ここから本文です

沖縄メディアの「ミス・インフォメーション」―ロバート・D・エルドリッヂ

nippon.com 8月20日(木)11時16分配信

「苦境に立つ」沖縄メディア

メディアの役割をめぐり日本で大きな論争が巻き起こっている。広くいえば国全体、具体的にいえば「苦境に立つ」沖縄のメディアの状況についてである。実際には沖縄のメディアが論争の中心となっており、多くの場合、偏向報道やわたしの名付けた「ミス・インフォーメーション(Miss-Information)」のためにこの論争を引き起こしている。

沖縄メディアの「ミス・インフォメーション」(提供元記事)

偏向報道はもちろん、深刻な非難に値する。このような報道では、意識的に記事をゆがめることで、ある特定の目的を推進したり、他者を批判したりする。また、ある目的に不都合と判明した出来事や見通しを故意に取材しない場合もある。このような情報管理により特定の話ができあがることになる。

情報管理という言い方をすれば、自由報道を信奉する者が政府が行っていることだと糾弾するようにみえるが、悲しきかな日本では、これは、沖縄のメディアが、またより大きなスケールで、国内メディアや東京在住の国際メディアが長年行っていることなのである。

米海兵隊の人命救助表彰を報じなかった沖縄2紙

沖縄県北部の金武町で昨年12月23日、運転していた自転車から交通量の多い海岸道路に転落した沖縄の老紳士を救命した米海兵隊員を表彰する式が15年1月14日に開催され、私も出席した。キャンプ・ハンセンに向かっていた途中で、老人を救出、蘇生させた海兵隊3等軍曹のとっさの行動は勇敢であった。

式は短時間で、簡素にして威厳のある表彰式だった。司令官は、勇敢さについて歴史的、神話的のみならず、それがわれわれ人間にとって何を意味するかという文脈で語った。「ヒーローの行為とは普通の人が他人に対して普通でないことをしてあげるということです」と司令官は指摘して、現場を通った他の運転者がやらなかったことを軍曹が実行したことを賞賛した。


報道関係者も式に招待されたが、地元住民の命が米軍関係者の行動により救われたにもかかわらず、驚いたことに地元の新聞社2社とテレビ局は出席しなかった。

琉球新報、沖縄タイムスがともに参加しなかったことは非常に残念なことであった。彼らは連絡を受けており、「命は宝」という沖縄人の言葉に同意するだろうから、救命行為を賞賛して取材する価値があったはずだ。

1/4ページ

最終更新:8月20日(木)11時25分

nippon.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

最前線でアメリカの戦争を戦う女性たち
ゲイル・ゼマク・レモン

2011年、アメリカ軍では女性の戦闘参加は禁止されていましたが、この年、初の女性の特殊部隊がアフガニスタンの前線に派遣されました。地域住民と信頼関係を作り戦争を終結させるための試みでした。記者のゲイル・ゼマク・レモンが、軍務における長年のタプーを打ち破った特別な女性兵士の集団を描き出します。 [new]