(ライス)お前さん。
何してたんだい?
(男性)おいライス。
お前全然聞こえねえぞ。
(ライス)朝早く家を出てったっていうのにもうじき夕方じゃねえか。
(男性)いいかげんにしろ。
この出来損ない。
(ライス)いったいどこほっつき歩いてたんだい?
(男性)永楽亭の看板に泥塗る気か?さっさと辞めちまえ!
(男性)そうだ。
辞めちまえ!
(一同)下手くそ!金返せ!
(ライス)すいません!
(清助)おいおい。
ちょっとやめろって。
おいおいちょっと。
(カッキー)物を投げないでください。
(キリコ)外野はすっこんでろい!
(清助)痛っ!?
(キリコ)投げろ投げろい!もっと投げろい!
(清助)やめろ!
(怒声)
(清助)やめろ!・
(怒声)
(キリコ)投げろ投げろ投げろい!もっと投げろい!
(涼)何だこりゃ?
(キリコ)投げろい!投げろ投げろい!投げろ投げろい!投げろい!
(カッキー)ハァー。
ああー。
疲れた。
(清助)商店街盛り上げようって企画したのに大失敗だったな。
(キリコ)何言ってんの?大成功じゃない。
(キリコ)貸し切り営業も悪くないわね。
結構もうかったし。
(カッキー)結局お金ですか?
(キララ)じゃあそろそろ私たち行くね。
(清助)ごめんな。
つまんない落語に付き合わせちゃって。
(栞)大丈夫です。
よく眠れたし。
(キララ)私も。
(清助)またな。
(清助)睡眠不足解消に貢献できりゃ十分だろ。
あのぽんこつ落語家。
(涼)清助さん…。
(清助)しかしホントひどかったなあの野郎。
やっぱりギャラをケチると三流どころが来ちゃうんだね。
清助さん!
(清助)えっ?うわ!?まだ…。
まだいたんですか?
(ライス)すいませんね。
ぽんこつの三流で。
(清助)いやいやいやいや。
今のは何つうんですかね。
言葉のあやっつうか。
なあ?カッキー。
ほら言って。
そうですね。
あのう。
お疲れさまでした。
(清助)お疲れさまでした。
(カッキー)面白かったです。
(ライス)でも俺ほとんど落語やれなかったんですけど。
(清助)やってなかったよな。
(カッキー)いや。
でもほら。
何かライブ感っていうか。
あっ。
一体感があってよかったですよ。
ねっ?キリコさん。
あんた落語家向いてないんじゃない?
(カッキー)キリコさん。
失礼ですよ。
(ライス)いいんですよ。
自分でも分かってますから。
俺には親父みたいな才能はないんだって。
(涼)お父さんも落語家なんですか?
(ライス)はい。
永楽亭コメマルです。
(清助)コメマル。
コメマルってあのコメマル師匠?えっ!?えっ!?私大ファンです。
えっ!?あっあのう。
コメマル師匠の「時そば」あれホントに目の前におそば食べてるみたいなんですよね。
あっ。
「二番煎じ」のお酒飲むとこなんかも…。
何かすいません。
(ライス)大丈夫ですよ。
慣れてますから。
生まれてからずっとコメマルの息子ですからね俺は。
俺も稽古ではもうちょっとましな落語家なんですよ。
でも本番に弱くって。
いっつもあんなあんばいで。
そう。
それは大変ね。
立ち話も何だからこちらのお席へどうぞ。
私落語はそんなに詳しくないんだけどコメマル師匠みたいな名人にもなると相当裕福な暮らしなさってるんでしょうね?まあそうですね。
白金の庭付き一戸建てに住んでますよ親父は。
俺もこの世界入るまでは送迎の運転手付きだったし。
ちょっとカッキー。
何ぐずぐずしてんの。
早くお客さまにコーヒーお出ししなさいよ。
(カッキー)はい。
(涼)また始まっちゃったよ。
キリコさん。
(清助)獲物を見つけた猛獣みてえな目してやがる。
じゃあコメマル師匠の名跡も財産もいずれは…。
あっ。
すみません。
お名前何でしたっけ?来栖です。
永楽亭来栖。
コメマル師匠の名跡も財産もいずれはライスちゃんが引き継ぐのね?素晴らしいわね。
伝統芸能万歳。
(ライス)どうかな?親父は俺よりも弟弟子に期待してますからね。
俺はいつまでたっても二つ目なのにあいつはこないだ真打ちに昇進したし。
(清助)まああの調子じゃ弟弟子に先越されても仕方ねえわな。
(ライス)ハハハ。
おっしゃるとおりで。
ほら。
さっきもいたでしょ。
「永楽亭の看板に泥塗る気か?」って人。
あんなやじしょっちゅうですからね。
他の落語家にも陰口たたかれてんの知ってます。
コメマル師匠の息子は出来損ないだって。
あのう。
落語を辞めたいとは思わなかったんですか?そりゃ思いましたよ。
大学入ったときにね落語とはすっぱり縁切って映画研究会に入るつもりだったんです。
将来は映画会社に就職できたらいいななんて。
なのに…。
なのに落語が好きな女にほれちまってよ。
何で分かったんですか!?フフッ。
女の勘ってやつ?彼女に声掛けられたのがきっかけでした。
「落語をやってみませんか?」って。
(由紀子)《落語をやってみませんか?》その笑顔にやられちまってね。
気が付いたらもう落研の部室にいましたよ。
由紀子と一緒に。
あっ。
彼女の名前西川由紀子っていうんですけど。
(涼)へえー。
一目ぼれだ。
(清助)いいね。
青春だね。
彼女だけは俺がコメマルの息子だって知っても特別扱いしなくて。
それが心地よかったんですね。
(カッキー)はい。
お待たせしました。
(ライス)どうも。
(ライス)それから由紀子と付き合い始めて。
彼女を笑わせたい一心で真面目に落語をやるようになって。
で親とおんなじ道に進んだってわけか。
ええ。
でも彼女とは別れちゃいましたけど。
バカよね男って。
女で人生決めちゃうんだもん。
ああー。
うまっ。
で昔ほれた女が忘れられなくて今もだらだらと落語続けちゃってんのね。
(カッキー)キリコさん。
(涼)何で彼女と別れちゃったんですか?卒業してから彼女は多忙な証券会社に就職。
俺は修業修業の毎日で擦れ違いが増えちゃって。
あっ。
それでも毎年彼女の誕生日だけは予定開けて祝ってたんですけど。
とうとう愛想尽かされちゃったわけだ。
(ライス)ええ。
他の男といるの見ちゃって。
(清助)ひでえ女。
まあ全然構ってやれなかった俺が悪いんですけどね。
・「別れても好きな人」・「別れても好きな人」ライスちゃんはさ立派な落語家になって元カノを見返したいのよね?
(ライス)ええ。
まあそうです。
そのためにはまず本番に強くならなきゃね。
本番に弱い男って最悪だもん。
本番に強くなりたいわよね?なりたいです。
じゃあ私に任せて。
特別にレッスンして本番に強い男にしてあげる。
(ライス)本当ですか!?ホントよホント。
私嘘つかないもん。
ねえ?カッキー。
えっ?それは…。
一度もないの嘘ついたこと。
その代わりあんたも約束して。
どんなにつらいことがあっても絶対途中で投げ出さない。
もし投げ出したら…。
投げ出したら?そのときは落語家辞めてもらうわ。
いいわね?
(ライス)分かりました。
よろしくお願いします。
そうと決まったらレッスンがうまくいくように芸能の神様にお願いしなきゃ。
(ライス)芸能の神様?そう。
こっち向いて。
ほら。
ここに神棚とおさい銭箱があるでしょ?おさい銭箱って何するものか分かる?大人なら分かるわよね?そうそう。
ちょっとお財布出してみて。
あっ。
最初は気持ちだけでいいのよ。
(カッキー)
こうして本番に弱い落語家永楽亭来栖さんは見事にキリコさんの術中にはまってしまったのでした
(ライス)おいしいコーヒーと懐かしの昭和歌謡。
ただキリコさんのレッスンに本番に強くなる効果があるのかは怪しいところです
(ライス)懐かしの昭和歌謡。
美人オーナーがいる癒やしの空間。
純喫茶昭和堂です。
声が小さい!特に「美人オーナー」ってとこ。
(ライス)おいしいコーヒーと懐かしの昭和歌謡。
美人オーナーがいる癒やしの空間。
純喫茶昭和堂です。
皆さまぜひお越しください。
私にはライスさんがタダ働きさせられているようにしか見えません
(ライス)純喫茶昭和堂です。
いつもお疲れさまです。
(男性)うっせえ!バカ野郎。
(敦也)何だよ?表のありゃ。
ぽんこつ落語家のなんちゃら亭なんちゃら。
(涼)永楽亭来栖。
ああ。
それ。
本番に強くなりたいっていうから私が面倒見てんの。
(敦也)じゃあうちの道場来りゃいいのに。
んなことしたら余計悪化しちゃうでしょ。
(カッキー)あのう。
あんなことしててライスさん。
本番に強くなれるんですか?
(ライス)さあ。
幻味堂の猫まんじゅうはいかがですか?3時のおやつにお土産に谷中の猫まんじゅう。
猫まんじゅうはいかがですか?
(富子)ちょっとあんた。
こんなとこ突っ立ってたら邪魔だよ。
(ライス)すいません。
さあ幻味堂の名物…。
(富子)もっと腹から声出しな。
(ライス)はい。
(富子)まったく。
どうでもいい新入りばっか集まってくるねこの店は。
母ちゃん。
あれ新入りじゃなくて落語家だよ。
(富子)えっ?何で落語家がうちの店先にいんだい?いや。
キリコに頼まれちゃってさ。
タダ働きでいいから呼び込みやらせろって。
(富子)またあの女。
ろくでもないことたくらんで!
(くしゃみ)風邪ですか?昔捨てた男が噂してるみたい。
あんないい女はいなかったって。
はいはい。
(カッキー)いらっしゃいませ。
涼君。
(カッキー)いらっしゃいませ。
(涼)キリコさん。
連れてきたよ。
オーナーの有村霧子です。
あっ。
どうぞこちらへ。
(カッキー)どなた?例のライスさんの元カノ。
(カッキー)えっ!?カッキー。
コーヒーとビール。
お願いね。
あっ。
はい。
涼君はキリコさんに頼まれてあらゆる手を使いライスさんの元カノ西川由紀子さんの居場所を突き止めていたのです
(由紀子)《だしを使ってるところがあるがな》《えっ?お前さんとこはいちいちうれしいじゃねえか》《そばは細いね。
おい》《近ごろうどんじゃねえかと思うぐらい太いのがあるがなそばは細いのがいいよな。
ホントだぜ》
由紀子さんは有料老人ホームで働いていました
レクリエーションの時間に彼女が披露する落語は入居者の方に大人気だそうです
(由紀子)《口ん中でもってぼきぼき折れるようだ》《口ん中血だらけになっちまったら大変だってんだ》
そんな彼女を呼び出してキリコさんはいったい何をするつもりなんでしょうか?
あんたの元カレの永楽亭来栖。
落語を辞めるかもよ?就職先探してるみたいだし。
(由紀子)えっ!?止めなくていいの?あんたが落語の世界に引っ張り込んだんでしょ?
(由紀子)私はもう関係ないから。
そうよね。
全然芽が出ないライスちゃんに愛想尽かして他の男に走ったんだもんね。
何なんですか?あなた。
別に。
ただの喫茶店のオーナーですけど。
(カッキー)お待たせしました。
あんたさ大学出て証券会社入ったのに何で介護の仕事してるわけ?それは…。
(由紀子)《ひぃふぅみぃよぉいつむぅななやぁ…》《そば屋さん。
今何時だい?》《えっ?4つ》
(由紀子)仕事で行き詰まったとき久々に寄席に行ったらお年寄りの団体が落語聞きに来てて。
お年寄りを笑顔にできる仕事ってすてきだなって思って。
それで証券会社辞めて介護?もったいなぁ。
そんなの私の勝手じゃないですか。
でもさライスちゃんは何にも言わなかったわけ?あんたが転職することに。
(由紀子)彼は修業で忙しかったし転職のことは相談してなかったんです。
そしたら私が介護の学校の男友達と一緒にいるとこ見て勝手に浮気と勘違いして。
大ゲンカして別れちゃったんだ。
ケンカにもならなかった。
何度も説明しようと思って電話したけどつながらないし家にもいないし。
友達に聞いたら傷心旅行でインドに行ったって。
えっ!?インド!?何それ?自分探し?ださっ。
ホントに駄目な男だねあいつ。
(由紀子)そう。
駄目なんですよ。
ぼんぼんで甘やかされて育ってるから基本打たれ弱いし。
他人とぶつかって傷つくのが怖いのよね。
ライスちゃんは。
だからがつんと言ってやったわ。
あんたは落語に向いてないって。
えっ!?ああ。
そうですね。
この前もここであいつの落語会やったんだけどさひどいもんだったわよ。
ねえ?カッキー。
えっ?あっ。
はい。
お客さんは怒って物投げるし。
「辞めちまえ。
出来損ない。
金返せ」なんてやじ飛ばされてさ。
あんたもあんなのに期待して人生無駄にしたわね。
ホントはもっと上手なんですよ。
私落研で彼の話聞いて落語家になる夢諦めたんですから。
えーっ!?嘘でしょ?あんな下手くそな落語聞いたことないわよ私。
だからそれは人前で緊張しちゃうだけで。
人前でできなかったら意味ないじゃん。
落語なんて。
本人も本番に弱いって悩んでたみたいだし。
この際すっぱり諦めた方がいいのよ。
(由紀子)いや。
そんなことありません。
少なくとも私はコメマル師匠よりすごい落語家になると思っています。
あれ?おかしいわね。
何でライスちゃんのことであんたがそんなにむきになるわけ?もう全然関係ないんじゃなかったかしら?それは…。
別れても彼のファンだから。
このときの私はまだ知らなかったのです
キリコさんがとんでもない計画を立てていたことを
(ライス)幻味堂の猫まんじゅういかがでしょうか?
(富子)もういいから。
ちょっと休憩しな。
(ライス)すいません。
ありがとうございます。
(敦也)あれ?カッキーは?買い出し。
(敦也)表の張り紙見たよ。
(敦也)幾らもうかんのか知らねえけどよ貸し切りばっかやってねえでもっと常連を大事にしてもらいたいね。
大事にしてほしけりゃさい銭箱に金入れな。
ハァー。
チッ。
フッ。
フフッ。
な…何だよ?急に。
えっ?ちょっと入道さんにお願いしたいことがあるの。
土曜日のパーティーのことで。
パ…パーティー?そう。
協力してくれるわよね?入道さん。
はい。
喜んで。
(栞)キリコさん。
土曜日友達集まれそうですよ。
(キララ)私も。
ドレス貸してもらえることになったよ。
(敦也)ドレス!?
(千香)ボンジュール。
キリコさん。
土曜日のケーキだけどこんなイメージでどうかな?
(敦也)ケーキ?
(カッキー)ただいま。
戻りました。
(敦也)キリコ。
お前何やらかす気だ?えっ?えっ?
そして運命の土曜日がやって来ました
もしもし?ライスちゃん。
最後のレッスンやるから大至急店まで来てくんない?よろしくね。
キリコさんプロデュース
本番に弱い落語家永楽亭来栖さんの最後のレッスン
(拍手)皆さん。
お待たせしました。
本日の司会進行役を務める落語家永楽亭来栖のご到着。
それはライスさんの元カノ西川由紀子さんの結婚パーティーだったのです
しかも由紀子さんのお相手というのが…
2015/08/21(金) 13:25〜13:55
関西テレビ1
癒し屋キリコの約束 #15[字][デ]【本番で緊張しない方法】
今週はキリコ(遼河はるひ)が癒し屋の仲間を癒す!洋菓子店の千香(月船さらら)を騙した結婚詐欺師に、カッキー(前田亜季)を苦しめた別居中の暴力夫に天誅お見舞い!?
詳細情報
番組内容
商店街を盛り上げようと、キリコ(遼河はるひ)たちは純喫茶・昭和堂で寄席を開く。しかし、やって来た落語家・永楽亭ライス(小野ゆたか)が酷い。モゴモゴと何を話しているのか聞こえないありさまで、しびれを切らした客が野次を飛ばし、キリコも面白がってそれに便乗。店は大混乱に!
ライスによると、稽古ではもうちょっとマシだが、超大物落語家の息子にもかかわらず、本番にめっぽう弱いのだと言う。
番組内容2
父親の名前を聞き、お金が大好物なキリコは素早く反応。「特別レッスンで私が本番に強い男にしてあげる…」とライスにささやくと、早速レッスンスタート!
いつまでも落語が上達しないのにライスが落語家を続ける理由。それは彼が大学生のとき付き合っていた元カノ・由紀子(伊勢佳世)を見返してやりたいからだった。キリコは涼(戸塚祥太)に命じて、密かに由紀子を探し出し…!?
出演者
有村霧子:遼河はるひ
柿崎照美:前田亜季
上山 涼:戸塚祥太(A.B.C−Z)
小出清助:長谷川朝晴
都幾川敦也:小林正寛
キララ:中山来未
本城 栞:吉原茉依香
小笠原千香:月船さらら ほか
スタッフ
【原作】
森沢明夫『癒し屋キリコの約束』(幻冬舎文庫)
【脚本】
和田清人
【演出】
星田良子
【プロデュース】
市野直親(東海テレビ)
高橋萬彦(共同テレビ)
【音楽】
森英治
【主題歌】
「Thank You For The Music」ラストヒロイン(中山来未)(ソニー・ミュージックエンタテインメント)
【制作・著作】
共同テレビ
【制作】
東海テレビ
ご案内
【公式サイトURL】
http://tokai−tv.com/iyashiya_kiriko/
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ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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