韓国政府「北朝鮮の砲撃、金融市場への影響は限定的」

市場を緊急点検へ

 中国に端を発する世界的な金融不安が広まっている中、北朝鮮による砲撃という悪材料まで発生、21日の株価が急落したのを受け、韓国政府と金融当局は市場の緊急点検を開始した。

 政府は同日午前7時30分、ソウル・明洞の銀行会館で、企画財政部(省に相当)の周亨煥(チュ・ヒョンファン)第1次官の主宰により緊急のマクロ経済金融会議を開き、対応の方向性を話し合った。この日の会議には、韓国銀行・金融委員会・金融監督院・国際金融センターなど経済金融分野の政府機関関係者らが出席した。

 政府当局者は、北朝鮮の挑発という悪材料にもかかわらず、主要金融指標が比較的安定している点に言及、投資家を安心させることに努めた。周亨煥次官は「(昨夜)韓国のノンデリバラブル・フォワード(NDF)の為替レートは多少揺らいだが安定しており、国家の債務不履行の危険性を示す指標であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)も3ポイントほどしか上がらず、衝撃は大きくない」と強調した。政府はこうした指標の動きを北朝鮮関連の不安要因によるものではなく、中国に端を発する景気低迷に対する懸念によるものだと見ている。

 政府は、北朝鮮リスクが拡大した場合、関係部処(省庁)合同の24時間点検体制を稼働させることにした。企画財政部関係者は「過去の事例を見ると、北朝鮮の挑発は市場に一時的、または微々たる影響しか与えていない。21日の金融市場で株安・ウォン安になったが、中国景気の不安変数が大きく作用したもので、北朝鮮関連の変数の影響についてはさらに見守ってみなければならない」と述べた。

 金融委員会・金融監督院・韓国取引所も同日、金融市場動向の点検会議を開いたが、会議後「北朝鮮の砲撃による韓国株式市場への影響は微々たるものだ」という見解を表明した。金融当局によると、韓国のCDSプレミアムは68.5で、2008年世界金融危機時の677や、11年米国債格下げショック時の220に比べはるかに低い状況だ。外貨準備高は6月末時点で3747億ドル(約45兆7171億円)と、世界6位の水準だ。

 金融当局は韓国海軍哨戒艦「天安」沈没(10年3月)時も、発生当日に0.3ポイント下落したものの反騰した。こうした過去の事例に照らしてみると、北朝鮮の砲撃が韓国の証券市場に及ぼす悪影響は短期間にとどまるものと見ている。

李敬恩(イ・ギョンウン)記者
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