広島原爆の日:非核へ、永久の祈り

毎日新聞 2015年08月06日 20時12分(最終更新 08月07日 18時39分)

松井一実・広島市長の平和宣言の後、会場上空に放たれるハト=2015年8月6日午前8時25分、山田尚弘撮影
松井一実・広島市長の平和宣言の後、会場上空に放たれるハト=2015年8月6日午前8時25分、山田尚弘撮影

 米国による原爆投下から70回目の「原爆の日」を迎えた広島では6日、被爆者や遺族ら約5万5000人が参列した平和記念式典に続き、各所で犠牲者を慰霊する行事が営まれた。

 広島市中区の平和記念公園で午前8時から開かれた平和記念式典には、海外からも過去最多の100カ国と欧州連合(EU)代表部が参列した。核保有5大国では米英仏露の代表が出席。米政府高官として初めてガテマラー国務次官が参列した。中国は欠席した。

 松井一実・広島市長は平和宣言で、被爆者のメッセージとして「人類愛」と「寛容」を世界の政治指導者に提示。オバマ米大統領らに被爆地訪問を呼びかけ、核兵器禁止条約など法的枠組みの議論の開始を求めた。

 安倍晋三首相はあいさつで「核兵器のない世界を実現する重要な使命がある」と述べ、今秋の国連総会で新たな核兵器廃絶決議案を提出すると表明。一方で、歴代首相が触れてきた「非核三原則」の文言は盛り込まなかった。原爆症認定については審査を迅速化する方針を示した。

 原爆死没者名簿には、この1年で死亡が確認された5359人が新たに記され、名簿は計109冊、人数は29万7684人になった。【高橋咲子】

最新写真特集