大阪府寝屋川市の市立中木田中1年の平田奈津美さん(13)が殺害され同府高槻市に遺棄された事件で、死体遺棄容疑で逮捕された寝屋川市の職業不詳山田浩二容疑者(45)が、複数の防犯カメラに1人で写っていることが22日、高槻署捜査本部への取材で分かった。過去、中学生監禁事件を起こしていたことや、最近も、似た男が女性へのつきまといトラブルを起こしていたことも判明。異常性が浮かび上がっている。

 山田容疑者の異常性をうかがわせる行動が明らかになった。近所のエステサロン店長の女性(30)は「(容疑者と同一人物とみられる男から)1~2カ月前に駅から店に歩いて向かう途中、後ろ姿を携帯電話で録画されました。音で気が付きました」と打ち明けた。撮影に気づいて立ち止まると男は、山田容疑者の自宅マンションに入っていった。女性はここ約2年間の間に5回くらい似たような体験をしており、逮捕に「朝まで眠れませんでした」。

 山田容疑者は13年前にも中学生監禁事件を起こしていた。寝屋川市の路上で02年3月、男子生徒に「駅に行く道を教えてくれ」と話し掛けて車に乗せ現金や携帯電話を奪ったとして、強盗や逮捕監禁などの疑いで寝屋川署に逮捕された。この時も、生徒を粘着テープで縛るなどしていた。

 小中時代の同級生女性は「何をするか分からない怖さがあった。中学時代に人を刺したといううわさもある。中学はほとんど学校に来ていなかった」と証言。中学の卒業アルバムでは集合写真にはおらず、枠の外に写真があった。

 小中時代は枚方市で家族4人で暮らしていたという。当時は別の姓だったといい、中3のころ同市内の一戸建てに転居。当時を知る男性は「ある時期、見掛けなくなり、少年院に入っているという話を聞いた」。17~18歳のころ戻ってきたといい「家の前が不良のたまり場になった。その後、車の窃盗事件を起こし家族はいなくなった」という。

 山田容疑者は現在、寝屋川市内のマンションで、親族の高齢夫婦と暮らしていたとみられる。郵便受けには容疑者とは異なる夫婦の名字が表示され、横に「山田浩二」の文字が。マンション管理人は、自宅の部屋には70代ぐらいの夫婦が住んでいるとした上で「夫婦以外に人がいるのは知らない」と話した。