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2014年7月27日 (日)

NHKスペシャル ”調査報告 STAP細胞 不正の深層”(7/27)を見てました。速記メモ。

この前、NHKの取材で小保方氏が負傷した、というのはこの番組の取材のため、だったらしいですね。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0727/index.html

では速記メモで。

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タクシーで理研CDBにやってきた小保方氏。所内にある実験室。今、検証実験を行う準備を続けている。不正がないように2台のカメラで24時間、記録。立会人もつけるとのこと。割烹着姿で華々しく登場した小保方氏。世界中の注目を集めたが・・・今月、Natureが論文取り下げ、白紙に戻った。

今回、2000ページの内部資料をNHKは入手、専門家と論文を検証していった。

さらに100人を超える科学者や関係者を取材した。とここまでがイントロ。

アメリカ、ハーバード大学。STAP細胞の原点がここにある。小保方氏は1年半過ごした。チャールズ・バカンティ教授からアイデアを受け継いだ。命の始まり、受精卵。何度も分裂しながら私たちの体を作っていく。この流れは一方通行。これを巻き戻し、万能性を持つ細胞ができないか?再生医療にも応用できる。これまで人類は2つの万能細胞を手に入れた。マーティン・エバンズさんがES細胞を、山中さんがiPS細胞を作った。

植物は刺激を受けると自分の体を再生する。例えばシロイヌナズナなど。動物の細胞も刺激を与えれば万能性を持つかもしれない。小保方氏は研究を進めた。

小保方氏の研究に転機が行われたのは若山照彦さんと共同研究を始めてから。若山氏はマウスのクローンを世界で初めて生みだした。この技術は細胞の万能性のチェックにも使える。

最初に会った時はバカンティの片腕の優秀な研究者だと思ったと。

CDBのC棟4Fの若山研究室。奥まった場所で小保方氏は一人作業していた。どんな実験をしていたのか?実験ノート2冊のコピーをNHKは入手した。論文の実験の時期のもの。

酸や酵素など、さまざまな刺激を与えていたことがわかる。マウスから細胞を取り出し、刺激を与え、万能性があると緑色になるようにしていた。緑に光るものを見つけては若山氏に渡して調べてもらっていた。

マウスの受精卵に入れ、育てる。全身が緑になれば、あらゆる組織に変化したことを意味する。これがキメラマウスという証拠になる。山中さんもiPSでキメラマウスを作って証明した。

小保方氏はキメラマウスが生まれず、実験は難航していた。若山氏によると、1年あまりたったころに、いつものように細胞を受け取り、キメラマウスの実験を行った。マウスの胎児を見たとき、手に震えがきた。体全体が緑色で心臓が動いていた。新たな万能細胞の作製に成功したと若山氏が思った瞬間。ものすごく驚いたことを覚えていると若山氏。

この成功は実験ノートにどうかいてあるか?2011年11月の記載は2ページ。キメラ実験という文字はあったものの、もとになった細胞をどうやってつくったかの記述は見つからない。

実験成功の記述はどこにあるのか?小保方氏に文書で質問したが、答えはない。

STAP細胞は存在するのか?アメリカにスタッフが向かう。ジョージデイリー教授にあう。万能細胞の世界的権威。デイリーさんは驚愕したという。論文で示されているものは極めてシンプル。オレンジジュース程度の弱酸性にマウスから取り出した細胞を25分浸し、さらに数日間培養するとできると。これは確かに新しいと思った。若山さんもきちんと万能性を証明していた。そこで再現実験を行ったがうまくいかない。バカンティに共同研究を申し込んだ。しかし、一度も成功していない。細胞が緑に光る現象は確認できているが、それは細胞が死ぬ直前の光と考えている。論文に書かれたような方法ではできないと。

山梨大学で、若山氏本人も確認を続けている。自分の実験に手違いがあったのでは?と。

STAP細胞として渡された細胞が残っていて、それを再度調べたら、、、、

若山氏が飼育していたマウスが使われたはず。それから細胞を小保方氏がとりだしてSTAP細胞を作り、それを再度若山氏に渡した。そのため、遺伝子は一致するはず。

ところが結果は2つは異なるものだった。僕はどこを、僕の方にミスがなかったことを納得しないと前に進めない、、、と苦しく語る若山氏。

別の研究者も手掛かりをつかんでいた。理研の遠藤高帆 上級研究員だ。

(後で聞いたら、遠藤さん、何とenchant Moonを使っていたそうですよ。)

STAP細胞の遺伝個情報を3カ月以上かけて解析した。その結果、

アクロシンGFP  という特殊な遺伝子がくみこまれていることがわかった。精子に関するもの。

遠藤氏から情報を聞いた若山氏は、心当たりがあった。若山研究室ではES細胞の研究でアクロシンGFPを組み込んでいた。どこで混入したか、が心当たりがない。

小保方氏もES細胞が混入していた可能性を否定している。

ある事実が浮かび上がってきた。小保方氏の研究室から見つかった冷凍庫から、ES細胞が見つかった。留学生が作ったもの。実験用のES細胞を保存していて、若山氏から譲り受けたものと説明していた。若山氏が山梨大学に移るときに持っていくはずだった。

なぜ冷凍庫から見つかった?小保方氏にこうした疑問に答えてほしいと考えている。

理研は調査を先送りにしてきた。そのまま検証実験を進めようとしている。

CDBの竹市センター長は実験の意義を、1%の可能性しかないからといってやらないのはだめだ、と語る?なんだこれは。

小保方氏はSTAPの論文は科学雑誌に掲載を拒否された、その論文を手に入れた。Nature,Cell,Science,,,,

全体的にプレゼンテーションのレベルが低い。データの大部分の分析が不完全で説明が不十分だ、ES細胞が混ざっているのではないか、とレビューされた。

しかし、その次の論文がNatureで肯定的なコメントが。評価が一転した。

論文執筆の天才、笹井さんの存在があった。日本の再生医療のトップと、山中さんが出るまで言われていた。CDBは将来、大きなプロジェクトになると期待し、笹井氏に論文掲載を託した。小保方氏と笹井氏で進めた。当時の2人のメールのやり取りが残っている。なんかやらしいな。

論文は確かに図も増え、見やすくなっていた。記者会見の広報戦略も笹井氏が行った。1枚の補足資料でiPS細胞との違いを説明した。魔法使いのSTAPと牛のiPSというイラスト、、、なんだこれは、、、で自分もiPSは終わりだと語る、、、

NHKはたくさんの研究者と検証した。笹井氏の論文作成能力を仲野徹 阪大教授が語る。

篠原教授も同意。しかし疑義が浮かび上がる。グラフについては、同じ日に測定すると2つの丸が縦にずれるが、斜めにずれている。

切り貼りと別の実験の画像、については理研も認めている。

しかし7割以上に信頼性が乏しかったりすることを指摘した。

データは基本的に信用してみる。笹井さんくらいならまさか捏造するなんて疑ってもいなかった。

一方で、笹井氏がある事実に気付いていたのではないか、という指摘も。

マウスから細胞を取り出し、弱酸性の液体に浸すとキメラマウスができると言っているが、キメラマウスが最初の細胞からとりだしたものかの証明をしないといけない。

TCRという細胞が追跡の鍵となる。TCR再構成が見つかれば証拠になるが、それは調べた、という1文しか論文にない。証明が十分できていなかったのではないか。

科学者として立ち止まるポイントじゃなかったか?

徳島大の高濱さん、九大の中山さんも語る。

CDBの自己点検検証委員会は、特許の問題があったと指摘している。今、科学的に重要なものは論文と特許を進める。2012年4月、特許の仮出願が行われた。一年以内に本出願するが、笹井さんが加わった時はあと4カ月に迫っていた。

札幌医科大学の石埜さんが語る。特許は大事。国の資金がつきやすい、優秀な人材があつまる、産業化も出来る、と。

ポートアイランドに広がる、医療産業都市。その中心が理研のCDB。周りには医療関係のベンチャーなど270を超えて存在する。

神戸市の三木さん。笹井氏の貢献が街を作る上で大きかった。研究者的じゃなくてマネージャー、コーデネーターとして。それがうまい。マルチタレントだと。

理研は今、新たな施設を38億円で作ろうとしている。企業や研究者が入れるスペースが50以上できる。

事故点検検証委員会の委員長、鍋島陽一氏は、笹井さんがいろんなプロジェクトの中心になったと語る。それが一つの論文のためにだめになった。人生をかけてやってきたことをふいにした。

ではどうやって研究不正を防ぐのか?

ネイチャー編集部に向かう。あれ、結構小さいな。

フィリップキャンベル編集長が初めてインタビューに答える。論文の審査が十分でなかったことを認めたうえで、画像の加工にもっと注意を払うべきだと答える。ほんの少しでいいのでリーダーは時間をつかってほしいと。

研究不正に30年以上前から取り組んでいるアメリカ。大学では不正を行った研究者の実名を挙げて学ぶ講座をひらいたりしている。マークハウザー元ハーバード大の教授も不正をしていたと。でも学生たちがその不正を見抜いた。自分ならどう行動する?という議論を重ねている。カレンシュミット教授の講義だ。(ピッツバーグ大学)。

ミシガン大学医学部は先進的な取り組みをしている。50億円をかけてデータセンターを整備した。実験データをすべて保存している。研究に不正が疑われた時、それを調べることができる。

さらにアメリカ政府はORI 研究公正局を設置した。

ミシガン大学のニコラス ステネック博士は、研究組織の風土が問題だと。

一方、日本では対応は各研究機関に任せられている。理研では内規で不正は迅速に対処するとしているが、自浄能力に強い懸念がある。

理研に疑義が次々指摘されても、さらなる調査は行わないと言ってきた。

川合理事になんですぐに不正の調査を行わなかったのかを聞いても、すぐにはできないんだと回答。

危機感が科学者の間で広がっている。九大の中山敬一さんも、恣意的に理研が調査しただけで、防止する努力もしてないし、方法も持ってない。なんとかここでちゃんとした手をうたないと、と語る。

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STAPの話は見てもどよーんと暗い気持になるなあ。。。組織の問題が一番大きいのだろうか。

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