【幌延】鉄道資産を生かした観光振興策を考える町職員有志「ぽっぽろ愛好会」は22日、町内のJR8駅を1日かけて普通列車で巡る「弾丸ツアー」を開催し、会員や町民計14人が参加した。「秘境駅」として鉄道愛好者に人気の糠南駅などを訪ね、魅力を体感した。
周囲に民家がなく自然に囲まれた「秘境駅」が町内に六つあり、全国の鉄道愛好者が訪れる。こうした鉄道資産を町民に知ってもらい、広くPRする狙い。
午前6時に幌延駅をスタート。普通列車を乗り継いでJR宗谷線を行ったり来たりしながら町内8駅を巡った。鉄道愛好者で北大演習林職員の伊藤欣也さん(35)も同行し、各駅の特徴を解説。停車本数が少ないため、乗り継ぎに2時間以上待つ駅もあった。
駅舎代わりに物置が置かれ、全国の愛好者にも人気の糠南駅では、参加者は物置の写真を撮ったり、訪問者がメッセージを残した「駅ノート」を閲覧したりしていた。また、雄信内駅では、同ツアー特製の「秘境駅弁当」を味わった。
幌延深地層研究センター職員の新倉康啓さん(34)は「本州の無人駅とはレベルが違い、周囲に本当に何もない。こうした駅は今まで経験したことがない」と感想を話していた。一行は午後7時16分に幌延駅にゴール。参加者には記念のマグカップや訪問した駅の硬券などが贈られた。(中橋広岳)