捜査機関の追跡をかわすため整形手術を受け、行方をくらましていた50代の女が、6年ぶりに検察に検挙された。ソウル南部地検は、製造関連の中小企業を運営していて、従業員63人に対する賃金や退職金など計1億9300万ウォン(約2000万円)を支払わなかった疑い(労働基準法違反)で実刑判決を受けた女(57)を、今月12日に検挙し収監した、と20日発表した。
2009年、在宅のままでソウル南部地検の捜査を受けていた女は、同年5月に連絡を絶ち、突然行方をくらました。検察は女を見つけ出すことができず、結局在宅起訴とし、ソウル南部地裁は昨年7月、本人の出席がないまま裁判を開き、懲役8月の判決を下した。行方をくらましていた女は控訴状を提出しなかったため、判決はそのまま確定した。
刑が確定した後、再び女の行方を追ったソウル南部地検の刑未執行者検挙専門班は、女の通話記録などを調べ上げ、昨年8月に女が運営しているとみられる京畿道安城市の飲食店を訪れた。ところが、検察の捜査官たちが訪れた翌日、飲食店の店主が店を閉めて行方をくらましたため、検察は店主が逃亡中の女と同一人物だと確信し、本格的な追跡に乗り出した。
その後も1年にわたって逃亡生活を続けた女は、今月12日、ソウル市衿川区にいたところを、張り込んでいた検察の捜査官たちに検挙された。女が検察の追跡をかわし続けた秘訣(ひけつ)は、目の周りの整形手術にあった。
検察の関係者は「検挙専門班が持っていた女の身分証明書の写真や人相が全く異なっていたため、同一人物には思えなかった」と話した。女は昨年、安城市で検察の捜査官による検問を受けたことがあるが、整形手術を受けていたため捜査官が気付かなかったという。