統合失調症では発症前から脳に兆候、「接続」が悪く
視床を中心として異常を確認

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:Nathan Lanier/クリエイティブ・コモンズ表示 - 改変禁止 2.0 一般)

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 統合失調症では、脳で感覚の刺激に関係したつながりが接続不良を起こしていると分かった。

 米国エール大学医学部を含む研究グループが、有力医学誌の精神科版であるジャマ(JAMA)サイカイアトリー誌のオンライン版で2015年8月12日に報告した。

高リスクの240人など調べる

 研究グループは、統合失調症は普通、成人となる前後に発症する場合が多いと説明。前兆としては、疑念を感じやすくなる、自分の名前を呼ぶ声が聞こえる、といった変化がある。世界的に人口の1%がこの病気に悩まされているという。

 研究グループによると、重くなると、「視床」「皮質」といった脳の中心部から表面にかけてのつながりに影響が生じてくる。研究グループはこのつながりと病気の関係を検証している。

 研究グループは、国際的な複数の医療センターから約400人(12~35歳、精神病のリスクが高い約240人と健康な約150人)を集めた。MRIを使って安静時の視床の接続状況を画像化し、その後2年間追跡した。

 高リスクの240人のうち、約20人が統合失調症を発症した。

「接続不全」を確認

 研究開始時のMRI画像では、統合失調症のリスクが高い240人で視床と皮質の回路の接続不良が見られた。

 接続不良のパターンとしては、視床(脳の中心部辺りにある)と前頭前野(脳の前部)や小脳(脳の後ろ下側)部分との間の広範な接続不足が見られた。後に発症した20人では特に顕著だった。

 また、逆に視床と感覚野や運動野(頭頂部にあって感覚と運動を司る)との著しい過剰接続も見られ、やはり後に発症した20人では特に明確だった。

 どちらのパターンも、前兆症状の重さと相関していた。

 研究グループは、視床の接続不全は統合失調症発症の目印になると見る。診断に利用可能となりそうだ。

文献情報

Brain abnormalities are present even before onset of schizophrenia

http://news.yale.edu/2015/08/12/brain-abnormalities-are-present-even-onset-schizophrenia

Anticevic A et al. Association of Thalamic Dysconnectivity and Conversion to Psychosis in Youth and Young Adults at Elevated Clinical Risk. JAMA Psychiatry. 2015 Aug 12. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26267151

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