【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央放送は21日、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が20日に朝鮮労働党中央軍事委員会の非常拡大会議を緊急招集し、前線地帯に「準戦時状態」を宣布し、軍人に「完全武装」を命じたと報じた。
中央放送は「敵(韓国)が48時間以内に心理謀略放送を中断しない場合に心理戦の手段を撃破射撃するための軍事的な行動と、可能性のある敵の反撃を鎮圧するため、地域の軍事作戦を指揮する指揮官が任命され、当該地域に派遣された」と伝えた。非常拡大会議では、これら地域の党・政府機関、労働団体、安全・保衛・人民保安の司法検察機関、工場、企業、協同農場などすべての単位を準戦時体制に転換するための方法が話し合われたという。
中央放送は「20日午後に前線の中西部地域で発生した敵の軍事的挑発行為の経緯と真相について、人民軍総参謀部偵察総局長の報告を聞いた」とし、北朝鮮による砲弾発射を否定した。
その上で、中央軍事委員会は20日午後5時、韓国国防部に48時間以内に対北朝鮮心理戦放送を中断し、すべての心理戦手段を撤去しないなら、強力な軍事行動に移すと最終通知する軍総参謀部の決心を承認したと強調した。
この非常拡大会議には、党中央軍事委員会の委員、軍の総参謀部指揮官や前線大連合部隊長のほか、国家安全保衛人民保安機関や党中央委員会、対外部門の関係者らが出席した。
北朝鮮軍は韓国軍による対北朝鮮心理戦の宣伝放送の中断を要求しており、20日午後に14.5ミリの高射砲と76.2ミリの直射砲とみられる火器で南北軍事境界線(MDL)の南側に砲弾を発射した。韓国軍は155ミリの自走砲でMDLの北側へ応射した。しかし、北朝鮮は砲弾による挑発を全面的に否定し、韓国側が軍事挑発を行ったと主張している。