長渕剛、10万人オールナイトライブ開幕「俺とみんなで最高の伝説を作ろうぜ」
シンガー・ソングライターの長渕剛(58)が22日午後9時、富士山麓のキャンプ施設「ふもとっぱら」(静岡・富士宮市)で10万人オールナイトライブをスタートさせた。38年の音楽人生で最大にして最後となる命がけの挑戦は、ヘリコプターから降り立つド派手な演出で幕開け。故郷の鹿児島・桜島でのオールナイトライブ(04年)から11年、再び決死の戦いに挑む。
漆黒の闇の中から、戦闘モードの長渕がギターを片手に姿を見せた。上空を旋回していたヘリコプターから降り立つ、ド派手な演出。スポットライトを浴びながら高さ40メートル、全長130メートルの巨大ステージに上がると、両腕を高々と上げた。大歓声で富士山麓が揺れた。
標高830メートルに位置し、東京ドーム7個分(約35万平方メートル)の広大な原っぱは、全国から集結した人の波でぎっしり。10万人が拳を突き上げ、日の丸の旗が揺れた。「ツヨシ」コールが一斉に上がると、長渕は「いくぞ、いくぞ、いくぞー! 拳を上げろー! もっと、もっとだー。本気でいくぞ、本気で。本気を見せてくれやー!」と絶叫。「よく来たなー。俺とみんなで最高の伝説を作ろうぜー! 覚悟はいいか、用意はいいか。おまえらが主役なんだよ」とあおった。
2004年の桜島でのオールナイトライブでは、7万5000人を集めた。あれから11年、自身の記録を更新する10万人オールナイトライブ、というソロ歌手初の偉業に挑む。日中は曇り空だったが、夕方からステージ後方に富士山が顔を出すなど、天気も味方した。開演前には何十発もの花火が打ち上げられ、富士宮市内で活動する創作和太鼓団体の演奏と神輿(みこし)で、お祭りムードが一気に高まった。
4部構成のライブは午後9時に幕開けし、23日の、日の出まで約9時間、行われる。1曲目の「JAPAN」を歌い終えると、革ジャンを脱ぎ捨ててタンクトップ姿でパフォーマンスを展開。第1部のフィナーレ曲「勇次」では感極まって泣いた。
「人事を尽くして天命を待つ」と語っていた長渕。夜空に向かい「ついに来たな。雨が降ろうが、嵐になろうが、俺たちの力で必ず朝日を引きずり出すぞ」とシャウトした。魂の歌声で、10万人と霊峰富士の朝日を拝む。(加茂 伸太郎)