日本政府:ロシアに抗議をした、メドベージェフ首相の択捉島訪問で
2015/08/22 13:03 JST
(ブルームバーグ):日本政府は22日、固有の領土である北方領土の択捉島をメドベージェフ首相が訪れたことについて、駐日ロシア大使に抗議の申し入れをした。
ロシアのメドベージェフ首相は択捉島を訪問、日本政府は直ちに林肇欧州局長がアファナシエフ駐日ロシア大使へ電話で抗議をした、と外務省が電子メールを通じた報道発表資料で明らかにした。これに対して駐日ロシア大使はロシアの原則的な立場を述べた、としている。
メドベージェフ首相が北方領土訪問の意向との報道を受けて菅義偉官房長官は7月下旬、中止を申し入れるとともに訪問すれば日本の国民感情を傷つけるもので受け入れられない、と記者会見で述べていた。今回の訪問を受けて、8月末で最終調整していた岸田文雄外相の訪ロは先送りする、と日経新聞(電子版)は報じている。
安倍晋三首相はロシアのプーチン大統領の訪日を今年の適切な時期に実現したいと2月の施政方針演説で述べる。安倍首相は5月には来日したロシアのナルイシキン下院議長と会談、この場でプーチン大統領からのメッセージがあった、と菅官房長官は明らかにしていた。
北方領土は歯舞群島、色丹島、国後島と択捉島。内閣府のサイトによると1945年8月の第二次世界大戦終了直後、ソ連軍(現ロシア軍)によって不法に占拠され、今もなおロシアに不法占拠されている。
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更新日時: 2015/08/22 13:03 JST