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<韓国、100年に進む成長エンジンを育てよう>(5)建設、高付加価値産業へ……新たな宿題は?
2015年08月21日16時43分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
韓国の建設業は1958年に建設業法制定後、京釜(キョンブ)高速道路を完成するまでの量的成長期、70年代の海外進出期、80年代中盤以降の膨張期を経てきた。特に海外建設では65年のタイの高速道路工事を受注して以来、50年間の累積受注額が7000億ドルを超えた。中東のほかにも独立国家共同体(CIS)・中南米・アフリカなど地域を多角化して土木以外の発電や化工プラントへの多角化戦略が海外建設の成功を牽引した要因だ。
しかし韓国の建設産業は持続成長という新たな宿題を抱えている。国内の建設投資は90年は国内総生産対比で21%だったが、昨年は15%まで下がった。国内の建設市場はすでに成熟期に入った。また2006年以後、成長動力になった海外事業もやはり低価格受注競争で収益性が大きく落ちている。引き続くオイル価格の下落で韓国建設業の“菜園”だった中東市場もまた発注を相当減らすものと予想される。
このような状況で韓国建設業は、高速成長を遂げてきた売り上げ中心の思考から収益性中心にパラダイムを変えなければならない。建設業者はこれまで受注・施工事業が主な売り上げの拠り所だった。これは景気変動性が大きく競争が激しい。これに比べて施設メンテナンス・運営事業は安定的な収益創出が可能で景気変動の影響もあまり受けない。管理・運営業は建設市場が成熟期に入り込めばむしろ需要がさらに伸びる。世界5大建設業者であるフランスのVinciは昨年、メンテナンス・運営事業収益が全体利益の65%を占めた。短期間でこの力量を確保するために海外企業買収合併(M&A)も検討してみる必要がある。
また事業実行力を強化して生産性を高めなければならない。今年初めのマッキンゼーの調査の結果、世界で1兆ウォン以上の建設事業の98%がコスト超過や納期遅延を経験していた。低い生産性が主な原因だった。最近10年間で製造業の生産性は2倍以上増えたが、建設産業の生産性は足踏み状態だ。生産性を高めるためにデザイン、契約、実行など段階別に実行案を用意しなければならない。初めからコストを最小化するようデザインする「価値を作るデザイン(Design to Value)」を導入するのが優先だ。現場では最小コストで最短期間内に作業を終わらせることができる「効率的建設(lean construction)」を導入し、明確な作業指示と欠陥・浪費・在庫を減らさなければならない。作業現場で速かに問題を解決できる討議室(War room)を設置するのも良い。
最後に危機管理力を確保しなければならない。特に自国ではない海外建設事業で企業は市場状況、現地での購買、協力会社との関係、契約、規制など多様なリスクにさらされている。これに比べて国内の建設会社の危機管理力はほかの産業よりも著しく不足している。海外企業は▼各分野のリスクを事前に把握して▼これを持続的に追跡点検し▼先制的にリスク要因を緩和させる体系を持っている。国内企業もこれを見習って問題が生ずる前に備えるシステムを構築しなければならない。2013年以降、国内の主な企業は大規模な実績悪化を体験しており危機意識が充満していた。しかしこれをむしろ収益性強化のための事業モデルの拡張と力量強化のきっかけにできるならば、「禍を転じて福となす」の機会にできる。
チョン・ジェフン マッキンゼーソウル事務所副パートナー
しかし韓国の建設産業は持続成長という新たな宿題を抱えている。国内の建設投資は90年は国内総生産対比で21%だったが、昨年は15%まで下がった。国内の建設市場はすでに成熟期に入った。また2006年以後、成長動力になった海外事業もやはり低価格受注競争で収益性が大きく落ちている。引き続くオイル価格の下落で韓国建設業の“菜園”だった中東市場もまた発注を相当減らすものと予想される。
このような状況で韓国建設業は、高速成長を遂げてきた売り上げ中心の思考から収益性中心にパラダイムを変えなければならない。建設業者はこれまで受注・施工事業が主な売り上げの拠り所だった。これは景気変動性が大きく競争が激しい。これに比べて施設メンテナンス・運営事業は安定的な収益創出が可能で景気変動の影響もあまり受けない。管理・運営業は建設市場が成熟期に入り込めばむしろ需要がさらに伸びる。世界5大建設業者であるフランスのVinciは昨年、メンテナンス・運営事業収益が全体利益の65%を占めた。短期間でこの力量を確保するために海外企業買収合併(M&A)も検討してみる必要がある。
また事業実行力を強化して生産性を高めなければならない。今年初めのマッキンゼーの調査の結果、世界で1兆ウォン以上の建設事業の98%がコスト超過や納期遅延を経験していた。低い生産性が主な原因だった。最近10年間で製造業の生産性は2倍以上増えたが、建設産業の生産性は足踏み状態だ。生産性を高めるためにデザイン、契約、実行など段階別に実行案を用意しなければならない。初めからコストを最小化するようデザインする「価値を作るデザイン(Design to Value)」を導入するのが優先だ。現場では最小コストで最短期間内に作業を終わらせることができる「効率的建設(lean construction)」を導入し、明確な作業指示と欠陥・浪費・在庫を減らさなければならない。作業現場で速かに問題を解決できる討議室(War room)を設置するのも良い。
最後に危機管理力を確保しなければならない。特に自国ではない海外建設事業で企業は市場状況、現地での購買、協力会社との関係、契約、規制など多様なリスクにさらされている。これに比べて国内の建設会社の危機管理力はほかの産業よりも著しく不足している。海外企業は▼各分野のリスクを事前に把握して▼これを持続的に追跡点検し▼先制的にリスク要因を緩和させる体系を持っている。国内企業もこれを見習って問題が生ずる前に備えるシステムを構築しなければならない。2013年以降、国内の主な企業は大規模な実績悪化を体験しており危機意識が充満していた。しかしこれをむしろ収益性強化のための事業モデルの拡張と力量強化のきっかけにできるならば、「禍を転じて福となす」の機会にできる。
チョン・ジェフン マッキンゼーソウル事務所副パートナー