安倍晋三首相が14日に発表した戦後70年談話は、予想した通り誠意を感じられないものだった。過去の過ちを反省する単語ひとつひとつを選び出すため「有識者会議」という協議体を構成し、数カ月にわたりみみっちく悩んでいた過程こそが、誠意のなさを示している。「侵略」「植民地支配」といった表現も、安倍首相本人の思いが感じられないあいまいなものだった。談話の行間を読むとすれば、安倍首相は北朝鮮の核兵器・ミサイル開発や中国の脅威で北東アジアの安全保障情勢が悪化しているため、軍事大国を目指すと言っているのだ。過去に対する反省は安倍首相の関心事でなくなって久しい。
安倍氏が第1次安倍内閣で首相を務めていた2007年1月9日は、次官級機関だった防衛庁が閣僚級の防衛省に移行した日だった。黒い礼服を着た安倍首相が壇上に立って自衛隊を観閲し、軍事大国になるための独自予算を確保できる時代を開いたのだ。自衛隊の観閲が終わり、黒いリムジンが到着すると、中曽根康弘元首相が祝辞を述べるため杖をついて降りてきた。師匠と弟子のような関係の二人はすでに胸に秘めた目標、すなわち軍事大国になることと侵略の歴史を消し去る教科書改訂作業を完了させた。日本の後の世代が過去に対する反省のない教科書で勉強することになり、侵略の歴史を直視してほしいという被害国の願いはついえた。
ならば、光復(日本による植民地支配からの解放)70年を迎えた韓国は未来の70年を見据えてどういう行動を取るべきだろうか。第一に、日本の侵略の歴史を分からせるための新たなアプローチが必要だ。戦争を経験していない日本の世代が羞恥心を持つことなく日本の過ちを知ることのできるよう、知恵を絞るべきだ。先ごろ日本で行われた世論調査で「日本はもう謝罪する必要はない」という回答が70%に達するほど、日本人は過去に対する謝罪に嫌気が差していることを無視してはならない。