安保法案:安倍首相、例外なき事前承認義務付けに慎重

毎日新聞 2015年08月21日 21時07分(最終更新 08月22日 03時48分)

 ◇集団的自衛権行使「緊急時には国会の事後承認認めるべきだ」

 参院平和安全法制特別委員会は21日、安全保障関連法案に関する集中審議を行った。安倍晋三首相は、集団的自衛権行使などの際、緊急時には国会の事後承認を認めるべきだとして、例外なく事前承認を義務付けることに慎重な考えを示した。

 国会の事前承認を義務付ける修正案の共同提出を予定している日本を元気にする会の松田公太代表が「文民統制が格段に利くようになる」と主張。これに対し、首相は「緊急時の事後承認を認めないと、我が国の平和と安全に支障を来したり、国際社会の期待に応えられないことが想定される」と強調。「可能な限り事前承認を追求する」と述べるにとどめた。

 また、中谷元(げん)防衛相は、海外で不正に武器を使った自衛官への処罰規定が存在しないことについて「個別のケースに応じ法的責任を検討する。新たに規定を設ける必要はない」と述べた。首相は防衛省統合幕僚監部が作成した内部資料に法律の施行時期などが書かれていた問題について「検討課題の整理のために分析、研究を行うのは当然。防衛相の指示の範囲内で、問題があるとは全く考えていない」と述べた。【青木純】

最新写真特集