篠健一郎、北京=斎藤徳彦
2015年8月23日05時05分
中国経済への先行き懸念を理由に、世界の金融市場の動揺が続いている。21日の米国株価は2日連続で急落し、原油価格も値下がりした。世界各国の中国への依存度が高まっているうえ、中国の経済政策の不透明さもあり、投資家心理が冷え込む構図だ。
21日はアジア、欧州と続いた株安が米国でも加速。ニューヨーク株式市場は、大企業で構成するダウ工業株平均の終値が前日より530・94ドル(3・12%)安い1万6459・75ドルとなり、約10カ月ぶりの安値をつけた。
きっかけは、中国の製造業の景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)の8月速報値が0・7ポイント悪化したことだ。中国の一指標が世界の市場を揺らす。背景には、各国と中国経済との関係が近年、急速に強まっていることがある。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、欧州連合(EU)、米国、東南アジア諸国連合(ASEAN)の2014年の対中輸出額は、リーマン・ショックのあった08年と比べ、約1・5~1・7倍に増えている。日本の場合は日中関係の悪化などを背景にピークよりも減っているものの、米国に次ぐ2番目の輸出相手国だ。
輸出額と輸入額を合わせた貿易総額で見ると、中国は13年から米国を抜いて世界最大になっている。王毅外相は昨年公表した文書で、「中国は128カ国にとって最大の貿易相手国だ」とした。
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朝日新聞国際報道部
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