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北京で京野菜晩餐会開催 日本野菜持ち込みは当初困難だった

2015.08.22 16:00

「とうがらしなのに、なぜ甘いのか?」  万願寺とうがらしや伏見とうがらしを食べた中国の要人やシェフたちが不思議そうにたずねる。  今年6月21日、JAグループ京都が、『京野菜を使った大晩餐会』を中国・北京で開催し、京都の食や農業の魅力をアピ

「とうがらしなのに、なぜ甘いのか?」

 万願寺とうがらしや伏見とうがらしを食べた中国の要人やシェフたちが不思議そうにたずねる。

 今年6月21日、JAグループ京都が、『京野菜を使った大晩餐会』を中国・北京で開催し、京都の食や農業の魅力をアピールした。晩餐会の舞台は、中国の女性で名誉主席の称号を贈られた宋慶齢ゆかりの邸宅『宋慶齢故居』で、清朝最後の皇帝・溥儀の父親の邸宅でもあった世界的な文化財である。

 当初は、中国へ日本の野菜を持ち込むことすら不可能と思われた。福島の原発事故以降、日本食材に対する規制が厳しく、東日本のうち10都県産のものはすべて持ち込み禁止。西日本産も条件つきで受け入れるとされているが、その条件すら決まっていないため、持ち込むための手段がない。日本大使館も農林水産省も、京野菜の持ち込みは無理だという回答だった。

 しかし、JAグループ京都の中川泰宏会長は何度も北京に足を運び、関係機関と協議を重ねた結果、今回は中国政府、宋慶齢基金会との協力のもと、日中の食文化交流として特別に食材の持ち込みを認めるという異例の措置がとられた。

「開催場所が宋慶齢故居であったため、女性の文化交流会も提案しました。日本から参加した30~70代の農家の女性たち75名がお手玉や浴衣の着付けを教え、日本茶の淹れ方も実演しました」(中川会長)

 晩餐会の参加者は総勢337人。日本側は政府関係者、農業者、マスコミ、JAグループ京都役職員など237人、中国側は政府関係者、料理・流通関係者、マスコミ100人だった。

「私のテーブル周辺では、野菜で作った寿司の評判がよかった。賀茂なすの田楽の味にもびっくりしていたし、山芋のデザートもおいしいと。日本料理のすばらしさは、しっかりと伝わったと感じます」(中川会長)

※女性セブン2015年9月3日号

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