーチョ氏は4年の在任中、李承晩大統領を非常に嫌っていたが、退任後は李承晩大統領について「国際政治に関しては最高の眼識を持った人物だった」と振り返っている。これまで李承晩大統領ほど米国と激しくかつ数多く対立した大統領はいない。しかし李承晩大統領と米国の歴代大統領たちの間には「同じ船に乗っている」という堅い信頼があった。

政治部=朱庸中(チュ・ヨンジュン)部長
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