「韓国初の女性首相」韓明淑氏の実刑確定

政治資金法違反、元首相としては初の実刑
国会議員職はく奪、きょうにも収監へ

「韓国初の女性首相」韓明淑氏の実刑確定

 韓国大法院(最高裁判所に相当)は20日、建設業者から違法な政治資金を受け取ったとして政治資金法違反の罪に問われた韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相(71)の上告審で、懲役2年、追徴金8億8300万ウォン(約9200万円)を言い渡した高裁判決を支持し、韓元首相の上告を棄却した。起訴から5年、大法院での上告審が始まってから2年にして実刑判決が確定した。

 最大野党・新政治民主連合で国会議員を務める韓元首相は、即座に議員職をはく奪された。検察は韓元首相に対し、21日午後2時までにソウル中央地検またはソウル拘置所で収監の手続きを踏むよう通知した。

 韓元首相は2007年に建設会社「ハンシン建営」のハン・マンホ元社長(54)から大統領選に向けた党内予備選資金の名目で3回にわたり計9億ウォン(現在のレートで約9400万円、以下同じ)余りを受け取ったとして、10年に在宅起訴された。ハン元社長は法廷で資金を渡したことを否定し、一審のソウル中央地裁は11年「ハン元社長の供述に一貫性がない」として韓元首相に無罪を言い渡した。だが、ソウル高裁は13年、供述は信用できるとして一審判決を破棄し、懲役2年、追徴金8億8300万ウォンの実刑判決を言い渡した。法廷拘束はしなかった。

 大法院はこの日「検察が証拠を確保した上でハン元社長を聴取し、供述を得たのではなく、ハン元社長が供述した後に資金の造成などに関する証拠が出てきた」と指摘。「ハン元社長の検察に対する供述に信ぴょう性があるとした控訴審の判断は正当だ」と説明した。裁判官13人のうち8人は、韓元首相が3回にわたり3億ウォンずつ受け取ったとされる9億ウォンについて全て有罪と判断した一方、5人は最初に受け取った3億ウォン(約3100万円)のみ有罪との判断を示した。

 韓元首相と野党は「政治弾圧」と大法院の判断を非難し、ひんしゅくを買った。韓元首相は「法理にのっとった判決ではなく、政治権力が介入した不公正な判決」と非難し、新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表らは「検察に続き裁判所までもが政治化した」「不当な野党弾圧に最後まで抵抗する」などと反発した。

崔燕真(チェ・ヨンジン)記者
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