読売新聞は21日朝刊で「前向きに検討している」と報じたが、朴氏の軍事パレード参加は、歴史的経緯からも疑問だ。
韓国を含む朝鮮半島は終戦まで日本であり、韓国は抗日戦争を戦った戦勝国ではない。加えて、約400万人が犠牲となった朝鮮戦争で、韓国・国連軍と北朝鮮・中国人民解放軍(志願軍)は戦っており、同戦争は休戦中なのだ。折しも、北朝鮮軍は20日、軍事境界線近くで2回にわたり韓国側に砲撃を加え、韓国軍も約20発応射し、抗日行事どころではない。
米国も不満だ。朝鮮戦争で、米軍は韓国を救うため参戦し、十数万人とされる兵士が倒れている。中国が東・南シナ海で軍事拡張路線をあらわにするなか、米国は一連の記念行事を「国際社会やアジア地域での米国の求心力低下を図る戦略の一環」とみており、朴氏に出席を見合わせるよう求めていたのだ。
聯合ニュース(日本語版)は20日、「米側と事前に完全に、十分に意見交換した」「米側も十分に理解した」との政府当局者の証言を配信したが、軍事パレードについては「米国では観覧すべきではないとの声が挙がっている」としている。