北が準戦時状態を宣布、朴大統領は「容赦ない報復」指示

北が準戦時状態を宣布、朴大統領は「容赦ない報復」指示

 北朝鮮による砲撃とこれに対して韓国軍が報復攻撃を行ったことで、韓国と北朝鮮の間で緊張が高まっている。北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は21日、韓国と接する軍事境界線近くの地域に「準戦時状態」を宣布し、これに対して朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は「再び砲撃を受けた場合は直ちに報復せよ」と指示した。北朝鮮は韓国に対し、軍事境界線付近の拡声器を22日午後5時(韓国時間で午後5時30分)までに撤去するよう求めているが、その時間が過ぎて北朝鮮が再び攻撃してきた場合、それがどのようなものであっても南北間で何らかの軍事衝突につながる可能性が高い。

 北朝鮮は前日の夜、金正恩氏が朝鮮労働党中央軍事委員会非常拡大会議を招集した。この席で金正恩氏は「21日午後5時(韓国時間で午後5時30分)を期し、休戦ライン付近の前線部隊は完全武装した戦時状態に移行し、前線には準戦時状態を宣布する」という内容の最高司令官命令を下した。この会議ではさらに、前日朝鮮人民軍総参謀部が発表した「(韓国軍が)48時間以内に拡声器による宣伝放送を中止しない場合、強力な軍事行動に突入する」という方針も同時に承認した。北朝鮮の朝鮮中央通信はこの日「朝鮮人民軍の前方部隊は報復に向けた厳しい攻撃を行うための最後の命令を待っている」「(拡声器の)拠点やその手段は(朝鮮人民軍の)主体砲とロケット照準鏡の中にすでに入っている」などと報じた。北朝鮮外務省もこの日「全面戦争も辞さない」とコメントした。

 このように北朝鮮が再び攻撃を仕掛けてくる可能性が高いことから、韓国軍は対北朝鮮情報監視態勢「ウォッチコン(ウォッチ・コンディション)」のレベルを現在の3段階から2段階へと高め、同時に米軍と協議を行うことも検討している。韓国軍は北朝鮮が拡声器などを攻撃してきた場合の対応として、まずはK9自走砲などによって北朝鮮の攻撃拠点に報復を加える計画だ。これに対して北朝鮮が再び攻撃してきた場合、F15Kなどの戦略爆撃機や地対地ミサイル「玄武2」などを使い、朝鮮人民軍の砲撃部隊に対して正確に攻撃を行う方針だ。

 朴大統領はこの日午後、京畿道竜仁の第3野戦軍司令部を訪問し「韓国軍の将兵と国民の安全を守るためには、北朝鮮によるいかなる挑発行為も決して許すことはできない」とした上で「韓国軍は北朝鮮が再び攻撃を仕掛けてきた場合、ただちに容赦なくこれに報復し、それ以外に何らかの状況が発生した場合も、先に対応して報告は後回しにせよ」と指示した。一方で国連軍司令部軍事停戦委員会は20日、今回の砲撃事件と関連して北朝鮮に対し、将校クラスによる実務協議の開催を求めるファックスを送付したという。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者 , 黄大振(ファン・デジン)記者
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