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防衛相 統合幕僚監部の文書「問題ない」
8月19日 12時55分

防衛相 統合幕僚監部の文書「問題ない」
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安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会が19日に再開し、中谷防衛大臣兼安全保障法制担当大臣は、防衛省の統合幕僚監部が法案の成立を前提に自衛隊の対応を記した文書を作成していたことについて、「必要な分析、研究を行ったものだ」と述べ、問題はないという認識を示しました。
安全保障関連法案を審議している参議院の特別委員会は、19日、1週間ぶりに審議を再開しました。
委員会の冒頭、中谷防衛大臣兼安全保障法制担当大臣は、防衛省の統合幕僚監部が法案の成立を前提に自衛隊の対応を記した文書を作成していたことについて、「当該資料は私の指示を踏まえて法案の閣議決定後の5月下旬に作成したもので、統合幕僚監部として当然必要な分析・研究を行ったものだ」と述べました。そのうえで、中谷大臣は「国会の審議や法案の成立時期を予断をしているものでは全くない。また、内容は私の指示の範囲内のものであり、法案成立後に行うべき運用要領の策定や関連規則の制定などは含まれておらず、シビリアンコントロール=文民統制上も問題があるとは考えていない」と述べ、問題はないという認識を示しました。
一方で、中谷大臣は「対外公表を前提に作成されたものではなく、外部に流出したことは極めて遺憾だ。文書の取り扱いに関する規則の順守を徹底するよう改めて指示しており、情報保全には万全を期したい」と述べました。
このあと、今月11日の委員会で、文書の作成を巡って追及した共産党の小池副委員長は「文書が、衆議院本会議で法案の審議が始まった日に自衛隊の制服組の幹部が勢ぞろいした会議で、詳細に報告されていることは極めて重大だ。中谷大臣は『国会審議が第一で、法案が成立したのちに検討を始めるべき』と答弁しており矛盾している」と指摘しました。
これに対し、中谷大臣は「一般的に、政府は、法案の成立前でも政省令などの検討をはじめ、法律の施行に必要な事項について研究作業を行っている。今回の法案でも、あらかじめ分析・研究しておくことは、実際に任務を実施していく防衛省・自衛隊として必要なことであり、この資料も当然必要なものだ」と反論しました。

検討課題整理するため作成

菅官房長官は午前の記者会見で「今回の資料は、防衛省の統合幕僚監部が防衛大臣の指示を踏まえて、今後、具体化していくべき検討課題を整理するために作成したもので、法案の成立後に行うべきものである実際の運用要領の策定や関連規則の策定は含まれていないと報告を受けている。政府としては、法案を国会で審議していただくことが第一なので、引き続き丁寧に説明していきたい」と述べました。

防衛省 内部資料の流出は極めて遺憾

今回の文書について、防衛省は「法案成立後の具体的な課題を整理し、部隊の指揮官に説明することなどを目的に必要な分析と研究を行ったもので、こうした分析や研究をあらかじめ行うことに問題があるとは考えていない」としています。また、特定秘密などの秘匿性が高い文書ではないとしていますが、文書の各ページには「取扱厳重注意」と記されていて、防衛省は公表を前提にしたものではない内部資料が流出したことは極めて遺憾だとしてます。

法案の成立見据え自衛隊運用の課題や対応を記す

統合幕僚監部が作成した文書は『「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)及び平和安全法制関連法案について』というタイトルで、防衛省は安全保障関連法案が閣議決定されたあとのことし5月下旬に、内部部局と調整しながら作成したとしています。法案の成立を見据えて、自衛隊の運用に関する検討課題やどう対応していくかが記されています。
文書では日米間の協力について幅広く検討していて、このうち「平時からの協力」では、情報収集や警戒監視、偵察活動を主な課題の1つに挙げ、東シナ海などでのこうした活動について「一層の推進に努める」とするとともに、南シナ海に対しても「関与の在り方について検討していく」と記しています。南シナ海では中国が海洋進出を活発化させていますが、自衛隊はこれまで、南シナ海で警戒監視などを行っておらず、今回の文書では今後、作業部会などを活用して関与の在り方を検討するとしています。
また、国連のPKO活動については宿営地の共同防衛や、ほかの国の部隊や民間人などを守るために自衛隊が駆けつける、いわゆる「駆けつけ警護」を行う可能性があるとして、「通達などの改正」や「教育訓練の研究」を行う必要があると指摘しています。
さらに文書には法案がことし8月に成立し、その後、6か月以内に施行されるという最も早いパターンを前提としたスケジュール表も盛り込まれていて、この中では法案を反映させた教育訓練を実施することなども記されています。

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