(浪越)どうだい?明智君。
(明智)無茶だが嫌いじゃない。
複雑系…カオス理論か?
(浪越)うんそうなんだ。
でも少し違う。
アプローチのしかたはそれだけど僕の計算式が目指すところは未来の確定だ。
全てを見通す全知の法則をつくりたい。
面白い。
だが量子力学とどう折り合いを…。
あっだからカオスを使うのか。
うん。
僕はラプラスの悪魔をつくりたい。
具体的に世界へと介入を果たし得る僕だけの悪魔をつくりたいんだ。
ならまず名前を付けろ。
名前?お前だけの悪魔ならよそから借りるのは道理じゃないだろ。
じゃあこういうのはどうかな?僕のつくり上げる法則黒い世界を照らすもの。
暗黒星。
(羽柴)うわぁ…。
(小林)わぁ…。
(明智)殺害動機。
今回不明瞭なのはそれだけだ。
(小林)他は全部分かってるんですか?
(明智)まあな。
建造中のテーマパーク通称パノラマ島。
ここで2名の死亡者が発見された。
死亡者はパノラマ島建造の中心人物2名。
同時刻新宿警視庁へ届いた手紙。
パノラマ島での不可能犯罪を予告した挑戦状。
差出人は怪人二十面相。
事故じゃない。
殺人だ。
(南)南検視官と!
(死体君)死体君の!
(死体君・南)3分間ショッキング!
(南)今日は前回のリベンジ!死因は圧死または窒息死としてそこまでの経緯をきちんとショッキングしまーす!またあれやるのか。
(南)被害者は2名。
菰田源三郎。
人見廣介。
えっ?マジなんすか?こんな所呼び出して。
何だろうね。
(南)2人は犯人によってここに呼び出され321…。
(死体君・南)うひゃ〜!
(南)以上3分間ショッキングでした。
(死体君)前回と同じっすよ〜。
(南)呼び出されたことが大事なの!柱の崩落が起こるって分かった上で呼び出したならはっきりくっきり殺人でしょうが!以上マネキン崩落による計画殺人歯車添えでした〜!また来週!この展示場には大掛かりな機械装置が存在しているな?
(角田)え…ええ。
(角田)いずれ動力を引いて完成の暁には動きます。
この柱はどいつもぐねぐね動き回る予定で。
(小林)これ全部動くんです?
(角田)まあ色々と。
ああそうだでかいのも動く予定です。
まるで舞うように動くわけですわ女体の群れが!
(小林)うわぁすごいや!
(羽柴)じゃあ崩落の原因はマネキンを動かすための機械装置!?
(中村)誤動作の可能性は?
(角田)いやいやそんなはずは。
何人もの設計士や技師を使って完璧な設計を。
なあ?
(北見)えっ?ああはい。
図面のチェックも厳重にシャフトも歯車も一番高級で頑丈な鋼材を使ってて。
そうか?
(一同)あっ!鋼材が…。
設計は完璧か知らんが鋼材はこのとおり。
鋼材の発注を行ったのは?
(北見)それは…。
(羽柴・小林)うん?事務員東小路千代子。
(東小路)はい。
発注の折あえてもろい鋼材を選んだな?
(東小路)私は…。
東小路さんが犯人?ちょっと待ってください。
何だ?鋼材がもろいのは分かりましたけど狙った時間に崩落させるなんて可能ですか?数学だよ。
計算すればいいんだ。
計算って…。
数学のテストサボったお前が言う…。
幾らかの数学の知識とあとは演算に使うPCがあれば事足りる。
機械工学と材料工学の知識があればさらにいい。
東小路のPCを押さえておけ。
はい。
もう手配してるよ。
うん。
それにしてもすごいね。
これだけの数があると不気味だけど一つ一つはとても奇麗だ。
な…何の話をしてるんだ?東小路さんだよ。
奇麗な体してる。
えっ?…って服の上から分かるのか?服なんて着てないじゃない。
えっ!?マネキン。
マネキンがどうかした…。
同じ…顔?顔体この展示場にある全てのマネキンのモデルは彼女だよ。
東小路千代子。
殺害動機はこの展示場そのものか?私は…。
気持ち悪かったんだよね?こんなにたくさんあるんだもの。
そりゃあ気持ち悪いだろうけど殺すほどかって言われると…。
ええそう…。
嫌だった!気持ち悪かった!それに何より耐え難い苦しみでした…。
(東小路)
菰田と人見は社会的な成功者ではありました
でもその陰には数えきれない犠牲があった
私の友人手塚雪子も…
雪子…。
一日20時間以上の超過勤務
職場とあばら家同然の寮ばかりの生活
生来体が丈夫でなかった雪子は日に日に衰えていってそして死にました
(東小路)せめて彼女のご両親に謝罪してください!会長!プロデューサー!
(菰田)素晴らしい。
(人見)ああ素晴らしい。
(菰田)親友のため立ち向かえるはずもない巨大な存在であるわれわれに…。
(人見)こうも歯向かってみせるその気丈さその高貴な精神。
君こそが…。
(東小路)ああっ!うっ!うっ!
(人見・菰田)われわれの求め続けた女神。
いややめて…。
(菰田)う〜ん。
君は最高だ千代子。
(人見)まさかこうも美しい肉体とは。
(菰田)死んだ事務員の親族には謝罪しよう。
賠償もだ。
その代わり…。
(人見)われわれと契約したまえ。
契約?自分の体を売ったんだ。
(東小路)改善…。
約束…。
私一人の体でそうしてくれる…なら。
(東小路)どうしてですか!パノラマ島の事業計画は以前よりも過酷な…。
これじゃ雪子のときと何も…。
(人見)見るがよい千代子。
(菰田)われらの愛の結晶だ。
(人見)君の全てをたたえるための島だ。
(菰田)われわれは探していた。
われわれが造り上げるパノラマ島その中心部たるマネキン展示場は君というモデルを得てようやく完成する!雪子見て。
あなたの命でできたお金で…こんなに…。
私の体…たくさん…こんなにもたくさん!
(東小路)こんなものを毎日毎日見せられてそれがどれだけ私にとって地獄の苦しみだったか…。
雪子…。
いつから気付いてました?初めから。
そっか。
不明なのは動機だけ。
単純な事件だ。
2匹の悪魔を女が殺してみせた悪魔の仮面をかぶって。
(東小路)そうです。
私が菰田と人見を殺したパノラマ島の二十面相です。
(加賀美)二十面相は増えていくだろう。
それぞれの正義と怒りのために。
あるいはそんな理念のない者も。
挑戦状で二十面相をかたったりしなければ事故って話で収まった可能性だって…。
伝えたかったんだよ。
えっ?マネキン。
あれは奇麗なものじゃなくて気味が悪いものなんだって。
確かにそういうふうに伝えたかったんだ。
これで今月4件目か。
同時多発してもおかしくないねこの分じゃ。
そうなりゃもう1人で相手すんのは無理でしょうよ。
二十面相は全て俺がつぶす。
(中村)えっ?ヘリ来ないの?船?ああ分かりました。
泳ぎたかったのにもう帰るんだ。
水着まで着たのに。
ま…まあ泳ぐのはまた今度だ。
もう船が来るし。
まだ来てないよ。
泳いじゃおうかな。
やめろ〜!うわっ!テスト期間が終わったら海でもどこでも連れてってやるから!面倒見がいいな羽柴。
えっ?そ…そうですか?東小路さん。
あの人ってさ雪子さんって人と友達だったんだよね。
そう…だな。
敵討ちをしたくらいだし…あっ。
羽柴君はもしも僕が殺されたら敵討ちしてくれる?な…何だよその質問。
えっと俺ならま…まずお前が殺されないようにだな…。
あっずるい!前提変えないでよ。
そんな前提が成立しないように頑張るってことだ。
うん?敵を討ったって死んだ人は戻ってこないだろ。
そっか。
何でそんなこと聞くんだ。
何となく?不安になるようなこと言うなよ。
ただいまでーす。
ハァ…。
ただいまときたか。
結局テスト期間中ずっとお邪魔しちゃって。
ああ差し入れ買ってきましたよ。
昨日は事務所に来てないよ。
パノラマ島には行っただろ。
そうだけど…。
それに今日もお前英語のテストサボっただろ。
う〜ん?気付いてるぞ。
テスト開始直前にそっと教室出ていっただろ。
地頭はいいはずなのにお前どうして自分から追試沙汰に持ち込むんだ?う〜ん。
「う〜ん」じゃないだろ。
うーん。
テストなんてもう意味ないよ。
バ…バカ!本気で言ってんのか!?本気だよ。
勉強頑張らないと将来大変だぞ。
大丈夫だよそんなの。
本当に怒るぞ。
そんなに怒らないでよ。
俺は一度しかなかった。
(羽柴・小林)うん?そういうケンカの類い俺は一度だけだった。
明智さんの?ケンカの相手いたんですか?浪越。
最初の怪人二十面相だ。
えっ!?
友達は多い方じゃなかった
正確に言おう。
友達なんてものは存在しなかった
俺の知能はがきにしては高過ぎて同年代ではもちろん大人さえ誰一人として俺についてこれなかった
(生徒)ヘヘヘッ!
(生徒)ガリ勉野郎!ハァ…。
(生徒たち)うわー!何だ?それ。
面白い計算をしているなお前。
俺から声を掛けた同い年の人間はあいつが初めてだった
君は?明智小五郎。
お前は?浪越…。
君数学が分かるの?だいたいはな。
そうなんだ。
初めての対等な存在対等な知能
カオス理論をどうにかしようとする中学生なんて初めて会ったぞ。
君にだってできるさ。
社会の変質できると思うか?君と2人なら可能だと思っているよ。
かもな。
だがだいぶ面倒だぞこれは。
でも楽しい。
違うかい?そうだな。
僕もさ。
持て余していた時間と才能を俺たちは全てそれに注ぎこんだ
そこに全てを折り畳む
そんなふうに言ったのはどっちだったか…
(浪越)演算の結果届き始めたよ。
クラッキング対象に演算を肩代わりさせるとは恐れ入ったな。
僕らの計算式の完成まであと少し。
及第点だ。
一人じゃ無理だよ。
君と一緒だからやれるんだ明智君。
そうか。
そしてそれからすぐに俺たちの数式は一つの存在を生み落とした
(浪越)数式によって生成された概念。
自動的に拡大するフォークロア。
世界にはびこる邪悪の全てを打ち倒す仮面の怪人。
暗黒星から生まれ落ちた象徴そのもの。
人形の現象。
その名は…。
二十面相…。
ここでやめるべきだった。
俺はすでに数式から離れていたが。
どうしてですか?致命的なミスを発見したからだ。
だが浪越は…。
(浪越)現象は加速する。
フォークロアにすぎないそれを匿名の断罪装置として人々が利用することで不可能犯罪さえなし得る正義の怪人が生まれていく。
彼に倒せない悪はない。
・浪越お前!何?実行したのか?
(浪越)うん。
どうして!?
(浪越)このとおりだよ。
僕たちの計算は完璧だってことを検証してるんだ。
駄目だ!
数式には致命的な欠陥があった
膨大な計算から導き出された必要要素はどう考えてもミスでしかない
(浪越)どうしてそんなことを言うんだい?明智君。
理由は前にも言ったはずだ。
けどこれは僕たち2人の全ての結晶だよ!失敗は失敗だ。
もうやめろ。
僕たちは失敗なんてしてないよ。
証明してみせるよ明智君。
最初で最後のケンカだった
そして…
ハァハァハァ…。
あっ…。
3年前の新宿での焼身自殺…。
それからすぐに仮面の怪人は再び姿を現した。
第2第3の二十面相。
なり損ないの模倣者ども。
そして俺は全てを捕まえると決めた。
増殖する二十面相は全て俺がつぶす。
肩書は後からついてきた。
特定未成年明智小五郎。
つまりその…あなたは…。
明智さんが二十面相を追ってるのって敵討ちですか?あいつは死んだ。
死者のために生きてるやつがしてやれることなんて何一つない。
俺は俺自身のエゴで二十面相をつぶすだけだ。
加賀美や東小路と大して変わらん。
そんな…。
だからお前が正しい。
えっ?そもそも死なせるな…だ。
うん?は…はい!僕別に死んだりしないけど。
そういうことじゃなくてだな。
えっ?じゃあどういうこと?ああえーっとあれのことだよ…。
フッ。
えーっとああもうその話はもういいから…。
2015/08/21(金) 02:05〜02:35
関西テレビ1
乱歩奇譚Game of Laplace[字]
第8話「パノラマ島綺譚 後編」
ユートピアを作る妄念に取り憑かれた男達は無残に殺されました。今、パノラマ島に隠された恐るべき殺人計画が明かされるのです。
詳細情報
番組内容
「うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと—」
没後50年となる日本を代表する作家・江戸川乱歩が綴った、「人間椅子」・「影男」・「怪人二十面相」・「パノラマ島」など心躍らされる、耽美かつ奇怪、そして幻想的な世界観を、数々の話題作を送り出したアニメ界の奇才チーム、監督:岸誠二、脚本:上江洲誠、制作:Lercheが、現代に蘇らせた完全新作アニメーション!!
番組内容2
「その日、初めて退屈じゃなくなった—」
とある中学校で起こった教師のバラバラ殺人事件。
この学校に通う少年・コバヤシは、事件の捜査に訪れた天才探偵・アケチと出会う。
異常犯罪ばかりを捜査するアケチに対して興味を持ったコバヤシは、友人のハシバの心配をよそに、自ら「助手」を志願する。
次々と起こる奇怪な事件の中で、コバヤシは退屈な日常を捨て置いていくのだった。
出演者
アケチ: 櫻井孝宏
コバヤシ: 高橋李依
ハシバ: 山下大輝
カガミ: 小西克幸
ナカムラ: チョー
黒蜥蜴: 日笠陽子
影男: 子安武人
ミナミ: 藤田咲
死体君: 山口勝平
ほか
スタッフ
【原案】
江戸川乱歩
【監督】
岸誠二
【シリーズ構成・脚本】
上江洲誠
【キャラクターデザイン】
森田和明
【総作画監督】
山形孝二
【プロップデザイン】
廣瀬智仁
【CGディレクター】
内山正文
【美術監督】
宮越歩
【美術設定】
曽野由大
【色彩設定】
加口大朗
【撮影監督】
三品雄介
【編集】
坂本雅紀
【音響監督】
飯田里樹
スタッフ2
【音楽】
横山克
【アニメーションプロデューサー】
比嘉勇二
鹿嶌舜
【アニメーション制作】
Lerche
【制作】
乱歩奇譚倶楽部
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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