【社説】抗日式典出席後の対米・対日外交、準備を怠るな

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は来月3日、中国・北京で予定されている抗日および世界反ファシスト戦争勝利70周年記念行事に出席することになった。大統領府が20日に明らかにした。朴大統領は翌4日に上海を訪れ、大韓民国臨時政府庁舎再開館式にも出席する予定だ。

 中国が9・3戦勝節記念行事を大々的に行うのは今年が初めてだ。中国は今回の行事を通じ、米国と並ぶ主要2カ国、いわゆるG2の一国となった自国の権威と勢いを誇示しようとしている。中国がこの日、最先端のハイテク兵器と自国の軍隊を総動員し、大々的な軍事パレードを行う理由も、中国が言う「軍事崛起(くっき)」を世界に宣伝するためだ。

 韓国国内ではこの行事に朴大統領が参加すべきかどうかで賛否両論がある。米国国内にも韓国に対して不参加を求める声が少なくない。また何よりも朴大統領の軍事パレード参加をめぐっては引き続き激しい議論が巻き起こるだろう。その理由は中国人民解放軍が韓国戦争(朝鮮戦争)に参戦し、数多くの韓国軍兵士を殺害したことにある。大統領府が朴大統領の訪中を発表する際、軍事パレードへの参加について結論を保留したのも、この問題を強く意識したからだ。しかし戦勝節に参加しながら、そのハイライトともいえる軍事パレードに姿を見せないとなれば、これは外交面からみて賢明な選択とはいえない。戦勝節に参加すれば米国が不満を持つし、軍事パレードに参加しなければ中国が間違いなく不満を持つ。外交的に見て米中両国との関係を同時に悪化させるのは絶対に望ましいことではない。

 朴大統領が中国の戦勝節に参加するのは、ある意味やむを得ない側面もある。韓国全体の輸出の25%を占める中国との関係に配慮すべきであるのはもちろん、対北朝鮮政策においても中国の協力が何としても必要だからだ。ただし国内における意見対立や韓国政府が置かれた状況を解決するための努力は絶対に怠ってはならない。それにはまず東北アジアにおける平和と協力に向けた韓国政府の構想について、朴大統領自ら戦勝節を前後したメッセージの中で明確に語る必要があるだろう。また10月に予定されている朴大統領の訪米では、韓中関係に対する米国の懸念を払拭(ふっしょく)しておかねばならない。戦勝節以後の外交政策について今から本格的に検討し、その回答を直ちに提示しておく必要があるのだ。

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