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高槻少女殺害 「行確すると林へ入っていった」捜査幹部が明かす 容疑者特定の裏側

産経新聞 8月22日(土)15時5分配信

 「行確(こうかく)(行動確認)すると、柏原市青谷の竹林に入っていった」。大阪府警の捜査幹部は、山田浩二容疑者を特定した内幕をこう明かした。捜査員らは21日未明から山田容疑者を尾行。星野凌斗さんが遺体で発見された現場に一人で近づく様子を確認していた。

 山田容疑者が捜査線上に浮上したきっかけは、高槻市の平田奈津美さんの遺体遺棄現場周辺の防犯カメラ。遺体発見直前に不審な動きをするグレーの軽ワゴン車が写っていた。

 映像解析で走行ルートを割り出し、幹線道路の国道170号沿線の防犯カメラの映像を重点捜査。府警は車を特定し、ナンバーなどから所有者が割れた。それが山田容疑者だった。2人が消息を絶った13日以降の車の動きを追うと、不審な行動が明らかになっていった。

 逮捕の決め手となったのも防犯カメラ映像。13日午後0時39分、柏原市内のコンビニで粘着テープを2本購入する山田容疑者が写っていた。そして、山田容疑者が乗り込んだのはグレーの軽ワゴン車。「これはいける」。捜査幹部はこう確信したという。

 午後10時23分、平田さんの遺体遺棄現場に隣接する枚方市のガソリンスタンドで給油していることも判明。11分後の午後10時34分、高槻市の物流会社駐車場近くに設置された防犯カメラにもこの車がとらえられた。寝屋川、高槻、柏原…。「点と線」が結ばれた。

 21日午前1時15分ごろ、大阪市北区堂山町の駐車場で車を発見。捜査員らがひそかに追跡すると、車は再び柏原市青谷に向かった。午後7時36分、捜査員が星野さんの遺体を発見した。

 山田容疑者は午後8時20分ごろ、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線の今福鶴見駅近くの交差点にいた。信号待ちで止まった車を捜査車両が挟み込んだ。山田容疑者の身柄が確保された。

最終更新:8月22日(土)15時16分

産経新聞