にっぽん紀行「一本道を歩く〜北海道 中標津町〜」 2015.08.20


(マイコ)私は歩く事が好きで雄大な自然の中を歩くのが憧れだったので実際今美しい緑に囲まれてとても心地いい気分です。
今私がいるのは北海道東部の中標津町。
広大な牧草地が広がっています。
そこにのびる一本の道。
地元の酪農家が6年かけて整備しました。
なんと70キロ以上続いてるんです。
ただ歩くための一本道そこに込められた思いとは…。

(テーマ音楽)北海道の東部に位置する中標津町。
日本有数の酪農地帯です。
広大な牧草地にのびるただ歩くためだけの一本道。
町の中心部から牧草地を抜けてJR美留和駅まで。
長さは70キロを超えます。
道を切り開いたのは…整備を始めたのは10年前。
少しでも歩きやすいようにと日々草刈りなどの手入れを続けています。
あっそうですか。
いやぁ…。
まああの頑張って下さい。
いえいえ。
ありがとうございました。
は〜い。
(牛の鳴き声)道を作ったきっかけは中標津ならではの暮らしの中にありました。
牛の世話などで広い牧場の中を毎日歩いてきた佐伯さん。
風や緑の匂いを感じながら1時間も歩くと日常を忘れ人生や将来に思いをはせている自分に気付いたといいます。
「この中標津に人が歩くためだけの道を作りたい」。
佐伯さんは一本道の開拓に乗り出します。
考えたルートは林や既存の道路私有地なども通ります。
そこで役場や多くの酪農家を一軒一軒訪ね道を通す事への理解と協力を求めてきました。
そして4年前に完成した一本道。
序盤は7キロにわたってほぼまっすぐのびるこの砂利道です。
果てしなく続くような道を歩くと人は自然に自分自身と向き合うようになるといいます。
中盤は佐伯さんが仲間と共に切り開いた森の中を通ります。
生い茂る草木に人々の歩みは遅くなります。
時に立ち止まるとこんな出会いも…。
そして終盤は急勾配の山道。
最大の試練です。
東京から一人の女性がやって来ました。
介護施設でヘルパーとして働く谷口さん。
お年寄りとコミュニケーションがうまく取れない事が多く人と関わる事に消極的になっていました。
何を考えてるか向こうの事が分からないとこちらもどう接していいかってとっても迷うんですね。
それはすごい…それが怖かったりもするんだけれど。
そんな自分を変えるにはどうすればいいか。
歩きながら自分自身を見つめ直したいとやって来ました。
最初は今の悩みで頭がいっぱいだった谷口さん。
変わってきたのは森の中の道を歩き始めた時でした。
目に映る景色に悩んでいた事を少しずつ忘れていきます。
森を抜けた先にはあの長い砂利道。
いつの間にか谷口さんはただ歩く事だけに集中していました。
11キロ地点。
突然立ち止まってしまいました。
道に迷ってしまったのです。
これまでならそのまま引き返していたという谷口さんですが…。
はいわかります。
「このまま歩き続けたい」。
その思いが消極的だったはずの谷口さんを突き動かしました。
この日のゴール展望台はもうすぐです。
はあ…はあ…。
はあ…はあ…。
すごい…。
はあ…。
わあすご〜い…。
ひたすら歩く事だけに集中した4時間余り。
目的地にたどりつきました。
着きました。
ああ…気持ちいいです。
よかった来れて。
予定よりなんか早く来れた感じです。
「恐れずまず目の前の人と一生懸命関わってみよう」。
そう思えた谷口さんです。
イエーイ!ハハハハハハッ!一本道を切り開いた酪農家の佐伯さんです。
多くの人が歩きに来てくれるようになった道の整備に力が入ります。
そんな佐伯さんをこの春から手伝うようになった若者がいます。
佐伯さんの牧場で住み込みで働いています。
3年前加藤さんはデザイナーになる事を目指し美術大学に入学。
しかし留年した事をきっかけに中退してしまいました。
甘えてばかりの自分を変えたいと父親の知人である佐伯さんのもとにやって来ました。
そんな加藤さんに佐伯さんが特に厳しくなるのが一本道の整備の時です。
道の幅や刈り取る草の高さにもこだわる佐伯さん。
その意味が加藤さんにはなかなか理解できません。
(加藤)はい。
(加藤)はい。
そうですね…全然うまくいかないです。
まだ怒られてばっかです。
佐伯さんはなぜ一本道にあれほどこだわるのか…。
それを知るために加藤さんは70キロ以上にわたるルート全てを3日かけて歩いてみる事にしました。
何が感じられるかはまだ歩いてないから分かんないんですけど少しでも佐伯さんの気持ちが伝わってくればいいかなっていう。
夏真っ盛りの一本道。
加藤さんが長く続くあの砂利道を歩き始めました。
気温は30度近く。
早速ただ歩く事の厳しさを実感します。
暑い…。
歩き始めて5時間。
さしかかったのは佐伯さんと一緒に草刈りをしたあの道です。
2日目。
一本道の中盤です。
おお…。
立ち止まると一本の木が目に留まりました。
「歩みを止めて初めて気付く事がある」。
そう感じていました。
佐伯さんが作った一本道。
最後まで歩きたいという思いを強くしていました。
(雨音)ところが3日目。
山小屋で朝を迎えた加藤さんです。
この日待ち受けているのは急勾配の山道。
なかなか出発できずにいました。
困難にぶつかるといつも逃げ出してきたという加藤さん。
ここにとどまるか歩き続けるか迷っていました。
雨が弱くなってきた午前10時。
ようやく踏み出す決心をしました。
最大の試練「がまん坂」。
長く急な坂道に足取りは重くなります。
頭に浮かんだのはいつも逃げ出してきた自分。
体力は限界に近づいていました。
それでも前に進んだ加藤さん。
登りきった時その目に思わぬ景色が飛び込んできました。
「苦しさを乗り越えて初めて見えるものがある」。
70キロの一本道が最後に教えてくれました。
何か新しい事をやってみたいなという事を漠然と思えるようになりました。
自分を変えてってそれで…自信を持てるようになりたいです。
一本道を歩ききった加藤さん。
この日佐伯さんから新しい仕事を任されました。
一本道を通る全ての人の目に触れる案内板の設置です。
目線の高さでいいよ。
加藤さんは佐伯さんが求めるものを少しずつ分かり始めています。
「歩いてみて初めて分かる事がある」。
それが佐伯さんの一本道です。
人って歩いて長く歩いて旅をすると何かやっぱり変化が多分あると思いますね。
その事って何だろうっていうのを探し求めてきてたまたま僕がやってる事がそういう事につながっていくのかもしれないですけども…もちろんつながっていってくれたらそれはそれでありがたいよね。
北海道中標津町にのびる一本道。
今日もそれぞれの思いを胸に人が歩きます。
2015/08/20(木) 19:30〜19:55
NHK総合1・神戸
にっぽん紀行「一本道を歩く〜北海道 中標津町〜」[字]

北海道東部の中標津町に酪農家が切り開いた長さ70キロの一本道がある。夏、その道をただ歩くために全国から人々が集う。大自然の中の一本道に込められた思いを描く。

詳細情報
番組内容
「北根室ランチウェイ」。北海道東部の中標津町に作られた長さ70kmを超える一本道だ。ランチとは英語で大牧場のこと。地元の酪農家が10年かけて切り開いた。そこに今、全国から数多くの人々がやってきている。絆を確かめ合う夫婦。日々の仕事へ刺激を求める男性。大学を中退した若者。誰もが自分自身を見つめ直しながら歩みを進めていく。北海道の短い夏、ただ歩くためにできた一本道に込められた思いを描く。
出演者
【語り】マイコ

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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