増田創至
2015年8月22日12時43分
(22日、世界陸上男子マラソン)
日本の男子マラソンは厳しい現実を突き付けられた。世界選手権で8大会続けていた入賞が途絶えた。
夏のマラソンらしく、超スローペースでスタート。気温は20度を超え、日本勢も何かを起こせるかもしれないと、期待をもてる展開になった。
5キロ過ぎ、まずバトオチル(モンゴル)が出た。だがすぐに集団が追いついた。10キロ過ぎ、今度はペルティレ(イタリア)が前に出て、今年のびわ湖毎日2位で同じイタリアのメウッチも続いたが、そのまま抜け出すほどの勢いはない。
相次ぐアタックで先頭が入れ替わり、ペースが上下動する中、15キロ手前で前田が脱落。「給水をこまめに取ったけど両足がけいれんした」。一時は25メートルの遅れを取り戻すなど粘りをみせた藤原も、20キロ過ぎに約20人の先頭集団から遅れ、「暑かった。上げ下げの幅が大きくなって体が動かなくなった」と振り返った。
レース前、日本の関係者はこう打ち明けていた。「前田も藤原も暑さに強いとは言えないからね。今井がいればね」。エース格の今井正人(トヨタ自動車九州)は体調不良で欠場。2人は「今井の代わりにどちらかが入賞しないといけない」と語っていたが、関係者の不安は的中した。
アフリカ勢によって高速化した冬のレースでは歯がたたなくても、高温多湿の夏の世界選手権、五輪なら勝負に持ち込める――。日本のそんな願望は打ち砕かれた。(増田創至)
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