韓国軍が対応作戦に突入 北の「準戦時体制」宣言受け

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍が最前線地域で韓国に対し砲撃による挑発を行ったことを受け、韓国軍は最高水準の警戒態勢に入った。

 韓国国防部によると、20日に最前線の西部戦線地域にあたる京畿道漣川郡で南北が警告レベルの砲撃戦を行ったことを受け、韓国軍は同日から最高レベルの警戒態勢を取り北朝鮮の砲撃に対する対応作戦に入った。

 北朝鮮の朝鮮中央放送は21日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が20日に朝鮮労働党中央軍事委員会の非常拡大会議を緊急招集し、前線地帯に「準戦時状態」を宣言し、軍人に「完全武装」を命じたと報じた。

 同放送は「金正恩同志は21日午後5時から朝鮮人民軍前線大連合部隊が火の作戦突入が可能な完全武装の戦時体制に転換し、前線地帯に準戦時状態を宣言する朝鮮人民軍最高司令官命令を下した」と伝えた。

 韓国軍は全軍に最高レベルの警戒態勢を発令し、対応作戦に突入した。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は21日、当初予定されていた地方視察などの日程をキャンセルし青瓦台(大統領府)で北朝鮮の砲撃挑発による韓国軍の警戒態勢などを点検し対応策を協議するとされる。

 国会の国防委員会は同日午後、全体会議を開き北朝鮮軍の砲撃挑発に関する緊急懸案報告を受ける。

 同会議には国防部の韓民求(ハン・ミング)長官や韓国軍制服組トップの崔潤喜(チェ・ユンヒ)合同参謀本部議長らが出席し、与野党議員に北朝鮮の砲撃に関する報告を行う。 

 また、政府は北朝鮮と経済協力事業を行う開城工業団地に出入りする関係者の安全確保のため、21日から団地入居企業の運営と直接関わりがある関係者のみ、日帰りで団地への出入りを許可する方針を決めた。

 北朝鮮は20日午後、2回にわたり韓国側に砲撃を行い、韓国軍は北朝鮮軍のロケット砲発射地点に155ミリ砲弾約20発を応射した。

 今月4日に韓国側の非武装地帯(DMZ)で北朝鮮が埋設した地雷が爆発し韓国軍兵士2人が重傷を負った事件を受け、韓国軍は10日、前線地域で拡声器を使った北朝鮮向け宣伝放送を11年ぶりに再開した。北朝鮮の今回の砲撃は、韓国の拡声器宣伝放送再開に対する報復措置とみられる。

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