京都地検の女3 2015.08.21


(携帯電話の操作音)
(携帯電話)
(加藤)もしもし!?
(安藤喬)俺はもう…ダメだ…。
警察が…捜してたぞ。
(安藤)警察よりあの女…!あの女が怖いんだ!もしもし!?大丈夫か!?
(太田勇一)おはようございます。
検事お待ちしてました。
(鶴丸あや)あら珍しい出迎えなんて。
あ借金?女性のトラブル?まさか結婚が決まったなんて事は…。
検事が着いたらすぐ呼ぶようにと副部長が。
(高原純之介)それが被疑者。
北沢えりか。
10年前までは木屋町でスナックを営んでいて傷害・暴行・脅迫の罰金刑で前科4犯。
現在は歌山町に大きな屋敷を建てて金貸しをやってる。
身柄は?在宅だ。
府警の辣腕刑事が取り調べに当たったんだが知らぬ存ぜぬの一点張りで通しやがった!粗暴な上にタフな女ですか…。
そりゃやっかいですねぇ。
確かに。
(高原)悪女の中の悪女だよ。
あやちゃん。
はい?今何件抱えてる?え〜と…毘沙門町の窃盗と先月の暴行事件それに…。
大小取り混ぜて7件の事件を抱えておられます。
とてもこんな詐欺事件を担当する余裕など…。
馬鹿者!!こんなとは何だ!?こんなとは!いいか!?北沢えりかにはなこの詐欺の他に2件の傷害被疑事件がありそれも取り調べで否認をし続けているんだ!つまり警察は完全に舐められてると…あ!そのとおり!金融業者の裏社会でも北沢の名前は知れ渡ってる!身柄を取って取り調べるなり何なりして是が非でも起訴に持ち込まないと我が地検の威信にも関わる!被疑者北沢えりかは歌山町に居を構えそこで年利29.2パーセントという高利で金を貸しています。
建設会社を経営する安藤喬はその北沢からおよそ5千万円の金を借りていた。
おそらく北沢はその安藤に庭を改築したいと暗に持ちかけた。
北沢に逆らえない安藤は西鴨大井町に店舗を構える広田造園の広田洋二氏に声をかけた。
そして北沢の庭の工事をしたいとこの広田氏に持ちかけて見積もりを出させた。
そして北沢の名前を一切出さず安藤の名前で契約まで結んだ。
その金額…およそ4千万。
でも広田氏は北沢の家の庭だから当然北沢が支払うものと思い込んで造園工事を行った。
(鍵崎ナナ)ところが工事が終わって広田氏が造園費用を北沢えりかに請求すると北沢は支払いを拒否したんですよね?そう。
「そんな話はしらない。
勝手に安藤がやった事だ」と言い張った。
結果施工費は振り込まれず広田造園は倒産。
複雑そうに見えるが要するにだ!造園工事費の4千万を北沢えりかと安藤が共謀して踏み倒したわけだ!ただし!契約者の名前は安藤となっていたから北沢えりかは警察の取り調べでも「自分は広田氏と会った事もない。
一切関わりない」と言い張った!だったらその安藤という男を追求すればいいじゃないですか!その安藤は広田氏がこの一件を警察に持ち込んだ時から姿をくらまし行方が掴めないの。
(出口恒雄)お〜一見簡単そうに見えますがこりゃ難事件ですねぇ!多分安藤というのはなぁ気の弱い男なんだな。
事が上手く運べば借金の5千万をチャラにしてもらえるかもしれないと考えたが警察が動き出して怖くなって逃げ出したわけだ!とにかく行ってみるわ。
(出口)どちらへ?ついて来ればわかる!ここが被疑者の御殿のようね。
(ナナ)中の様子が見えないですね。
あそこからなら中が見えるんじゃないですか?あ〜れ…何やってるんですかねぇ?正気で言ってる?見たらわかるでしょ!バーベキューパーティーに決まってるじゃない!
(北沢えりか)まぁお上手だって伺ってます…。
(ナナ)へぇ〜極悪人の北沢って結構美人なんだ〜。
(佐川)オイ何見てんだよ?この家の方?…ちょうど良かった。
京都地検の鶴丸です。
入らせていただくわ。
(佐川)待てコラ!待てって言ってんだよ!誰なの?佐川。
勝手な真似してんじゃねぇ!地検の検事だとか。
ひょっとして…鶴丸さん?あなたの事件を担当する事になったので下見に来ました。
お噂はかねがね。
でもこんなに綺麗な方だったとはねぇ…。
お肉ご一緒にいかが?結構よ。
あたしは法外な利息を取り立てて得た不当な報酬で購入した肉は食べない!アハハハハハ…!京都地検です!死因は何なんです?
(北村鉄男)答える必要ねぇぞ。
北村さん!何?その言い草…。
このヤマはこっちの担当だ。
地検さんの出番はまだまだ先だろ?
(ため息)被疑者を逮捕出来なかった事件をこっちに押し付けたくせに。
はぁ?北沢えりかの詐欺事件!あぁ…それか。
安藤の死は北沢の詐欺事件に重要な関わりを持ってるの!知ってる事を教えて!あの上からジャンプした可能性が大だ。
…けどまだ他殺の線も残ってる。
他殺の根拠は?明らかに暴行を受けたっちゅう跡が体のあっちこっちに残ってたらしい。
じゃあ逮捕されても口を割らないように…北沢が痛めつけてあげくに殺した…!?…ていうのも大いにアリだ。
なんて女なの!?許せない…!オイ何だお前らは!?
(事務官)京都地検です。
通しなさい。
(ナナ)何やってんの!?邪魔なのよ!北沢さんご在宅ですね?
(沢木まき)はい…。
何なの?騒々しい事。
北沢えりかさん。
あなたに詐欺と傷害の容疑で逮捕状が出ています。
同行願います。
あら今日ご挨拶したと思ったらもう逮捕?検事さんはよっぽどせっかちなお方のようねぇ?こちらは捜索差押令状です。
(えりか)調べてもらってもこっちは痛くもかゆくも。
すぐに出掛ける支度してきますのでちょっとお待ちください。
待てないわ!あたしはせっかちなの。

(グラスの割れる音)あ!ごめん遅くなって!お弁当買ってきた!
(鶴丸りん)おかえり。
あら?また来てるの?北沢引っ張ったらしいな。
見ものだねぇ〜!鶴丸あやバーサス北沢えりか怪獣大決戦!どうせまたあたしのやり方にいちゃもんつけに来たんでしょ?違うよ。
北村今夜は飲まないでお母さん待ってたんだよ。
え?これうちの連中からだ。
頼む。
あんたの力で何とか北沢を落としてくれ。
どうしたのよ!?あたしに頭下げるなんて熱でもあるんじゃないの!?みんなあの女を落とせなくてデカとしてのプライド傷つけられてんだよ。
俺も同じ気分だ。
北村さん…!あの女だけは許せねぇ!わかった!彼女を落とせたら2人で一緒に飲みましょう!おぅ!うわぁ珍しい!ケンカしない2人なんて初めて。
いつもこうだといいのに。
北沢さん。
あなたは安藤建設の安藤さんにおよそ5千万円のお金を貸していましたね?
(えりか)そんな額になってたかしらねぇ?あなたはそのお金が返せないと安藤さんに泣きつかれた。
それでこの詐欺を思いついた。
違いますか?詐欺〜?何の事かしら?5千万の借金を帳消しにしてやる代わりに広田造園と造園施工の契約を結べ…暗にそう持ちかけた。
違いますか?知りません。
何の事だか。
では安藤さんと一緒になって広田氏を騙した事実はなかったと言うんですね?もちろん。
知ってますよね?亡くなった安藤さんには暴行を受けた形跡があったんですよ。
関係ないわあたしには。
…ひとつ言っておきます。
ここは取り調べがすんだら家に帰れる警察とは違います。
正直に話さないとつらい思いをするのはあなたなんですよ。
つらい…!?警察の鬼のような刑事さんに比べたら検事さんは天使に見えますわ。
(笑い声)さすが噂の北沢えりかだよな…。
鬼の鶴丸を舐めきってるもんなぁ…。
太田さんなんか嬉しそうですねぇ!バカな事いうなよ!私は検事に速やかに判を押してもらいたいだけですよ。
まぁ今回は多少長引きそうだなぁと思ってるだけでさ。
太田さんって…嘘が顔に出るんですね。
北沢はバーで隣り合った客の頭をビール瓶で殴ったそうね。
(ビール瓶の割れる音)
(川上のうめき声)
(池内弘二)バーのホステス連中はビールを注ごうとした時にたまたまぶつかっただけだって皆口を揃えて供述してますがね。
それは一晩で200万からの大金を使う上客だからって事?いや〜しかし引っ張るの早すぎたんじゃないっすか?北沢ってのは相当な女らしいじゃないですか。
世間話はともかくもう1つの傷害事件について話してください。
え〜1か月前白昼団地の庭で通りがかった主婦を殴ったんです。
(池内)たまたまバッグを振り回してたら被害者の顔にぶつかっただけだってバカにしたような言い逃れしてますがね。
おかしいわ!…え?どっちの事件も両方とも動機がまるで見えてこない。
普通人を殴るにはそれだけの理由があるはずでしょ?いや〜いますよ。
生まれつき粗暴な人間てのも。
いやだとしてもよ。
あたしには生身の北沢えりかが全然見えない。
人は彼女の事を悪女だ酷い女だって言うけれどそうなるにはそれ相当の理由があってしかるべきよ!
(ため息)ねぇちょっと何かさ手掛かりになる情報ないわけ?ねぇ?北沢えりかの実態を知る情報はないわけ!?いや…。
お昼何食べた!?…餃子定食。
(咳払い)お口!あーんして!過去の事件の被害者と北沢えりかの関係一から調べ直して。
そこにはきっと何かあるわ!これ主婦の勘!ゴホゴホ…また主婦の勘かよ…。
じゃあ両親共に亡くなってる上に親類縁者は1人もいないと…?
(まき)よく天涯孤独なのよって言ってました。
特定の男性と付き合っている様子は?さぁ…特に。
ハァ…これが4千万円の庭か…。
マーガレット…?あ…ここにも!お庭に花壇もありましたよね?社長がお好きなんです。
へぇ…。
随分可憐な花ですよね彼女にしては。
私には何とも…。
他に何か彼女の事で気付いた所ってありませんかね?さっきもお話したようにとにかく短気ですぐに暴力を…。
私も一度だけですがほっぺた叩かれました。
また理由のない暴力?いえ理由は…私が花瓶を落として割ったからなんですが…。
えぇ。
それで割れた花瓶をゴミ出ししようとしたら「なんでそのまま捨てるんだ!」って急に怒り出して…。
あ…そんな大切にしてた花瓶なんですか?いいえそういうわけではなくて「破片は布で包んで捨てろでないとごみ収集の人が怪我するじゃないか!」って。
ゴミ収集の人が怪我する…!?
(桜井麗子)風邪気味なのよ!滋養強壮にはどのジュースがいいの?
(漆原さやか)この間の朝鮮人参のジュース!ものすごい効いたみたい!もう1回お試しさせて!ん?ん?それ!それ!
(柿野たまこ)お試しはもうなし!1杯300円払って。
(吉川香織)え〜!ケチくさい!やっぱりここにいた!ねぇねぇねぇ…!
(3人)何?あのさガラスの割れ物をゴミ出しする時ってみんな布で包む?
(3人)布で?生ゴミやろ?瓶やろ?缶やろ?これ分別はするで?せやけど布では包まんなぁ。
そうよね普通はそうよねぇ!ヘン!絶対おかしい!ヘン…!やっぱりここにいたか。
ビールといつもの。
枝豆ですね?暴行罪の余罪が出た。
明日引っ張んぞ。
北沢のボディーガードの佐川ってボケとあの琴欧州みてぇなでっけぇ外人。
な〜んかヘン!ガンガンに攻めて絶対吐かしてやっからな!ヘンだわ…。
安藤を痛めつけたのはあいつらに決まってんだからよ。
聞いてんのかオイ。
ねぇおかしいと思わない?何が。
あの粗暴で短気な北沢えりかがごみ収集の人が手を怪我するといけないからって割れた花瓶を布で包んで捨てさせたのよ?そんな繊細な気配り…!北沢に似合わないと思わない!?ちょっと待て…今回のヤマはいつものヤマと違うってのをわかってんのか?ちょっと聞いてよ!それにさ大体あの可憐なマーガレットの花がよ?北沢に似合わないでしょ!?いやあのな…。
あんなこてこての日本庭園によ?植えるんだったら日本の花でしょ。
それがマーガレットよ?まるで着物着てハイヒール履いてるようなもんじゃない。
いやだから…。
そこには絶対何かがあるの!これ主婦の勘!俺の話を聞けっつーの!そんな屁みてぇな勘なんかに頼ってな北沢えりかが落とせると思ってんのか!?いいか?今回のヤマにはな俺達京都府警のデカのプライドっつーのがかかってんだよ!デカも検事も関係ないの。
あたしはねまっとうな市民を傷つける北沢えりかのやり方が気に入らないの。
だからあたしのやり方で捜査を続けます。
余計な口出ししないで。
こっちはそっちの援護射撃しようと思って必死になってんじゃねぇかアドバイスくらい聞いたらどうだ?アドバイスなんか頼んでません!いただきマンモス。
あ!何すんだよこの泥棒ヘビ!あら!泥棒はいいけどヘビはやめて。
それを言うなら泥棒…リス。
オエッ!…何それ。
ウゥ…。
なぁにそれ!あの…すいません!京都地検の鶴丸です。
ちょっとお話聞かせてください。
話してる暇なんかない。
ここを回る作業員の方はずっと同じ方ですか?俺は去年の暮れに入ったから…。
あいつ確かずっとこの辺りの担当だったはずや。
すいません!すいません。
あなたこの家の北沢えりかご存知ですか?
(太田)え?呼ばなくていい?北沢えりかをですか?かわりに北沢えりかの屋敷周辺のゴミを収集している作業員を呼んでください。
名前は及川順平。
あなたは小学校・中学校と北沢えりかの同級生だったそうですね?
(及川順平)はい。
では彼女の事をよく知ってますね?知りません。
え…?中学出てもう20年以上も経ってるんだ。
あ…でもあなたは毎日北沢家のゴミの収集をしてますね?一度も話してませんし向こうの顔もよく覚えてないですよ。
でも北沢えりかはあなたに気を使っていた節があります。
ないですよそんな事。
住む世界も違うし…。
(ため息)
(笑い)
(汁をすする音)白鳥さんが誰かに恨まれていたような事は?さぁ…?
(出口)じゃあ北沢さんと川上さんの関係については…?全然面識ありませんよ。
利息や取り立てについては?…法定内でしょ。
帰れ。
帰れ。
よし!帰りましょ。
帰ろ帰ろ。
どうして北沢えりかの過去の姿が見えてこないの…!?物に当たるのはいかがなものかと…。
意識的に隠してるとしか思えないなぁ…。
(倉木民子)なかなか手強いんですよねぇ。
あ〜もうやんなっちゃった。
愚痴ってもしょうがないわ。
太田さん!次の被疑者を!…今日の接見はございません。
え?えぇ伏見区の暴行事件は竹井検事に。
左京区の恐喝未遂は福永検事に引き継ぎをお願い致しました。
鶴丸検事にはこの北沢えりかの事件に集中していただきます。
はぁ…太田さん…。
あなたってホント臆病な小動物ね。
まるで下痢気味のレッサーパンダだわ!ビクビクビクビク!はい!?北沢えりかの拘留期限まであと4日!焦らなくていいわ。
しかし鶴丸検事の苦戦は誰の目にも明らかです!さぞかし愉快でしょうね!あなたとしては。
はい。
正直申し上げまして劣勢に立たされる鶴丸検事の姿最初は喜びを感じました。
しかし…。
(ため息)ここまで苦戦を強いられると喜びはいつしか消え去りなぜかふつふつと悔しさが…。
仕事に感情を持ち込むべきではありませんが…鶴丸検事!この勝負!勝たねばなりません!研ぎ澄ませるんです!主婦の勘を!!太田さん…!
(ノック)ちょっといいですか?池内刑事!ここは我々の聖域なんです!入室されるならアポを取っていただかないと…!いやちょっとそういう悠長な事は。
北沢えりかの母親が生きてました。
病死したんじゃなかったんですか!?北沢は隠してたようですが実は交通事故の後遺症で施設に入ってたそうです。
まぁ…!北沢の水商売時代の古い馴染みのホステスから聞いた話なんで間違いないでしょう。
これその施設の住所。
それじゃ。
池内さん!北村刑事から頼まれましてね。
え…?府警のメンツと鶴丸あやの名誉のために捜査に協力してやってくれって。
北村さんまで…!?ありがとう…!ありがとう3人とも…!…と泣くほどではないにしてもこの鶴丸皆さんのお気持ちに心より感謝致します。
早速行ってくるわね。
…あ太田さん。
ちゃんとゴミ分別して!
(一同)…嘘泣きかよ!?
(甲本初枝)北沢さんは今から21年前交通事故で脊椎を損傷。
意識が戻らないまま今に至ってます。
彼女の父親はまるで患者を捨てるようにして離婚して他の女性と再婚しました。
それでえりかさんは高校を中退して母親をこの施設に預けて働き始めたんです。
まだ十代のうちからここの費用を…。
どうやってまかなってたんでしょうね?年齢を偽って水商売を始めたそうですけど親戚の男性が近付いてきていかがわしいお店に勤めさせようとしたとか。
親戚の男性が…?えぇ…。
それでもう人は信用出来ない頼りになるのはお金だけだと。
それで闇金業者に…。
今ではこの施設に寄付までしてくれてます。
寄付…!?北沢えりかが?
(初枝)でもあたしはそんな事より月に一度でいいからお見舞いに来てやって欲しいんです。
意識がないといっても患者にはわかるとあたしは考えてます。
彼女表向きは母親は死んだという事にしてました。
忘れたかったのか…隠したかったのか…。
でも知ってる人1人だけ。
は…?あの人はこの20年来毎月必ず顔を見せてくれてますよ。
それは誰です?
(店員)いらっしゃーい!白百合苑へ行ってきました。
感心ね。
20年間お見舞い続けてるんですってね。
あすいません。
今日のオススメは?ニラレバ炒め。
今日の日替わり。
じゃあそれ1つ。
へぃ。
日替わり一丁!あいよ!子供の頃から俺…オバサンには可愛がられてたから…。
オバサンって北沢えりかのお母さん?ミシンかけるのが上手な人で給食の袋とか…作ってもらって。
だからってなかなか出来る事じゃないわ。
俺続けるのは得意なんだ。
(子どもの声)オーライオーライ。
(及川の声)子供の頃ゴミのトラックがすげぇカッコ良く思えて…ずっと憧れてた。
憧れつづけて…今この仕事してる。
じゃああなたゴミの収集しながらずっとあの家が変わってくのを見守ってたの?北沢えりかを見守ってたの…?待って…!あたしは北沢えりかから傷害と詐欺の自白を取りたいの。
きちんと罪を償う事が彼女のためにもなると思うから。
何も出来ないよ俺は。
及川さん…!えりかは…オバサンが事故に遭った時も金輪際意識が回復しないって聞いた時も泣かなかった。
ただ1回だけ泣いた。
…いつ!?オバサンがあの施設に入って風呂に入れられた時…入浴介護したのが男のヘルパーだったんだ。
まぁ重労働だから男がやって当然なんだけどえりかお母さんが恥ずかしがる可哀想って言って…泣いたよ。
こんなトコいつまで入れてんだよ!?出せよ…!!あ…副部長!あと2日か…。
はい。
我が京都地検も府警も所轄もみんな鶴丸あやを信じてる。
…無論私もな!どうすんだよ鶴丸…!検事…。
明日北沢えりかを呼んでください。
いよいよ対決か!?
(足音)この契約書はあなたが安藤さんに命じて広田氏との間に交わさせた…そうですね?あ〜あマニキュアがはがれてきちゃったぁ〜。
早く出て塗り直さなきゃねぇ〜。
じゃあ少し世間話でもしましょうか。
白百合苑へ行ってきました。
お母様綺麗な方ね。
21年も意識の戻らないお母様をあんなにきちんと看護するなんて…。
もうそりゃ大変だったと思うわ。
あなたが十代で水商売を始めたのもお母様の看護費用を出すためだったそうね?そんなあなたが今は悪意でギラギラしてる…。
このままじゃ戻れなくなりますよ。
もうお母様に合わす顔もなくなる…。
うっせーよ!あんたにあたしの何がわかるってんだよ!?だったら自白してください。
本当の心情が明らかになれば確実に罪は軽くなります。
あなたがこれ以上罪を重ねる事をお母様だって望んでないはずだわ。
黙れっつってんだよ!!何ださっきっからそんな話ばっかしやがってよ…!あんたに同情なんかされたくねぇんだよこのアマ!え!?上等だよこの野郎…!
(太田)退室!退室!
(えりか)離せよ…!離せこの野郎!
(ため息)…検事?
(池内)そんな事は…。
暴れた北沢えりかの目に怒りや憎しみよりも悲しみがあった…。
彼女は若い頃受けた心の傷がまだ癒えてないんじゃないかしら?その傷を刺激されるたんびに北沢は血を流して暴れる。
それを見た人は彼女を悪女と呼ぶ…。
華奢な狐も障子に映った影だけを見れば化け物に見えるか。
(ため息)あぁその北沢洗ってて思いがけない証言が出てきましてね…これ。
なんだなんだ?鬼検事が情にほだされたか?何?またあたしのやり方にケチつけに来たの?ん〜北沢に肩入れしてるあんたにはいいニュースかもな。
え…?例の北沢のボティーガード2人が安藤を痛めつけた事を自供したよ。
けど殺しじゃなかった。
あいつ殺されたんと違うで。
自殺や。
じさつ!安藤は死ぬ直前親しかった友達に今から飛び降りるって電話入れてたんだ。
悪いけど…ちょっとだけホッとした。
(携帯電話)焼酎芋でな!はい。
白百合苑の甲本さん…?はい鶴丸です。
え…!?ホントですか?
(足音)
(ドアの開く音)
(足音)何なの?こんなとこまで?先ほど…白百合苑の園長から連絡が入りました。
お母様が午後9時頃息を引き取られたそうです。
一応報告をと思って…来ました。
そう…死んだの…。
なんかあの人だけはずっと生きてるような気がしてたけど。
フフッ…死んじゃったか…。
通夜葬儀の一切は園長が取り仕切ってくださるそうです。
…では。
あ〜あ!これであたしはホントに1人っきりになった!アハハ…。
早く帰ったら特製コラーゲンスープ作っといてあげる!え?どういう風の吹き回し?最近ここんとこシワ寄ってるよ。
ストレス溜まってんじゃない?…アハハ頼んだわ。
じゃあ行ってきます!はい行ってらっしゃい!
(ため息)今日がラストデーだな。
北村さん…。
どっち転んでも今夜は飲もうぜ。
私は…落とすつもりよ。
最後の最後まであきらめない!骨は拾ってやるよ!
(車の走行音)
(ミシンの音)
(北沢真奈美)出来た〜!
(えりか)わ〜い!あたしのブラウス!やったやった!ほら!かわいいでしょ〜。

(ノック)…どうぞ。
北沢えりかを連行しました。
…中へ。
あなたは借金5千万円を相殺する事を条件に安藤さんに広田氏と契約する事を暗に命じたのではありませんか?最初から広田氏に対して詐欺行為を働こうとしていたのではありませんか?いいえ。
そんな覚えはありません。
過去2件の傷害事件について担当刑事から新事実を得ました。
あなたが団地で暴行行為に及んだ白鳥みゆきさんはあなたのお父さんの再婚相手。
そしてバーで殴ったのはまだ十代のあなたをいかがわしい店で働かせようとしたあなたの叔父さん…そうですね?それが何だってんだよ?この2つの事件はあなたやお母さんを裏切った人に対する報復でした。
でも今回の事件はそれとは意味合いが違います。
孤独である事を犯罪の言い訳にしてはいけない。
あなたは被害者だけでなくお母さんも裏切ったんですよ。
あなたの善意を受け止めてくれていたお母さんは今はもういません。
このマーガレットはお母さんの好きだった花だそうですね?あなたの心はお母さんから離れる事は決してなかった。
だから毎年あの施設に寄付を続けてたんですね?でもあなたは20年間一度もお見舞いには行かなかった。
でもあなたは変わり果てたお母さんの姿を見る勇気がなかったんでしょう。
及川さんから聞きました。
あなた男性に入浴介護されてるお母さんが可哀想だと涙を流したそうですね。
母親にとってそんな優しい心を持った娘は壊れやすい宝物です。
あなたはお母さんを思って毎日この花を飾った。
花瓶が割れたらその破片で怪我をしないように友人を気遣った。
でもあなたが気遣った同級生の及川さん…。
あの人も遠くからあなたをずーっと見ていた。
彼は20年間ずーっとお母さんのお見舞いを続けていた。
世の中にはねぇ損得抜きで誠実に生きてる人がたくさんいます。
及川さんもそう…あなたのお母さんもそして…元々はあなたも。
あなたは1人ぼっちじゃありません。
私は北沢えりかという人を強欲で粗暴な悪女としてではなく優しい…母親思いの人一倍傷つきやすい女性として記憶に残すと思います。
我々があなたを拘留出来るのは今日までです。
明日からあなたは自由です。
…以上。
(えりかの笑い声)何が京都地検の鶴丸だよ。
てんで甘く出来てんじゃないのよ。
よくそれで悪党相手の商売務まんねぇ!甘いよ!甘ちゃんだよ!バカだよ!!あたしはずっと1人で生きてきたんだ…。
1人で生きてくには泥水だって飲まなきゃならなかったんだ!騙されるよりも騙す方が勝ちだと思ってきたんだよ!そんなあたしの…胸の中に入ってきたのはあんたが最初だよ!白状するわ。
詐欺も暴行もみんな!あたしがやったんだよ!あんたの勝ちだよ…!みんなゲロしてあげる。
あなたの勇気評価します。
始めてください。
(2人)よっし…!副部長!北沢えりかが全面的に自白しました!!やったか〜!痛い!大丈夫ですか!?めでたい!アバラが折れてもめでたいよ〜太田君!はい!あ痛…。
大丈夫ですか?
(えりか)不思議ねぇ…なんだかいい気分だわ。
いい日になりましたね。
こんな日は神様が何かプレゼントをくれるかも…。

(子供たちの声)オーライオーライ…。
順平…!?
(嗚咽)
(嗚咽)
(嗚咽)皆さんお疲れ様でした!じゃあ乾杯〜!
(一同)乾杯〜!あ〜でもさすがですね鶴丸検事!ホント!尊敬致しますよ〜!主婦の勘のおかげなわけ!?いや今回は僕もなぜか協力してしまったしなぁ。
俺もつい…まぁなんつーの?総合力の結果だな。
いや俺の貢献度もかなり高いと思うぜ?もうホントに今回はあたしの実力?は?てゆーかそのあたしを支えた章ちゃんの愛!?アハハ!そうだ!章ちゃんにメールしとかなくっちゃ!「章ちゃん…愛し…」ああいう人なんですか!?そうよ。
ああいう脂っこいオバサンなのよ。
しょっぱいオジサンがほざくな!今週は何かいい事ありましたか?私ね思うんですよ。
2015/08/21(金) 10:00〜10:55
ABCテレビ1
京都地検の女3[再][字]

「VS最凶の女詐欺師!!豪華庭園に奇妙な花」

詳細情報
◇番組内容
名取裕子主演人気シリーズ第3弾!
事件解決のカギは“主婦の勘”。京都地検・鶴丸あや検事が、事件の盲点を主婦ならではの視点で鮮やかに解き明かす!
◇出演者
京都地検検事・鶴丸あや ・・ 名取裕子
京都府警刑事・北村鉄男 ・・ 船越英一郎
中京署刑事 ・池内弘二 ・・ 益岡徹 
京都地検事務官・太田勇一・・ 渡辺いっけい
京都地検副部長・高原純之介・・ 蟹江敬三 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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