韓国軍は、北朝鮮が22日に挑発を敢行してくる場合、偵察総局などの特殊戦要員を最前方に投入して特殊作戦・テロなどを敢行する可能性が高いとみて、最前方地域の備えを強化しているという。
韓国政府の消息筋は21日「最近、北朝鮮は特殊戦要員を最前方地域に急派したものとみられる。北朝鮮が韓国の対北拡声器を砲撃すると共に、挑発主体が分からないテロを敢行することに備えている」と語った。今月初めに発生した非武装地帯(DMZ)地雷爆発事件のように、隠密裏に挑発行為を実施することもあり得る、という見方だ。
北朝鮮は20日夜、金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記の主催で開かれた朝鮮労働党中央軍事委員会非常拡大会議で「敵の反作用を鎮圧するための、地域軍事作戦を指揮する指揮官らが任命され、該当する戦線へ急派された」ことを明らかにした。韓国軍当局では、北朝鮮が明示した「指揮官ら」とは、偵察総局所属の特殊戦要員のことだと推定している。一方、暴風軍団の特殊部隊、第11軍団の要員である可能性も持ち上がっている。北朝鮮の特殊戦要員が、DMZ内で携帯用の対戦車ロケット砲「RPG7」などを使って韓国軍の最前方哨所(GP)などを攻撃した場合、挑発原点の把握が難しく、即座に対応するのが困難になることもあり得る。
偵察総局は、韓国に対する挑発を総括し、企画・実行している部門で、哨戒艦「天安」爆沈や延坪島砲撃を敢行したといわれている。金英哲(キム・ヨンチョル)偵察総局長(69)は、2010年11月に起こった延坪島砲撃挑発の黒幕と目されてきた。また当時、韓国軍の合同参謀本部議長を務めていたのが、現在の韓民求(ハン・ミング)国防部(省に相当)長官だ。