王位戦第4局、羽生が防衛王手
将棋の羽生善治王位(44)=名人、王座、棋聖=に広瀬章人八段(28)が挑戦している第56期王位戦7番勝負第4局(西日本新聞社主催、JR九州協賛)は19日午前9時から、福岡市博多区のホテル日航福岡で指し継がれ、午後4時7分、83手で先手番の羽生が勝ち、3勝1敗で防衛(5連覇)に王手をかけた。持ち時間各8時間のうち残りは羽生1時間38分、広瀬1時間8分。
羽生の公式戦通算勝利数は1321勝となり、歴代2位で並んでいた加藤一二三九段を抜き、単独2位となった。歴代1位は故大山康晴15世名人(永世王位)の1433勝。
かつて“振り穴王子”と呼ばれた広瀬が久々に四間飛車穴熊の戦型を選択し、羽生が居飛車穴熊で対抗した相穴熊の戦いは2日目から本格化した。
羽生が5八飛(41手目)と回り、広瀬は3五歩(44手目)の突き捨てから反発。盤面中央でしのぎを削る中盤戦を経て、羽生が駒得をしながら優勢を築いてリードを広げ、広瀬を投了に追い込んだ。
通算勝利記録について、羽生は「それ(歴代単独2位)を目標にしていたわけではないが、形になってよかった。大山先生の1433勝は途方もない記録ですが、それを目指して頑張っていきたい」と語った。
第5局は26、27日に徳島市の料亭「渭水苑(いすいえん)」で行われる。
=2015/08/19 西日本新聞=