南北会談:平行線…北朝鮮、地雷関与認めず
毎日新聞 2015年08月23日 21時24分(最終更新 08月24日 00時36分)
【ソウル米村耕一】今月上旬に起きた地雷爆発事件をきっかけに緊張が高まっている韓国と北朝鮮は23日、前日に引き続き南北軍事境界線上にある板門店(パンムンジョム)で高官会談を開いた。しかし、地雷事件に対する謝罪と再発防止を求める韓国側に対し、北朝鮮側は事件への関与すら認めない態度を崩しておらず、協議は平行線が続いている模様だ。
韓国の青瓦台(大統領府)によると、22日午後6時半(日本時間同)に始まった会談は10時間近く続いた後の23日午前4時15分にいったん終了。同日午後3時半に再開した。両日とも韓国側は青瓦台の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長と洪容杓(ホン・ヨンピョ)統一相、北朝鮮側は黄炳瑞(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長、金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党統一戦線部長が出席している。
北朝鮮側は、地雷爆発に対する報復措置として韓国側が11年ぶりに再開した拡声機による宣伝放送の中止を引き続き求めているとみられる。韓国側は23日も放送を継続している。
聯合ニュースによると、北朝鮮側は保有潜水艦の約7割に当たる50隻以上を出動させ、韓国側が位置を捕捉できない状況になっている。前線に展開する北朝鮮の砲兵数も通常の2倍だという。今回の事態を「韓国側の謀略」と主張する北朝鮮側は、国内で危機意識をあおって団結を強めつつ、韓国に対しては軍事的威嚇で緊張を継続させ、会談を優位に進めようとする狙いがあるとみられる。