(北村鉄男)大学の山岳部の同窓会。
俺の青春の仲間達だよ。
共にザイルを背負い山に挑んだ戦友ってわけだ。
(鶴丸りん)へ〜北村にもそんな時代があったんだ。
当たり前だりん。
ハハハ。
(鶴丸あや)ハァ〜青春の仲間も時が経てばただの酔っ払いの集団か。
あのねぇこの世で一番美しいのは男同士の友情なんだ。
俺達はさ汗と涙を分かち合っ…。
ちょっと過去に浸ってないでさちょっと野菜焼いて。
ねまず野菜からね。
火通して。
それから肉だからね!働いてよ!働いて!まったく…人使いが荒いなここん家のオバサンは…!「ジンジンジンギスカ〜ン」
(野菜の焼ける音)
(りん)ねぇねぇ北村と肩組んでるこの人誰?超仲良さそう!あぁ牧野な。
俺のザイルパートナー。
ザイルパートナー?山登りの時にね転落に備えてさお互いの体と体をザイルでしっかり結び合う相棒の事だよ。
まぁ言ってみりゃ一番信頼できる男…おっ!
(携帯電話)オイ!噂をすればだよ!おぅ!相棒!
(牧野真吾)北村…ご機嫌だな。
え?今ね美女と野獣に挟まれて楽しくやってるよ。
(鼻歌)うるさいねぇ!ハァ…俺よぅ…人を殺しちまったよ…。
ほ〜そりゃ大変だな。
あっそうそうこの間のな同窓会の写真あれ皆すっげ〜バカ!北村…真面目に聞いてくれよ。
人を殺したんだ…。
場所は飴屋町3丁目…パシフィック電器だ。
すぐに来てくれよ…!頼む。
オイ牧野!?もしもし!?
(不通音)もしもし!?どうしたの…?りんりん…ごめん!俺ちょっと急用だ!え…?ちょっと!ジンギスカン食べたいって言ったの誰よ!?俺の分まで羊食って豚になれ!失礼ねぇもぅ!
(サイレン)
(堀川正太)先輩今日非番じゃ…?…突き落とされたのか?いや詳しい状況はまだ何とも…。
犯人は!?いえ…。
(サイレン)あそこか…。
(牧野)北村!牧野お前…!俺が突き落とした。
逮捕してくれ。
(池内弘二)あなた今なんて言いました?私が犯人です。
オイ!同僚を…非常階段から突き落としました。
知り合いですか?
(池内)署の方で詳しい話訊かせてもらえますか?ちょっと待て!嘘だろう…?お前が人なんか殺せるはずないだろう!?
(池内)さっ行きましょう。
牧野…!!先輩!あなたには黙秘権があります。
自分の意思に反して供述する必要はありません。
では始めます。
あなたと被害者の畑中静雄さんは会社で同じ部署に所属する同僚だった。
あの日他の社員が退社した後あなた方は仕事上の事で口論となり…。
俺には俺のやり方がある!横から口出しするな!
(畑中静雄)尻拭いすんのは俺だ。
前もそうだったろうが!次は絶対に…!チッ何度やっても同じだ。
少しは自分の無能さに気付け。
…何すんだよ!
(畑中)何やってんだよてめぇは!?カッとなったあなたは畑中さんを非常階段から突き落とした。
その後自首を決意し友人である京都府警の北村刑事に連絡。
犯行を告白した。
間違いありませんね?間違いありません。
反省しています。
ザイルパートナー…。
山に登る時ザイルでお互いの体を結び合う仲間の事をそう呼ぶと聞きました。
(太田勇一)何だよ突然…。
太田事務官登山の経験は?いや…まったく…。
では発言は不要!あなたと北村刑事は同じ山岳部に所属するザイルパートナーだったそうですね?フッ…昔の話です。
登山って大変なスポーツなんでしょう?天気が悪かったら晴れるのを何日も待ったり…。
我慢強くなければ自然を相手には出来ません。
その…我慢強いはずのあなたがカッとなって人を殺した…。
あたしにはこの点がどうも…妙な気がするんですが…。
自分でも…驚いてます。
一体なぜあんな事を…。
通行人が畑中さんの転落に気付き救急車を呼んだのが午後7時30分。
あなたが北村刑事に電話したのが午後8時20分。
一時間近くが経っていますがその間あなたはどこで何をしていましたか?町を歩いてました。
逃げようか自首しようか迷いながら…。
どうせ逃げ切れないと思って覚悟を決めました。
シャツのボタンが一つ…取れちゃってますね。
あ…多分…畑中と揉み合ってる時に…。
(鍵崎ナナ)起訴しない方にスープカレー!
(倉木民子)そのココロは?「ボタンが見つかるまで起訴は見送り!」な〜んて言うに決まってるあの女〜!それでは私も起訴しないにスパゲッティを…。
(出口恒雄)じゃあ僕も起訴しないにカツ丼とライス。
みんな同じじゃ賭けにならないでしょう!黙って聞いていればいい加減にしろー!検事をネタに昼飯を賭けるとは何事だ!?すいませんあのこれはですね鍵崎さんが無理矢理…!鶴丸検事の横暴に毎日付き合ってたらストレス発散でもしなきゃやってられません!鍵崎…ここどこだと思ってんだ?学生気分はいい加減に捨てろ!!すみません。
まぁいいよ…。
今回だけは見逃してやるよ。
その代わりお前ら全員起訴する方に賭けろ。
…は?俺は起訴しない方に餃子定食だ!じゃああたしは起訴しないにジンギスカン!起訴するに賭ける人!ほらいないの?カツ丼?スパゲッティ?スープカレー…餃子定食〜!じゃ全員一致で起訴しないに決定!という事でさっそく行方不明のボタンを…。
検事!質問があります。
あなたの質問なんか聞かなくたってわかるわ。
シャツのボタンがこの事件とはどう関係があるか説明しろって言うんでしょ?はい。
納得のいく説明を求めます。
いい?事件現場にシャツのボタンは落ちていなかった。
つまり被疑者は犯行後の空白の一時間の間にボタンを落とした可能性が高いという事です。
それはすなわち?ボタンの落ちている場所が被疑者が空白の時間を過ごした場所…!そのとおり!それに被疑者は犯行後の行動について言葉を濁してた…。
つまりそこには必ず何かある!これ主婦の勘!ボタン見つからなかった…!これといって新しい情報もナシか。
じゃあ終了にしよ!ねぇケーキでも食べに行かない?いやでも鶴丸検事にバレたら…。
鶴丸鶴丸言わない!行くわよ!あっ…!
(出口)検事に…。
(女子社員)あの…!はい…?牧野課長の事…調べてるんですよね?福砂屋のカステラ…。
掃除もバッチリ…。
先客がいたか…。
あぁ来ると思ってた!ねぇ牧野真吾カステラが好物?亡くなったかみさんの好物だよ。
墓前に供えるつもりだったんだろ。
奥さん…たしか10年前に…。
海でな。
愛妻家だったんだよこいつ。
ねぇねぇ北村さん…。
ん…?この子…誰だか知ってる?いや。
被疑者に娘はいなかったわよね?おぉ。
あ…もしかして隠し子とか!?ワイドショーの観すぎだよ。
親戚の子かなんかじゃねぇのか。
ホント発想が貧困ねぇ!だから中年オヤジはだめなのよ。
脳ミソガチガチに固まっちゃって…。
何ぃ…!?あ電話…。
(携帯電話)うわぁオヤジ予備軍。
尿酸値高いんだこの子。
はいデブチ!何かわかった?出口です!被疑者の犯行後の足取りについて重要な供述を得ました。
どんな供述?…え?女子高生と!?わかった。
詳しく訊いといて。
はい。
この際情報の独り占めはナシだぞ。
ハァ…犯行の30分後北白川のホテル街で牧野が目撃されていた。
女子高生と寄り添って歩いてたって。
そりゃ人違いだな。
どうしてそう言い切れるの!?あいつの事はなぁ俺が一番よくわかってんだよ。
あいつは未成年と一緒にラブホテルにしけこむような奴じゃ断じてない!俺が保証するよ。
あんたの保証なんかどんな役に立つのよ?お宅の主婦の勘とやらにはずーっと勝ってると思うよ。
なんつったって俺とあいつはな長〜い友情で結ばれたいわば…。
その友情友情って言って飲み歩いてるからいつまでたっても彼女が出来ないのよ。
バカにすんじゃないよ。
俺にだって女の1人や2人…。
いるの!?やめたやめた。
そんなねすぐぶち切れるオバサンと一緒になってるほど俺は暇じゃないの。
ちょっとぶち切れるオバサンって何よ!?ぶち切れはいいけどオバサンはやめて!オジサンにはオバサンって言われたくないから。
オバハンオバサンオバチャマ!あばよ!何なのこのオジサンったら!嘘!?町内会の会長が!?
(桜井麗子)チカンで捕まったんだって。
(漆原さやか)バスの中で女子高生のお尻触ったんやて!
(吉川香織)たまこちゃんの情報や。
間違いないで!
(柿野たまこ)表向きはただのジューススタンド…。
その正体は商店街のCIA!ここには地域のあらゆる情報が集まるんです!だけどさぁあの人って若い頃熱血教師だったんでしょ!?けどほら人間って変わるから!そうや!何言うてんの!昔真面目やった人がいつまでも真面目なわけがないやろ〜。
そうね…。
時が経てば人は変わるって事か…。
(たまこ)変わらぬ美しさを保つにはビタミンEが不可欠!たまこ特製アンチエイジングジュース御待ちど〜!
(4人)うわ〜い!ウッ…なんやこら!?あなたのご自宅で見つかったものです。
この少女はあなたとどのような関係ですか?言いたくありません。
事件から30分後の午後8時あなたが女子高校生とホテル街を歩いてるのを見た人がいます。
その少女が着ていたのは鳳華女子高校の制服だったとか。
この子が着ているのも鳳華女子高の制服ですよね。
あなたが一緒にいたのはこのプリクラの少女ですか?黙秘します。
(ため息)個人的感情を言えば目撃証言が何かの間違いである事を願っています。
北村刑事のためにも。
(高原純之介)被疑者は府警の北村刑事の友人だそうだな。
はい。
山岳部の仲間だそうです。
うん…君が北村君のために被疑者の潔白を証明したいという気持ちはわからんでもないがね。
ハァ!?男同士の友情と同様男女の友情もまた美しい…!心外!なんであたしがあの男のためにそんな…!フフ…そうムキになるなよ。
いや実はな…そろそろ所轄の方で文句が出始めてるらしい。
すでに送致済みの事件に北村君がいつまでも首を突っ込んでるってな。
あぁ…その首いっそちょん切ってやれたら…いいんですけどねぇ失礼します。
その前に私の首が切られない事を祈るよ。
そうですか…いやどうもご協力ありがとうございました。
(ため息)
(池内)何をウロチョロ動き回ってんですか?これはこれは池内選手。
解決した事件にいちゃもんつけられちゃ困るな〜。
ハッ…俺がいつもオバサンに言ってるセリフだ。
20年来の友人…でしたっけ?あぁ…山の仲間だ。
まぁ友人を信じたい気持ちはわかりますがねぇ…。
信じたいんじゃないんだよ。
知りてぇんだよ。
あいつがなんで俺にまで嘘をついてんのか…。
そのわけを知りてぇんだ。
(池内)被害者の息子です。
北村さん…!ちょっと…。
高校生は学校行ってる時間じゃないのか?ん?亡くなったお父さんのためにもしっかり勉強しろよ。
ん?
(畑中晃一郎)オヤジを突き落とした奴に会わせてください!そいつと話がしたいんです!お願いします!悪いけどそれは出来ないんだよ。
ごめんな。
使えねぇオッサン達だな!あ…!ねぇちょっと…ちょっと待った!
(中西佐緒里)何よオバサン?牧野真吾さんの事でちょっと。
ここに一緒に写ってるの…これ。
これあなたよね?学校に言わないでよ。
え…?援交バレたらマジヤバイから。
じゃあ確かにあの夜牧野さんと?
(佐緒里)行ったよホテル。
5万もらった。
牧野さんとはいつから?1か月くらい前。
街で向こうから声かけてきてそれから何度か会ったよ。
お小遣い欲しかったから。
あの夜行ったホテルの名前覚えてる?「ベルシャトウ」。
…もういいでしょ?ちょっと待ちなさい。
何だっつーの!あたしの娘もあなたと同い年。
もしあたしがあなたの親だったらひっぱたいてるわ。
でもあんたあたしの親じゃないじゃん。
学校行くのに香水なんかつけるもんじゃないわ。
いい匂いだけど高校生には似合わない。
勝手でしょ。
っていうか何様!?
(足音)サンキュ。
(足音)よぅ。
…美人じゃないか。
誰が?あの女検事。
お前は猛獣みたいだって言ってたけどな。
舐めてると痛ぇ目にあうぞ。
俺は信じてねぇからな。
お前が人を殺したっていうのも女子高生をホテルへ連れ込んだっていうのもまったく信じてないぞ。
俺にもいえない事情ってわけか?誰庇ってんのか知らねぇけどちょっと水臭ぇんじゃねぇか?なぁ…北村。
あの検事に頼んでくんねぇか?さっさと起訴してくれってな!頼み事は昔から苦手だ。
牧野…覚えてるか?お前と2人で北アルプスに登った時にもうちょっとで頂上だっていうのにさ俺が足滑らしてひっどい捻挫で…。
お前に担がれて下山した。
うわっ!
(牧野)大丈夫か!?スマン…!
(牧野)気にすんな!
(牧野)俺達はザイルパートナーじゃねぇか!
(ザイルの音)悔しくってさぁお前に申し訳なくてボロボロ泣いたよ…。
そしたらお前俺に言った…。
やめてくれ!!思い出話はよせ!俺はもう…お前と山に登ってた頃の俺じゃない…。
二十何年も経てば人間は変わるんだ。
…牧野!これ以上俺に関わるな!もう…ザイルは切ってくれよ…。
(民子)ちょっとー!これスケスケじゃないですか!も〜いやらしいなぁ!こんなの…!なぁに処女ぶってんのよ。
太田さんとこういうとこよく来てるんじゃないの?なんでそういう事になるんですかこういうところになぜあの…。
喋ってないで!ボタンを探す!はい失礼しました。
あぁホントに!それにしても気になるわね…。
ねぇあんた達2人!高校生の時香水つけて学校行った?まさか〜!あたし真面目でしたから。
あたしだって…!でもクラスにいたなぁそういう子。
いましたよねぇ!お化粧して香水つけて髪パーマかけて…!あ…!それよ!ほら普通さ香水プンプンさせるような子って見た目も派手なはずじゃない?でもあの子外見とっても真面目そうだった…。
(民子)なー!!うわぁ!何よ!?びっくりさせないでよ!
(足音)りんりん!?どうしたの?背中に哀愁漂いまくってる。
心は少年背中は中年。
そのギャップが俺の魅力だい!じゃ〜寂しい中年に今夜は大サービス!うんまい!りんりん今すぐ!嫁行けるわ。
北村…もしかして口説いてる?ブッ…!りんりんがそういう反応するようになったかよ…。
なんかこの辺が妙な感じだ。
それは飲み過ぎ。
あそうだサラダもあった。
ちょっと持ってくる。
おぅサンキュ。
ただいま〜。
(りん)おかえり。
あぁおかえり!なぁなぁりんりんのカレーこれ最高にうまいぞ!
(ため息)何だよシケた顔して…。
あ!さては夫婦の危機か!?牧野の犯行後の足取りが掴めたわ…。
え…?プリクラの少女の供述したホテルで牧野さんのシャツのボタンが見つかった。
犯行後彼は間違いなくあの少女とホテルへ行ったのよ。
あの人はもう…あなたが思ってるような人じゃないわ。
北村さん。
そりゃ何かの間違いだろ。
あいつは何も変わっちゃいねぇよ。
この期におよんでまだそんな事言ってるの!?おぅ。
ハァ…現実逃避!何だと!?いい!?はっきり言ったげる。
今のあなたに刑事の資格はないわ!過去の友情とやらにどっぷり浸りきって真実を見る目が濁りきってる!俺のどこが濁ってんだよ?この澄んだ目を見ろ!澄んだ目っていうのはねぇこういうのを言うのこういうの!現実を見なさい現実を!いい加減にしなよ!2人とも。
(あやと北村のため息)いいか?あんたに主婦の勘があるようになぁ俺にだって男の勘っちゅーのがあるんだよ。
その男の勘があいつはシロだって訴えてんだよ。
あんただけはわかってくれると思ってたんだけどな…。
りんりんごちそうさま。
(ため息)副部長も1人で飲む事なんてあるんですね。
(高原)家には反抗期の娘がいて…職場には台風のような部下がいる。
ハハハ…。
時折静かに1人で酔いたい夜もある。
なるほど。
何だ?元気ないなぁ。
あやちゃんとケンカでもしたか?…図星だろう?主婦の勘!なんてな。
(笑い)参りました。
あの…牧野って男。
奥さん亡くしてるんだって?えぇ海で。
水難事故か…気の毒にな。
でも…酔っ払って一度だけ俺に言った事があるんですよ。
女房は…ホントは自殺かもしれないって。
…自殺?車ごと海に落っこちたんですよ。
もちろん事故の可能性もありますけどあいつは自殺だって信じてるんですよ。
何か自分の知らない悩みを抱えていたに違いない…そう信じてるんです…。
そうか…。
愛してたんだな奥さんを。
えぇ…今でもね。
あなたのシャツのボタンに間違いありませんね?えぇ…確かに。
北白川のラブホテル「ベルシャトウ」の室内で発見されました。
この少女は鳳華女子高校2年中西佐緒里さん。
1か月ほど前からあなたと関係を持っていたと供述しています。
あなたは犯行後この少女とホテルに入り淫行におよんだ。
(笑い)バレるもんですねぇ。
同僚を殺して街を歩き回ってた時彼女から電話があったんです。
小遣いが欲しいと言うのでいつもどおりに…。
へへ…ヤケになってたんでしょうねぇ。
北村刑事は…!今でもあなたの事信じてるわ。
あなたの潔白を信じてそれを証明しようとたった1人で…!
(机を叩く音)悔しい…!ホントに悔しい!
(うめき声)牧野さん…!?
(牧野の倒れる音)牧野さんどうしたんです!?診療所に連絡!
(出口・ナナ)は…はい!牧野さん…牧野さん!?牧野さんしっかりして!
(走ってくる足音)彼…知ってたわ自分がガンだって事…。
事件の直前に告知を受けてたそうよ。
なんでだ…?なんで俺にも黙ってたんだ…!
(柱を殴る音)取り調べの時山の話をしたらね少し笑ってた…嬉しそうに。
(嗚咽)はいこれ運んで…よし!
(佐緒里)ここ置いときます。
おいこれ運んでくれ。
佐緒里ちゃんそれ運んだら掃除頼むで!はい!毎朝学校行く前に働いてるの?香水つけたくもなるよ。
魚くさい女なんて思われたら最悪。
誰もそんな事思わないわよ。
あなた援助交際するような子に見えないから。
あの子いつでもあの調子やで。
父親が自殺する前は明るい子やったらしいけどな。
父親が自殺?あれ?あんたグループの人やないの?ホントなんですか?自殺って…。
あぁ去年の春…。
ノブちゃんやめとけ!お宅あの子の知り合いですか?あ…私こういう者です。
検事さん!?えぇ。
今グループっておっしゃいましたよね?詳しくお話聞かせてもらえませんか?
(2人)えぇ。
あいつ今日は部活休んでますよ。
オヤジさん死んでから一度も来てへん。
そうか…色々聞かせてくれてありがとな!練習頑張れよ!
(少年達)はい。
ほらファイトー!
(少年達)オー!
(ため息)しぶとい人だなあんたも。
チッ…。
あのオバサンのがうつったのかもな。
被害者の息子から何訊こうってんですか?これが最後だ…。
これで最後にする見逃してくれ。
野球場ですよ。
多分。
野球場…?よぅ。
オヤジさんとよく来たんだってな。
それで野球が好きになったのか?部活じゃサードで4番なんだって?大したもんじゃないか。
オヤジさん喜んだろ?突き落とされたんじゃありません。
…え?父さん…突き落とされたんじゃないんです。
これ…牧野さんですよね?
(茂木しづ子)あ…。
サンタの役をやってくれてね。
あの方ここの会員とスタッフを兼ねてくれてるんですよ。
あの方はたしか10年前に奥様を…。
そう…初めてここにいらした時はホントに苦しそうで…愛してらしたのね奥様を。
「あさがおの会」は家族に自殺されてしまった人達がお互いに助け合って立ち直りを目指すグループなんです。
中高年の自殺は自殺全体の7割を占めてると言われてます。
毎日毎日親を自殺で亡くす子供達が増え続けているんです。
一番頼りにしていた大人をそんな形で…。
子供達はみんな…悲しみや自責の念と必死に戦っています。
(しづ子)それでも時々…つらくて苦しくて足を踏み外してしまう…。
(怒鳴り声と殴る音)気が済むまで殴れよ!
(しづ子)牧野さんは誰よりもよく知ってたんです。
あいつには…二度と近づくな!
(しづ子)愛する人に自殺される事が残された者にとってどれだけの痛みを与えるか…。
あんたバカじゃないの!?明日…ちゃんとお墓参り行きなさい。
お父さんの命日だろ。
オヤジの話すんじゃねぇよ!自殺した奴の話なんか聞きたくねぇよ!!強くなれ…!強くなれよ!らしくねぇぞ。
北村さん。
あんたがしょげてると槍でも降ってきそうで怖ぇよ。
あたしあなたに謝らなくちゃいけないわ。
よせよ…それこそらしくねぇ。
ミサイルが降るぜ。
けど…何か掴んだみたいだな。
やっとわかったわ…。
牧野さんが何をしようとしてたか。
亡くなった畑中さんホントは…。
自殺だ。
牧野が殺したんじゃない。
自分で飛び降りたんだ。
どうしてそれを…!?畑中の息子の携帯だ。
留守電にオヤジさんからのメッセージが残ってた。
「お父さんを許してくれ」そう一言な。
…遺書代わりのメッセージ!?残酷だよ…。
ありがとう!あんたのためにやったわけじゃねーよ。
(扉の開く音)
(佐緒里)大丈夫?具合はいかがですか?もし起き上がってるのがつらければ…。
大丈夫です。
始めてください。
事件について重要な供述を得ました。
あの日事件直前の午後7時20分。
畑中さんは会社の電話から息子さんの携帯にメッセージを残していました。
「父さんを許してくれ」そう一言。
(晃一郎)俺その時わかったんです。
オヤジ…自殺したんだって。
なのに…なのに自首した人がいるっつーから…。
俺もうわけわかんなくなって…。
もういいよ。
つらい思いさせたな。
すまなかった。
その人なんで自分が殺したなんて嘘ついたんですか?お前さんのためだよ。
俺の…?親が自殺するとね…子供は自分を責めるんですよ。
何一つ悪くないのに自分を責めるんです。
たった1人で…苦しむんです。
あの日あなたは畑中さんの自殺現場に偶然居合わせた。
忘れ物取りに会社に戻ったんです。
(畑中)今日も専務にどやされたよ…能無しだの…給料泥棒だのってな…。
(牧野)ハハ…専務は誰にでもそう言うんだよ。
オイ…!?バカな真似すんな!牧野…俺もう…ダメだ。
いいから!こっちに来い。
少し話をしよう。
な?高校生の息子がいるだろうが!お前が死んだら息子はどうなる!?
(手すりを乗り越える音)あっ…!
(牧野の声)彼の家族に知らせなければ…そう思いました。
でもその時あの子から電話が…。
前払いやろ?そう怖がらんと。
(扉の開く音)何してんだ!?出て行きなさい!なんやねん!?やかましいな…。
この子に触るな!出て行け!うるせぇなこのオヤジ!この野郎…!
(揉み合う声)
(牧野)出て行け!痛ってぇ…。
やってられっか!
(ため息)どうして約束を破ったんだ?約束しただろ?自分を傷つけるような事絶対しないって!だってあたしのせいなんだもん!お父さん死んだのあたしのせいなんだもん!あたしが悪いんだもん!違う!!お父さん苦しんでたのに…!あたし気付いてあげられなかった!力になってあげられなかった!君は悪くない。
何一つ悪くない!
(泣き声)
(牧野の声)その時…心底思いました。
(牧野の声)親の死に罪悪感を抱き自分を傷つける若者をこれ以上生み出してはいけない。
だからあなたは畑中さんの死の真相を隠そうと決意したんですね?あなたの意を汲んだ佐緒里さんもそれに協力した…。
どうせ残り少ない命です。
最後に…誰かの心を守るために使いたかった。
あなたはザイルを握っていた。
若い人達が足を踏み外しても谷底へ転げ落ちないように。
(晃一郎)その人…俺のために犯人になったんですか?オヤジが自殺したのを知って俺が傷つかないように?まぁそういう事だ。
だってその人他人じゃないすか!?俺と血も繋がってないし…つーか話した事もないんですよ?会った事もない奴を必死になって守ろうとする人間もいるんだ。
それだけの事だ。
(柱を殴る音)わけわかんねぇよ…!…そういう大人もいるんだよ。
そういう大人もいるんだ。
牧野さん。
あたし思うんです。
佐緒里さんも畑中さんの息子さんもきっと大丈夫です。
この先何があっても自分を見失う事はないと思います。
あなたみたいな大人に出会えたんですから。
自分が守られるのに値する人間だとあなたに教えられたんですから。
そんなあなたが奥様の事で自分を責めたりしないでくださいね。
奥様の死の原因が何であれあなたが奥様を愛していた事に変わりはないんですから。
自分の生きてきた道に誇りを持ってください。
でないとあの子達を裏切る事になりますよ。
あいつが言ったとおりだ。
え…?検事さんを甘く見ていたようです。
あなたが甘く見てたのは北村刑事ですよ。
あの人一瞬もあなたを疑いませんでした。
ただの一瞬も。
ハハ…。
(ノック)よぅ相棒!オゥ?あら?噂をすれば。
何の噂だよ?え?思い込みの激しい中年は手におえないって話。
思い込みだけで生きてるオバサンには言われたくないね!ちょっとオジサンにオバサンって言われたくないって言ったでしょ!えぇ!?
(3人の笑い)じゃあたしはこれで。
ありがとう検事さん。
いえ。
…じゃ。
どうだ…?参ったか。
俺を騙そうなんて100年早ぇんだよ!…言ってろ!
(笑い)
(笑い)なぁ北村よぅ…。
ん?俺…もう長くないらしい。
見舞いなんか来なくていいぞ。
牧野…。
弱ったザマ…お前には見せたくねぇからな。
…俺担いで山を下りる時お前自分でなんて言ったか覚えてるか?さぁ…?なんて言った?山は逃げない。
何度でも挑戦すればいいじゃないか…。
そう言ったんだよ。
山は逃げない…か。
あぁ…。
ザイルもまだ切れてねぇぞ。
(牧野の嗚咽)
(ザイルの音)あいつはくたばらないよ。
絶対治る!あたしもそう思う。
絶対大丈夫!これ…主婦の勘!サンキュ。
こんにちは。
あ…こんにちは。
302号室よ。
…知ってるよ!香水やめたよ。
(しづ子)それじゃ行きましょう。
…失礼します。
何なんだ?今の子は。
ん〜?オジサンには教えない。
女同士のヒミツ。
い〜よい〜よ。
どーせ俺はのけもんだ。
のけ者なんかじゃないぞ北村君!あら?副部長。
あ…どうも。
昨日美しい友情に私は深く感動した!それほどでも。
今度は…我々で新たな友情を育もうじゃないか!いやいや俺は遠慮しますよ。
照れるな照れるな!友達バンザイだ!ハハハ…!バンザイ…やだなぁオヤジが…あぁむさ苦しい!もうホントに加齢臭漂っちゃう!やっぱり夫婦の愛が一番よね章ちゃん!メールしちゃお!「章ちゃん加齢臭漂うオヤジがいっぱい…」う〜くさ〜い!
(高原)あやちゃんも入るか〜!?今週は何かいい事ありましたか?私ね思うんですよ。
2015/08/20(木) 10:00〜10:55
ABCテレビ1
京都地検の女3[再][字]
「不可解な自首の謎…北村警部の旧友が殺人犯!?」
詳細情報
◇番組内容
名取裕子主演人気シリーズ第3弾!
事件解決のカギは“主婦の勘”。京都地検・鶴丸あや検事が、事件の盲点を主婦ならではの視点で鮮やかに解き明かす!
◇出演者
京都地検検事・鶴丸あや ・・ 名取裕子
京都府警刑事・北村鉄男 ・・ 船越英一郎
中京署刑事 ・池内弘二 ・・ 益岡徹
京都地検事務官・太田勇一・・ 渡辺いっけい
京都地検副部長・高原純之介・・ 蟹江敬三 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:35519(0x8ABF)