米石炭業界の労働者、数万人が失業-シェールガス革命で
2015/08/21 11:41 JST
(ブルームバーグ):米石炭業界は壊滅状態にあり、影響が広がっている。企業破綻や発電所の操業停止が相次いでいるほか、最も深刻なのは炭鉱労働者の失業だ。
とどまる所を知らない石炭価格下落が始まった2011年以降、資金繰りに苦しむ石炭業界は年間約1万人を削減。これは、生産性の高い鉱業機械が普及して労働力需要が減少した1980年代と90年代初め以降、類を見ない削減ペースだ。
ただ、今回は米国の石炭生産は増加ではなく減少している。中国の石炭輸入鈍化がその一因だが、より大きな要因は安価な天然ガス供給の急増だ。ガスが発電所向け燃料のうち石炭のシェアを奪っており、その状況は今後も続くと予想される。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ウィリアム・フォイルズ氏とアンドルー・コスグローブ氏は最近の文書で、「シェール革命によって天然ガス価格がかなり低下したため、電力会社が燃料を切り替えるのは理にかなっている」と指摘。「炭鉱労働者の失業は今後も増加する可能性が高い」との見方を示した。
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Tim Loh tloh16@bloomberg.net
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更新日時: 2015/08/21 11:41 JSTニュース一覧
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