アニメ 団地ともお スペシャル「夏休みの宿題は終わったのかよ?ともお」 2015.08.18


(オープニングテーマ)
(セミの鳴き声)
(木下ともお)いたいた。
(吉田由伸)おお!
(吉本雅人)ちょっと待った!それ昨日オレたちが蜜塗った木じゃねぇぜ。
(2人)おっと!これこれこっちだこっち。
(2人)う〜ん…。
くそ〜!メスとカナブンしかいねぇ。

(ラジオ体操)あ〜でかくてかっこいいクワガタが欲しい!
(鎌倉景子)虫の話ばっかりで男ってバカよね〜。
うるせ〜!フン!どっか穴場探さないとな〜。
そうだな。
(由伸)こないだ森山が隣町でカブトとったらさそこのやつらとケンカになったらしいぜ。
ふ〜ん。
そういうトラブルも面倒だよな。
(3人)じゃあな〜。
父さん起きろよ!あさめし!
(木下鉄雄)う〜ん…。
父さん起こしたよ。
いただきます!
(木下君子)母さんお弁当は?
(木下哲子)ええ?作ってって言ったじゃない!どこ行くのよ?学校!何で?部活!しょうがないねぇ…。
(鉄雄)ハァ…やっと目が覚めた。
早起きだなともお。
ラジオ体操とあと宿題ももう済ませたぜ。
宿題はまだだろう。
(ドアの開く音)ごちそうさま〜。
(哲子)宿題終わらせないと遊びに行かせないよ!ひまわりの観察だよ!おはようございます。
(島田)おはよう。
(鼻歌)うん…。
さっきちょっと君のそれ見たらな…。
うん?アブラムシがついてたぞ。
ほっとくとやっかいだ。
へぇ〜。
ああほんとだ。
ふ〜ん…まあいいか。
小さいし。
おおい…。
ああ…。
(吹きかける音)…ったく世話の焼ける。
う〜ん…。
いってきま〜す。
いってらっしゃい。
(ドアの閉まる音)うん?う〜ん…。
うん!うん!う〜ん…。
うん!コラ!
(数学の教師)はいここまで。
今日でめでたく数学の補習は終わり。
2学期は赤点取らないようにしっかり頑張る事。
いいわね?
(一同)は〜い…。
(セミの鳴き声)
(坂上)何でうちの学校クーラーないのかしら。
(青戸秀美)あんたはいいわよね今日で終わりなんだから。
私なんかあしたからも今度は歴史の補習よ…。
(坂上)かける言葉が見つからないわ…。
それにしても暑いわね。
脳が沸騰しそうだわ…。
(テレビ)「戦後70年にあたって世界平和という理念を…」。
(電器店青年)やあ。
あの電器店の息子あんたにほれてるわよ。
70年か…。
えっ70?今日70度もあるの?脳みそって何度で沸騰するんだろう…。
うわっ!
(青戸)何で戦争って起こるんだと思う?
(坂上)そりゃあ戦争したい人がいるからよ。
(青戸)それよそれ。
そのありきたりな意見。
そんな事を言うあんたみたいなのがいるから平和になるための話し合いが進まないのよ。
(坂上)なによ…。
(青戸)そういう考え方はね楽なのよ。
うん?あっ青戸さんと坂上さん。
(青戸)誰かを戦争したい人って決めつけて文句言ってりゃいいんだから。
ちぇっ…。
(青戸)真実はどうあれね。
うん?落ちたよ。
まず戦争なんかしたいと思う人は…。
ねえ!この国にはいないって事を前提として話を始めないとね進まないのよ話が。
(坂上)そういうものかしらね…。
…ったく。
(青戸)そんな事も分からないなんてだからあんたはバカなのよ。
(坂上)赤点取りまくって夏休みを丸ごと補習で潰すあんたに言われたくないわよ。
(青戸)あれ?今誰かいた?
(坂上)さあ?
(青戸)暑いわね…。
(テレビ)「戦後70年がたち…」。
70年前日本ってどこと戦争してたの?アメリカとか…。
イギリスとか…。
うそだ〜。
中国とソ連もだっけ?何だそれん。
お代わり!
(一同)おお〜!すげ〜!7センチはあるな!こんなすげぇの見た事ねぇな。
(根津ユキオ)すげぇだろ!夏休み始まってからその穴場に1週間通い詰めてゲットした大物だぜ!どこなんだよ?教えてくれ!どうしようかな〜。
(由伸吉本)頼む!そうだなぁ…犬のまねしたら…。
(犬のまね)プライドねぇのかよお前ら…。
(歴史の教師)今日から歴史の補習を始めるわけだが江戸時代末期日本が世界史にひょっこり登場する辺りから70年前の終戦までの流れ。
つまり日本の近代史を学んでいきたいと思う。
あの〜先生。
何だ?どうして時代を絞らず日本史全体をやらないんですか?このくそ暑い中補習受けてるんだからせめて受験に役立てたいんですけど…。
(たたく音)それはなオレが教えたいからだ。
(一同)ハァ…。
教師生活25年…いや40年弱。
来年定年を迎えるわしだが歴史を教える教師として一つ心残りがある…。
それがこの国の近代史をきちんと教えてこなかった事だ。
古代から始まり近代史に入るところで結局いつも急ぎ足になって…。
く〜っ!そもそも勉強して何かの役に立てようという魂胆があさましい。
自分の国の歴史くらい知りたくなる人間になれ!じゃあ始めよう。
ペリーが黒船でやって来る前の日本の状況から。
(吉本)わりぃわりぃ!おせぇよ!
(由伸)いっくぜ〜。
昨日蜜たっぷり塗っといたからな〜。
楽しみだ。
オレ10センチのクワガタ捕まえるぜ。
10センチはさすがにねぇって。
何だろうなあれ。
(吉本)さあな。
お〜っいたいた!やった!ノコギリクワガタだ。
う〜ん…。
結構でけぇぞこれ。
だな。
う〜ん…でも根津のより小さいな。
(由伸)みんなに自慢できるぞ!
(吉本)ここは穴場だったな。
ともお何で何もとらなかったんだよ。
あんな小さいのじゃやだ!あしたも行こうぜ!
(吉本)オレは今日とったので満足だからいいや。
(由伸)オレも。
ちぇっ。
世界中のクワガタが集まってくるようなうまい蜜を調合してやる!君子ともお。
うん?これ泉さんちに届けてきて。
え〜っ!ああいいけど。
オレ忙しいんだ。
姉ちゃんだけでいいだろ。
荷物が多いんだよ!あんたも行きな!あ〜っ!
(泉)もう70年だもんね。
(おばあさん)あのころは食べるもんがなくてねぇ。
配給はなかったんですか?
(おじいさん)そんなもんじゃ足りっこなくてねぇ。
闇米なんか買ったら捕まっちゃうからさ。
米は統制品だからね。
野菜とかなら平気なんだけどね。
(おばあさん)農家に行ってうちにあるものと食べ物を交換してもらうんだけどさ七五三の着物とか家じゅうの物全部なくなっちゃって!けん玉!とにかく物がない時代だからね。
セーラー服もね…ほら後ろの襟って普通四角いじゃない。
でもきれを少しでも節約するためにこう三角形のセーラー服だったりね。
へぇ…。
この辺も空襲はあったんですよね?そりゃもう何度もね。
爆撃機が大船方面から鎌倉街道沿いにこちらへやって来てね。
「大船の観音様目印にやって来てるのかね」なんて話していたけどね。
(おじいさん)昼間に戦闘機がこう低空で操縦士がにやっと笑ったように見えたの覚えてるな。
私の同級生がその時亡くなってね。
その子のお母さんが自分で我が子を火葬したの覚えてるわ。
くそ〜お前うまいな。
その棒に入れるやり方教えろよ。
どんな話してたの?面白かった?戦争の話だからね面白いってわけじゃないわよ。
ふ〜ん。
あんたもああいう昔の貴重な話ちゃんと聞いとくべき…。
フフフ…。
おいっ!
(歴史の教師)うん?坂上か。
お前何でいるんだ?面白そうだから授業受けたいって言ってきて…。
いいですか?あと知り合いの中学生も話聞きたいって言ってるんですけど…。
ああ歓迎しよう。
どんどん連れてきてくれ。
生徒が多い方がやりがいがある。
(セミの鳴き声)
(歴史の教師)時は19世紀。
ヨーロッパが世界中を支配しアメリカも南北戦争を経て頭角を現しアジアは列強の草刈り場となっていた。
その手が東へ東へとのび行き着く先。
そこに光り輝く謎の島国があった。
それが日本だ。
なんか大げさな話で聞いてるこっちがてれるけど…。
そのころ日本は外国の軍艦にびびってただけの弱小国だったんですよね?いやそんな事ないぞ。
なりふりかまわず急速に欧米のものを取り入れたのも鎖国中もずっと欧米の研究が続けられ危機意識を持ち続けていたからだ。
う〜…。
それにしてもどうにかならない?この暑さ。
(セミの鳴き声)くそ〜。
今日もいないか。
オレは根津よりでかいのとるまで諦めないぞ。
(哲子)ともお〜!御飯だよ。
うん…。
あれ?姉ちゃんは?学校。
今日も部活だって。
ふ〜ん。
(熱血)70年…。
小学4年生の木下の弟が80歳の老人になる年月か。
「0歳児が70歳になる」でいいんじゃないですか…。
少し前にな…おやじの知り合いで遠い異国から日本に来た陽気な外国人をオレたちが観光に連れていってさ…。
(2人)へ〜イ!
(熱血)でいろいろ見て回ってる時にな米軍基地があったんだ。
その人の国にも米軍基地があるって話になっておやじが日本にはそこらじゅうに米軍基地があるって言ったらその人びっくりしてさ。
「何で日本中にあるんだ」って聞くんだよ。
おやじも返答に困ってそんな事常識だと思ってたからオレもさすがに考え込んでよ…。
で考え込んで何か分かったんですか?いやだから今もう一度考えてみる。
やっぱり分かんねぇ。
アハハハハ。
不真面目ですね。
だがなよく考えてみろ。
常識にとらわれないオレが常識を疑う状況。
非常識な事が常識になってしまう時間なんだぜ70年って!どうでもいいからこれ手伝って下さい。
さっきから当たり前のようにサボってんのがむかつきます!お前はさっきからパクパク弁当食ってんじゃねぇ!そうよ!
(セミの鳴き声)
(ラジオ体操)ともお今日もあの神社行ったのか?うん…。
でかいのいたか?ううん。
(哲子)ともお!うん?お使い行ってきて隣町のスーパー!え〜っ?
(セミの鳴き声)
(歴史の教師)え〜この倒幕派に対する幕府の気弱な姿勢が原因で…。
心の声
(青戸秀美)電器店の息子にほれられてよかったわ。
(歴史の教師)いよいよ終えんの…。
(生徒)この前から幕末の授業やたら長くない?
(坂上)ほら先生坂本龍馬とか好きだから。
(歴史の教師)そしてその欧米との局地的な戦いが日本で起きた。
(セミの鳴き声)
(ブレーキの音)重そうですね。
(中山繁蔵)まあな。
でも大した事ない。
お前さんの持ってるそれは軽そうだな。
うん…。
代わろうか?えっ?
(セミの鳴き声)これ何ですか?お宝じゃ。
へ〜っ。
上がって麦茶でも飲んでいきなさい。
いいです。
うちにもあるんで。
スイカも冷えとるが…。
おじゃまします!あら小さなお客さんね。
彼に世話になった。
何これ?ラジオじゃよ。
わしが子供の頃うちにあったんじゃ。
おじいさんまた変なの買ってきて。
古道具屋で見つけてな。
子供の頃うちにあったやつとそっくりでつい…。
テレビみたいな大きさだね。
もう70年以上も前のものだからなぁ…。
(ラジオ)すげ〜ちゃんと聞こえる!昔これでよく野球中継聞いたな。
オレもよくテレビ中継終わったあとラジオで続き聞くぜ。
うん?あれは?わしの兄さんじゃ。
隣は?わしじゃよ。
わしの子供の頃じゃ。
お兄さん兵隊さんだったの?ああ。
兄さんもわしも70年前満州から南方の戦場に送られてな。
「なんぽう」?今の東南アジアの方じゃよ。
他にもサイパンとか硫黄島とか島々での戦いもあってな。
ああ映画で見た事ある。
ほう。
硫黄島ってどこ?ええと…この辺だよ。
(セミの鳴き声)ラジオのくせにこ〜んなでかくてさ。
へぇ〜ためになる話聞けてよかったな。
うちの実家にもそんなラジオあったっけな…。
そういえば父さんもあした例の行く?ああ。
面白そうだから行ってみようかな。
どこに?高校。
日本の近代の歴史を教えてくれるの。
タダだし教養つけとこうかと思ってね。
ともおも来な。
いいよ。
遊ぶのに忙しいし。
(菊川みつお)へぇ〜オレもそのおじいさんに今度話聞きに行きたいな。
ああまた遊びに来いってさ。
しばらく田舎帰ってるからそのあとにって。
でも大して面白かないぜ。
青戸さんの高校で日本の歴史の授業やってるらしくてさ。
オレもあしたから聞きに行くんだ。
戦争の事も話してるらしいよ。
物好きだな…。
夏休みの宿題で戦争をテーマに書く作文あるじゃん。
あっそうだっけ?
(2人)よっ!
(2人)よっ!
(吉本)へぇ〜じゃあオレも作文それにしようかな。
みつお書いたあとちょっと見せてくれよな。
あっオレも。
あっじゃあオレも。
楽して終わらせようとしてるだろ…。
(景子)昨日テレビで戦争特集やってさ戦艦大和のCGかっこよかったな〜。
(葉山より子)私大和描けるよ。
すご〜い!お父さんがよくプラモデル作ってるんだ。
見てたら覚えちゃった。
(立花節子)私そういうの嫌い。
あ…。
そうなの?
(節子)だって戦争の道具だよ。
う…。
サッカーやるからあっち行けよ。
何でよ!私たちが先に遊んでるんだからね。
そっちがどっかよそ行きなさいよ!縄跳びなんかどこでもできるだろ!ほらどっか行け!む向こう行こう…。
ねっ?フンッ!うう…。
木下君みたいにそうやってすぐ暴力に訴える人が戦争を起こすのよ。
な何だよ!聞き捨てならねぇぞおい!ベーッ!行こう。
うん。
バーカ!うう…。
おっ今日も生徒が増えたようだな。
難しい話も出てくるだろうから分からない事があったら遠慮なく聞いてほしい。
今日はまずこの地図を見て当時の情勢を考えてみよう。

(ラジオ体操)なあ今日プール行かねぇ?登校日だぞ今日。
(本田先生)皆さん元気に過ごしてましたか?宿題もちゃんと進めてる?作文はどうですか?「戦争」という重いテーマだから苦労してるかもしれないけどどう書いたらいいか分からない人いますか?はい。
はい木下君。
8月15日って終戦の日だよね。
終戦の日って喜べばいいんですか?悲しめばいいんですか?あっ…うっ…どういう事かな?戦争が終わった事はうれしいけど負けて終わって人がいっぱい死んだのは悲しいしどっちかな〜と思って。
うっ…。
あ…あ…え〜とそもそも戦争というのはねその〜…国と国が…。
あ…いえだからね歴史の上で戦争という…。
(チャイム)
(宮島先生)あんまりそういうの考えた事ないですもんね。
考えた事ないからといって分からないじゃ済まないわよ!ヒック!教師なんだから…。
ヒック!えっとどこまで読んだっけ?順調に育ってんな…。
あれ?これ肥料だよな。
オレ肥料なんかまいたっけ?
(かぐ音)そうか!花を育てるのが苦手なオレを園芸の神様が助けてくれたのかもしれない。
ありがとう神様!フゥ…。
ともお御飯よ!昼飯何?そうめんよ〜。
またかよ!
(テレビ)「黙とう」。
う…うう…。
母さんともお目閉じなよ。
(鉄雄)そうだぞ。
(2人)閉じてるよ。
(今野)うっ…よいしょ!
(間)終戦から70年だね。
(今野)ええ。
当時父が満州にいてね命からがら日本に帰ってこれたから今の自分があるわけだが…。
お父さん苦労したんですね。
(間)「戦争を知らないやつが戦争を語るな」ってのが父の口癖でね。
あの悲惨さを味わった事のない人間が戦争を語ったらいけないよ。
戦争は絶対起こしてはいけない。
とにかく戦争は反対だ。
うん?間さんだって戦争知らないじゃないですか。
うん?うん…。
(一同)ハァハァハァハァ…。
(鉄雄)おいちょっと急ごう!電車間に合うかな…。
母さんがモタモタしてるからだ!女はあんたみたいに顔も洗わず飛び出していくわけにはいかないの!
(一同)ハァハァハァハァ…。
(今野)誰だって戦争は嫌に決まってますよ。
でも戦争を強く否定するあまり戦争を語ったり学んだりするのを避ける事もあるんじゃないかって。
そりゃあ学び続ける事は大事だ。
うん…。
(セミの鳴き声)ばあちゃんオレ元気だよ。
(ばあちゃん)はいはい。
いつも天国から見てますよ。
(じいちゃん)ハハハハ…。
(一同)いただきます。
そういや戦争が終わってこっちに引っ越してくる前当時は広島の農家だったから食べるものに困る事はなかったんだけどさ…。
それでも毎日おなかをすかせてましたね。
市内の方から野菜と交換しに着物とか持ってきた人もいたな。
ああそういう話こないだ泉さんのおばあさんに聞いた。
じいちゃん戦争終わった時何年生だったの?1年生じゃよ。
終戦間際何してたっけな…。
夏休みの間も空襲の時の訓練してた覚えはあるんだよな。
目と耳を手で覆ってすばやく地面に伏せる!…というより倒れ込む感じでな。
わしは下手でなぁ…。
伏せる時よく擦りむいたりしたもんじゃ。
あたしゃ上手でしたよ。
何で耳とか塞ぐの?爆風で鼓膜が破れるからじゃよ。
へぇ〜。
(じいちゃん)ともおより年上の子はみんな畑仕事してたなぁ…。
あたしも山で芋を植えてましたっけね。
(じいちゃん)そんなふうに夏を過ごしてさ8月6日の朝にな晴れた日だったんじゃが一瞬光が見えてな市内の方に新型爆弾が落ちたって聞いたのはしばらく後だったんだけど…。
結構前に亡くなったおじさんいるだろう。
君子ちゃん覚えてるかな?ほら遊びに来ていつもサイダーを出す…。
ああサイダーのおじいさん。
あの人はその次の日だったかな。
親戚を助けにリヤカーを引いて砂利道を60キロ走って市内に向かってな。
何とかその親戚を見つけてリアカーに乗せて戻ってきて…。
ここからこっちがオレたち。
あっちがお前らな。
入ってくんじゃねぇぞ!
(吉本由伸)来るんじゃねぇぞ!あんたらのが広いじゃない!この〜!ふん!どけ!おい!
(吉本)すげぇ曲がってんじゃねぇかよ。
(景子)まっすぐよ!
(2人)私たちも遊ばせて!僕たちも遊ばせて!駄目だ!1年どもはどっか行け!シッシッ!乱暴者!公平に分けるべきよ。
グラウンドの幅の歩数を数えて3等分するってどう?
(カラスの鳴き声)115116117118119120!120歩か…。
3等分すると…大体10歩よ!40歩よ…。
よし!じゃあまずオレたちの分からな。
い〜ち…。
でかいわよ歩幅。
ひきょう者!離せ!
(2人)頑張れ!お〜いともお!行こうよ。
どこに?ともおの知り合いのおじいさんのとこ。
今日だろ。
あ…。
あ〜っ!弾薬も食料も尽き仲間は飢えと病気で次々と倒れていった。
そして終戦を迎えて…。
わしは生きて帰ってこれただけ運が良かった。
(みつお)悲惨な戦争だったんですね。
平和って大事なんだな。
うん。
なんか負けた話ばっかりでつまんないな。
うう…。
勝った時の話とかないんですか?
(みつお)おいともお!正直ぴんと来ないんだよな。
戦争は悲惨だ悲惨だって言うけど負けたから悲惨なの?もし勝ってたら8月15日は勝ったのを祝う日になってたの?うう…。
勝っても負けても戦争は戦争だ!じゃあ君はいい戦争があるとでもいうのか?戦場では人を殺すんだぞ!いやオ…オレは…。
あの戦争も知らないガキが生意気言うな!し…知らないんだからしょうがないだろう!タイムマシンでも発明してこいっていうのかよ!…でそのあとまた首相が代わってさ。
国内もまとまらないのにほんとバカな戦争をしたもんだよな。
中国で収拾つかなくなった時に欧米とまで開戦するなんてよう。
どんだけ犬死にした日本人がいたか。
その反省もせずに…。
さっきから聞いてりゃそういう御託を並べるやつがオレは大嫌いなんだよ!何?お前は自分の国の歴史を悪い方悪い方に考える事が正義だと思ってるだろ!いつそんな事言った!
(言い合い)まあまあ。
(玉川正一)まあそれぞれ思う事があるだろう。
戦争の話ってなんか嫌いです。
うん?いい事なんて何もないのが戦争でしょう。
うん…まあそれはそうだけどな。
ほら君の番。
うん…。
ううううううう…。
駄目だ!つくれそうもねぇよタイムマシン!
(セミの鳴き声)
(2人)うん?あっ!うっ…。
お前隣町のやつだな。
ここでカブトやクワガタとってるだろう。
オ…オレはまだ1匹もとってねぇよ!大体ここは枝島町だギリギリ!いいや枝島西町だギリギリ。
来い!証明してやる。
うん?あの穴って何だ?昔の防空ごうだよ。
「ボークーゴー」?空襲の時にあそこに逃げたんだ。
あ〜…。
この辺りも空襲あったらしいからな。
へぇ…。
ほら見てみろ。
これが町の境界線だ。
あ〜?なっ?ここはこっちの町。
くそ〜!何でいきなりここで線が飛び出してるんだ!もう来んじゃねぇぞ。
いいな。
く…く〜っ…。
境界線か…。
似たような事でこないだもめたな。

(ラジオ体操)吉本は?田舎行くってよ。
よしのぶ作文もう書いた?うん。
何て書いた?
(由伸)みつおが書いたのをちょっと変えて最後は「あの過ちを繰り返さないと亡くなっていった人たちに約束したいです」でしめ。
ふ〜ん…。
ちょろいだろ。
ともおも早く書いちゃえよ。
でも死んでいった人たちはほんとにそんな事聞きたいんだと思うか?そりゃ戦争しない方がいいに決まってるだろう。
まあそりゃそうだけど昔の日本人にそう言うのってなんかケンカ売ってる感じしねぇ?う〜んそうか?う…。
よっ。
じゃあな〜。
おう。
(セミの鳴き声)う〜ん…。
うん…。
フフ。
マンガやアニメを出しちゃ駄目よ。
う〜ん…。
(破れる音)ううっ!あ〜っ!じゃあ行ってくるからね。
出かける時は鍵かけるのよ。
どこ行くの?高校。
いつもの歴史の授業よ。
ふ〜ん…。
オレも少しは戦争の事勉強するか。
ええと…「卑弥呼が邪馬台国を…」。
あれ?
(セミの鳴き声)
(歴史の教師)ええ…ああ…ええ…。
この時青年将校たちは…。
ああ…。
いや失礼。
そして…。
ええ…。
電器店の息子どうしたのよ?田舎に行ってるんだって。
(風鈴の音)うん?
(風鈴の音)うん?
(風鈴の音)
(歴史の教師)15分休憩!へいお待ち!わぁ…!戦前の冷蔵庫ってどんなだったかみんな知ってるか?ああ昔わしの家にもあったな。
もちろん電気を使う冷蔵庫じゃなくてただの箱みたいなもんでさ。
上の方に氷を入れて冷やすんだ。
氷はどこから持ってくるの?買うんだよ。
昔は町のあちこちに製氷屋さんがあってね。
うん?
(節子)木下君…。
うん?よう。
何見てるの?世界地図。
ふ〜ん…。
日本って島国だから国境に線が引いてあるとかあんまり意識した事ねぇよな…。
他の国は大抵こう…線が引いてあるもんね。
どうやって決めたんだろう?この線。
こんな感じで引いてるのかもな。
アメリカとカナダの国境とかさあとアフリカのこの辺の国境ってすごいまっすぐだな。
きっとこの辺に住んでるやつらはライン引き超うまいんだぜ。
フフフ…。
バカねぇ。
はい。
いいの?ありがとう。
オレ戦争って国境があるから起こるのかと思ってよ。
う〜ん。
むしろ国境があるから無駄な争いが抑えられてるのかもよ。
団地の部屋が巨大な一部屋になってみんなで暮らすとしたらそれはそれで楽しそうだけどケンカが増えるだろうな。
屁する度に白い目で見られてさ…。
フフ…。
帰ろうっと。
こないだはごめんね。
何が?「木下君みたいな人が戦争を起こすんだ」なんて言って。
そんな事言ってたっけ?じゃあね。

(花火の音)そろそろ目玉よ目玉!連発花火!
(歓声)父さんほんとにあした帰っちゃうの?ああ。
そうか…。
またすぐ来るよ。
作文の宿題はもう書いたか?まだ…。
終わったらどんな事を書いたか父さんに教えてくれよな。
うん!
(セミの鳴き声)
(歴史の教師)長い話だったがみんなはどう感じたかな。
日本が世界を肌で感じ近代化の道を歩み始めてから昭和20年8月15日終戦までの話だ。
この授業の中ではみんなから多くの質問を受けたが…正直なところきちんと答えられたか自信がない。
みんなもここからは自分自身で考えてほしい。
どんなふうに考えてもいい。
いろいろな考えを持ち話し合えるのは豊かさの証拠だ。
どんな考えを持つ国民も温かく包み込む。
それが日本という国だと信じたい。
以上今日までありがとう!
(歴史の教師)そんなにしんみりするんじゃない。
(拍手)ハッ!拍手しろって言ったわけじゃない。
拍手はいい!もういい!いいからいいから。
(セミの鳴き声)ありがとう。
ああ。
(ドアが閉じる音)うん?
(哲子)ともお〜!ともお今日の夕飯何がいいか何かリクエストあんの?何だいないのかい。
あらま。
もう!出しっぱなしにして…。
うん?ほぉ〜…。
(セミの鳴き声)こないだはすみませんでした!いや…わしも君に謝りたかった。
えっ?君たちが分からないのも当然だよ。
わしら戦争が悲惨だ悲惨だって話をするだけで…。
ハァ…。
こんな事言ったらおじいさんにまた怒られるかもしれないけど…。
見ず知らずの…しかもちょっと成績の悪いオレみたいな子孫のために…いいとか悪いとかじゃなくて昔の日本人が必死だったって思うと…。
どう言ったらいいか分からないけど…。
うんうん…。
オレタイムマシンを発明するのは無理そうだけど2学期はもうちょっと成績上げて先祖たちに命懸けのかいがあったとちょっとは思われたいと思ってる…。
フフフアハハハハ…!えっ?アハハハハ…!えっ?ああすまんな。
どれ麦茶でも飲んでいきなさい。
いいえ帰ります。
おじゃましました。
水ようかんあるけど…。
いただきます!
(繁蔵)今まであまり話した事なかったけどわしがシンガポールで戦った頃の話じゃ。
日本は…。

(エンディングテーマ)2015/08/18(火) 13:05〜13:51
NHK総合1・神戸
アニメ 団地ともお スペシャル「夏休みの宿題は終わったのかよ?ともお」[字][再]

人気アニメ「団地ともお」の夏休みスペシャル番組!マイペースに夏休みを過ごすともおたち小学生やユニークな団地の人々が、それぞれ「戦後70年」と向かいあってゆく。

詳細情報
番組内容
「団地ともお」は、枝島団地に住む小学4年生の主人公・木下ともおと、家族や友人、地域の人々がおりなすユーモラスな日常を描き、幅広い世代の人気を集めている人気アニメだ。そんなともおたちにやってきた今年の夏。宿題をあとまわしにし、ヒマワリの世話も放り出して、クワガタ採りに熱中する「いつもの夏休み」。しかし、にぎやかに夏を過ごす団地の人々が、それぞれふとしたきっかけで「戦後70年」と向かいあってゆく。
出演者
【声】三瓶由布子,坂本千夏,牧野由依,田村睦心,武田華,生天目仁美,藤村歩,一杉佳澄,アサコ,植竹香菜,矢野亜沙美,利根健太朗,緒方賢一,横尾まり,樋浦勉,長克己,小村哲生,箭内仁,能登麻美子ほか
原作・脚本
【原作】小田扉,【脚本】山田隆司
監督・演出
【監督】渡辺歩
音楽
【音楽】長谷川智樹

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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