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【芥川賞作家・円城塔の脱力ぶらりぽろり旅】押し寄せる外国人の日本像

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【芥川賞作家・円城塔の脱力ぶらりぽろり旅】
押し寄せる外国人の日本像

 この夏は、外国からの人をずいぶん多くみかける気がする。円安のせいかも知れず、いやもっとすすめて、日本という国自体がちょっとひなびた感じになってきているのかもと思う。覚悟を決めて乗り込むといった場所ではなくなり、遠い親戚の住む田舎くらいの感じになっているのかも知れない。

 田舎のお祭り見物のようにやってきて、道に迷っている姿をよく見かける。こういうときには、お互い中途半端に言葉を話せるほうが面倒であり、ほとんど喋ることができない者同士のほうがかえって話が通じたりする。

 見かけた中で一番、こんがらがって大変そうだったのは、何かのICカード乗車券を持ち、改札で困っていた人で、私鉄の改札をきちんと出ない形で、地下鉄の改札をなんとかして通ってしまい、自動改札から出られなくなった、というやつである。

 最初の私鉄のほうで精算してからでなければ出られない。が、地下鉄の改札を出なければ私鉄の改札へは行けない。なにがなんだかもうわからない。このあたりのことを咄嗟に説明せよと言われたら、日本語でも大変だと思う。

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