日本の不況型投資を学ぶ韓国証券業界

日本の不況型投資を学ぶ韓国証券業界

 汝矣島の証券街では近ごろ、韓国よりも先に経済低迷を経験した日本の失われた20年を知るべきだという「知日」ブームが起きています。ある証券会社の役員によると、昨年までは日本から学ぼうという雰囲気があまりなかったものの、最近は「韓国=低成長」という認識が広がり、日本のケースから投資のチャンスを探ろうという声が強まっているといいます。

 実際に、韓国の株式型ファンドを運用するファンドマネジャーたちは自ら日本へ赴き、現地の様子をリサーチしていますし、アナリストたちはかつての日本と今の韓国との類似性の中から投資アイデアを見いだそうと必死になっています。長期不況の中で生き残った日本から学ぶため、社内に日本リサーチチームを新設する証券会社まで現れました。

 今年から日本市場を詳細にリサーチするようになったというNH投資証券のキム・ビョンヨン研究員は「韓国の人口構造や景気の流れが90年代の日本とよく似ていると思い、過去を詳しく研究したところ、驚くほど類似点が多かった。日本の経済低迷期を鑑(かがみ)とし、有望株を選別していきたい」と話しています。

 さらには、日本という鑑に韓国の現在をうつし、投資のチャンスを探るファンドまでもお目見えしました。年初にスパークス資産運用から登場した「バリューパワーファンド」は、日本の厳しい不況のなかでも無類の競争力で成功した企業のストーリーを韓国市場にそのまま当てはめ、有望株を探すという商品です。日本で高齢者のおむつの使用が増えたことや、一人世帯の増加で惣菜の需要が高まったことなどに着眼し、韓国市場の関連企業に投資するといった形です。

 ある外資系運用会社のトップは「日本の失われた20年においても企業の有機的成長は続いており、投資家としてはそうしたチャンスを探せれば収益を出せる」と語りました。資金の流れに最も敏感な証券業界のこうした動向は、韓国経済が低成長という沼に次第に深くはまり込んでいるということを裏付ける現象なのかもしれません。日本の「不況型投資」手段までも参考にせねばならない韓国の現状が残念です。

李敬恩(イ・ギョンウン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 日本の不況型投資を学ぶ韓国証券業界

right

関連ニュース