韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は20日、9月3日に北京で開かれる「抗日戦争勝利・世界ファシズム戦争勝利70周年記念式典」に出席すると発表した。韓国の大統領が中国の戦勝記念日の行事に出席するのは初だ。
朴大統領は今回の訪中期間に習近平国家主席と首脳会談を行い、韓中日首脳会談の実現などについて話し合う予定だ。朴大統領の就任後、習主席との会談は6回目となる。また、2013年以降、朴大統領は毎年中国を訪れることになる。
記念式典の一環として中国が準備している軍事パレードに朴大統領が出席するかどうかはまだ決まっていないという。
韓国大統領府(青瓦台)の朱鉄基(チュ・チョルギ)外交安保首席秘書官によると、朴大統領は9月2日から4日までの日程で訪中する。朱秘書官は「軍事パレードに出席するかどうかは諸般の状況を把握しながら検討している。適当な時期に発表する」と説明した。
大統領府は朴大統領が軍事パレードにも出席する方向性を固めたとされる。大統領府関係者は「軍事パレードは戦勝記念日の行事の最後に予定されている。中間で朴大統領が退場すれば、記念式典に欠席するのに等しい逆効果を生みかねない。最後まで出席する可能性が高い」と述べた。大統領府が慎重な態度を保っているのは、中国と北東アジアで覇権を争う米国の立場に配慮したためとみられる。
一方、朴大統領は一連の行事に出席後、上海に移動し、9月4日に開かれる「上海大韓民国臨時政府庁舎再開館式」に出席する。同庁舎は中国政府が7億元(約135億円)の費用全額を負担し、再開館にこぎ着けた。
朴大統領による今回の訪中は内外の反対論を押し切る形で決まった。相対的に少数ではあったが、訪中自体に反対する意見もあった。「韓米同盟からみて不適切だ」というのが理由だ。大統領府関係者は「米国は韓国にとって『同盟』であり、中国は『重要国家』だ。中国の安全保障面、経済面での重要性を考慮して下した結論だ」と説明した。別の関係者は「中国は韓国にとって最大の貿易相手国で、北朝鮮問題、北朝鮮の核問題を解決する上でてこの役割を果たす国だ。中国は今回、朴大統領の出席を強く希望した」と話した。