2015年8月19日、二子玉川にある楽天の新社屋(楽天クリムゾンハウス)で記者発表会が行われた。今回の発表は「楽天アプリ市場」その実態はどのようなものだったのだろうか。
新たなマーケット楽天アプリ市場を発足する
最初に壇上に上がったのは、楽天株式会社代表取締役 副社長執行役員 島田 亨(しまだ とおる)さん。
楽天のビジネスは様々なB2B2C型のサービスがある。「楽天市場」を初めとして、
「楽天トラベル」
「楽天デリバリー」
「楽天ウェディング」
「楽天ダイニング」
「楽天GORA」
「楽天BEAUTY」など。
そこに新しく「楽天アプリ市場」を発足することとなった。
Androidのアプリのマーケット規模はこの2年間で5,000億円から1兆円となり、これからも伸びていく。しかしこのマーケットの収益を分析すると、上位10個のアプリで、合計収益の48.5%を占める寡占の状態となっており、楽天がアプリのマーケットを加速させることにより、この寡占状態から抜け出したいと思っている。
このスマホアプリマーケットにもApp storeやGoogle Playだけでなく、楽天が参入しのB2B2Cのノウハウ導入することによって、新たな一歩を打ち出して行きたい。
ゲームだけでなく、漫画、占い、音楽、教育、など、偏ったジャンルだけではなく、いろいろなタイプをユーザーに提供する。また、そのことにより多くのデベロッパーがアプリに参入するようにする。
では具体的にどうしていくのか?
今現在、大手アプリプラットフォームでは、収益の30%を販売手数料として取る形になっているが、これを楽天アプリ市場の場合、15%を販売手数料として楽天に、10%をユーザーにポイント還元(※一部のアプリを除く)をする。デベロッパーとしては、大手アプリプラットフォームに比べ、5%収益が上がることとなる。
大きな市場になると、この5%は非常に大きく、これがデベロッパーに還元されることで、参入しやすく、さらに開発費にまわせる環境を作り上げて行きたい。
楽天アプリ市場でダウンロードすると何が得なのか?
次に壇上に上がったのは、楽天株式会社 楽天マーケティングジャパン事業部 アプリ市場事業部 部長 栗原 祐一郎(くりはら ゆういちろう)さん。
アプリはオリジナルアプリを含める181社393タイトルでスタート。大型タイトルも含め、これからも随時拡充していく予定。
ちょうど一年前から始まったこの企画。最初は人材集めからという、本当に初期の状態から始まったが、色々なところに声をかける中で、「現在のアプリストアは独占されているので、楽天に一矢報いて欲しい」「楽天ができなかったら、もう第三者の介入は無理なのではないか」という声が聞かれたという。
楽天の他にはない強みというと「B2B2Cビジネスの圧倒的ノウハウ」「会員数1億110万の会員基盤」「高付加価値の楽天スーパーポイント」と言うことができるが、まずは、楽天アプリ市場の特徴として3つの特徴を挙げていきたい。
多彩なキャンペーン
「他のストアより安く買える」「限定のアイテムがもらえる」「ポイントがざくざく貯まる」など、楽天の特色を生かした、様々なキャンペーンが出来ればと思っている。
貯まる!使える!楽天スーパーポイント
楽天の大きな利点と言える「楽天ポイント」。課金額の10%ポイントを貯めることができ、また他のサービスで貯めた楽天ポイントも使用できるため、課金に抵抗がある人もポイントでならアプリに課金してみようかとなるのではないか。また楽天カードも順調で楽天のポイントを貯めている人も多くいる。特に主婦の方などに、あまったポイントの使い道として、楽天アプリ市場でのアプリの課金にポイントを使って欲しい。
あんしん安全のセキュリティ
セキュリティに関しては、トレンドマイクロ社が大きく絡んでいる。
ここで壇上にあがったのは、トレンドマイクロ社 執行役員 グローバルコンシューマーマーケティング 統括部長 吉田 健史さん。
楽天アプリ市場がいかに安全なのか。「安全なアプリだけを提供する」「アプリをダウンロード前にチェックする」当然のことだが、非常に重要なことである。
Androidに関して2年前には年間70万件だった不正な問題が、いまや700万まで膨れ上がっている。これはそれだけ、スマホのマーケットが広がっているということの証。
アプリ市場に申請があがったものに関しては全て審査する。
特に世の中に初めて出るようなアプリに関しては、トレンドマイクロが静的解析、動的解析を随時行い不審な挙動がないかを確認する。
「大丈夫です!安心なんです!」とはっきりと言い切った吉田氏。
再び栗原氏が壇上に上がり、全てのアプリをスキャンして、判断したアプリのみが楽天アプリ市場にあがる、また「不正アプリ対策」機能を月1回無料で提供するなど安全をアピールした。
新しいプロモーションの形を提供したい
その他の施策として、楽天アプリ市場には、昨秋からスタートした楽天モバイルが大きく関わってくるが、楽天モバイルの全端末に楽天アプリ市場のプリインストールを予定している。
またO2Oの戦略にも力を入れていきたい。楽天グループのアセットを活用して、他にはない楽天アプリ市場の強みを活かして行きたい。ランキングを上げる施策やWebマーケティングとは違った、新たなプロモーションの形を提供したいという。
オープニングキャンペーンとしては楽天市場からアプリをダウンロードすれば、300Pがプレゼントされる。
質疑応答
楽天からの発表が終わり、質疑応答となり、島田氏と栗原氏が対応をした。
- ■グーグルプレイとの違いは何か
- 数と言うよりは質で勝負をする。30%のマージンと15%のマージンの違いが大きな違いだが、その違いにより、良いタイトルを呼び込む。また新たなデベロッパーが活性化する。
あとは、楽店ポイントが貯まる、使えるというのが大きな違いだと思う。 - ■キャリアなどが定額制のアプリを出しているが、楽天はどうなのか?
- 検討はしたが、取り放題というのは、基本的に売り切りのアプリを対象としてると思う。現在主流となっている体験版を落として課金するタイプは含まれていない。取り放題というのはニッチな戦略だと思うので、楽天は見送った。
- ■ジャンルについてはどうか?
- やはりゲームが多いが、新しいジャンルのアプリが欲しい。
- ■審査基準はどうなっているのか?
- 詳しいことは公表できないが、どこも独自のプラットホームでの考え方で審査をしていると思う。楽天も安全性などを含め独自の審査を行う。
そのほかにもいくつかの質問が飛んだが、「楽天アプリ市場」というアプリをまずダウンロードしなければならないところや、安全性についての突っ込みについては、「どうしても100%のことは言えないが」と回答に戸惑う姿も見えた。
まとめ
Androidを使用している人は「Google Play」、iOSを使用している人は「App Store」からアプリをダウンロードするのが、当たり前であったが、楽天があらたな選択肢を与える形となった。インタビューの中にもあったが、これは楽天くらいの規模、力がないととても出来ないことであったであろうし、その意味では非常に大きな一歩だったのかもしれない。
しかしながら、このアプリ市場、ポイントなどの付加価値、安全性などそのものの評価よりも、まずは品揃えがどうなるかである。いくら優秀なアプリを構築しようとも、キラーコンテンツを呼び込めなければ、きっとユーザーは集まらない。
B2B2Cに関しては文句なしのノウハウがあり、またポイントシステムやO2O戦略など、他のアプリマーケットには真似できない独自のプロモーションが楽天ならきっとできるだろう。しかしそれがどこまで活かしきれるか、ユーザーにどこまで広がるかはわからない。
しかし、動きようがないかと思われたアプリマーケットに大きな動きを与えたことは事実であり、これから先、「楽天アプリ市場」には注目をしていきたい。
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この記事を書いた人
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どうも、モバレコ編集部の中の人達です。夏真っ盛りの8月、熱中症にはなっていないですか? そういえばスマホにも熱中症があるんです! 端末の温度が上昇しすぎると機能障害が発生してしまいます。私はメッシュ型のiPhoneケースに衣替えをして放熱対策! 体調とスマホの管理、両方気をつけましょうね!