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自然再考、昆虫食に注目 浜松で「セミ会」盛況

(2015/8/21 14:20)
食文化を再考する「セミ会」で、セミの素揚げに手を伸ばす子どもたち=8日、浜松市西区

 身近な自然環境や食文化を再考しようと、浜松市の市民団体「昆虫食倶楽部」が、セミなど昆虫や生き物を捕まえて食べるイベントを開いている。今月8日に開いた「セミ会」も、親子連れらで定員が埋まる人気ぶり。度胸試しや夏の思い出づくり、さらには「固定概念に縛られない子育て」など、さまざまな参加の動機に主催者側も驚いている。

◇身近な“財産”見直す契機
 セミ会は昨年に続いて2回目の開催。今年は昼、夜の部に定員いっぱいの計約40人が参加した。最も身近な昆虫であるセミを近所で捕まえ、自ら調理することで普段の食材を見詰め直す。昼の部は郊外の住宅地で開催し、夜の部はJR浜松駅にほど近いビル街でもセミ捕りをした。
 セミを次々と油で揚げる様子を見ていた子どもたちは、出来上がった素揚げを凝視。最初は恐る恐る手を伸ばしたが、一口食べると抵抗感が無くなり、クマゼミとアブラゼミのオスとメスを食べ比べて「メスの方が身があっておいしい」との感想も出た。
 保護者も「エビの尻尾みたい」と意外な味に驚いた様子。昨年も「エビに似た味」との感想が出たため、今年は関係者がセミ料理として「エビマヨ」ならぬ、「セミマヨ」を提供して好評を博した。
 同倶楽部代表の夏目恵介さん(37)=同市中区=は「約30年前まで全国各地に昆虫食の文化があり、天竜川上流域の山間地では、今も味の良さから昆虫を食べている」と解説。「見た目のハードルは高いが、身近な自然の財産に気付き、捕って食べる行為を見直すきっかけになれば」と意図を話す。
 同倶楽部の活動は本年度、市補助事業に採択された。今後、外来魚やトノサマバッタを捕食するイベントも計画している。

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