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 大正末期から戦後までの京都の町中を描いた地図をもとに、当時を知る地域住民の記憶を掘り起こし、記録する催しが今月、下京区の旧有隣小学校で開かれた。戦後70年を迎え、関係者が高齢化していく中で、町の歴史を次世代へ継承しようという試みだ。

 「昭和京都記憶のアーカイブ」と題した催し。移り変わる町の姿を、古地図や古写真などをもとに再現する「バーチャル京都」をネットで公開している、立命館大学の矢野桂司教授(地理学)の研究室が主催した。会場には、松原通周辺の活性化に取り組む住民グループや有隣自治連合会の協力で、戦前・戦後を知る住民約20人が集まった。

 机に広げられたのは、保険料率算定のため大正末から戦後にかけて作成された日本最古の火災保険図とされる「京都市明細図」や土地所有者の名前が一筆ごとに記された「大正元年京都地籍図」、1946年撮影の米軍空中写真など。これらを前に、参加者が口々に思い出を語った。