よっしゃ〜!大好きな趣味の卓球が…。
よしスマッシュ!あれ?おい耕ちゃん。
悪い。
ちょっと休むわ。
なぜか最近…親の酒屋を継いで20年。
このところ…よいしょ!うわっ!うわ〜あぶね〜…。
初めて…もう何やってんのよあんた!おっちょこちょいなんだから!駄目にした分は小遣いから引くからね。
え〜かあさん勘弁してくれよ。
駄目です!栄子さん甘やかさなくていいからね。
はいおかあさん。
おふくろ〜。
でもおかしいな。
持ち上がったと思ったのに…。
さあVTR見ましたけれども肩。
肩でしょう。
プロの野球選手はよく肩をいわしますがあれアマチュアの卓球ですよね。
でもかなりこういう運動しますよ。
ビールケース落としましたね。
で奥さんからお小遣いは天引き。
さあゲストのお二人これだけで病名を…。
奥さん恐怖症?見えますけどねそういうふうに。
びびっちゃって持てないみたいな。
鶴太郎師匠は年齢近いですから。
58歳同い年なんですよ。
ほらきた!私は奥さんの言葉は見逃しませんでした。
奥さん言いましたでしょう。
「おっちょこちょいなんだから」。
要するに病名は「おっちょこちょい」。
患者の声に耳を傾け体に問いかける。
総合診療医の武器は問診と診察だ。
症状は?仕事は?生い立ちは?病気を探るヒントはどこに潜んでいるのか。
意外な手がかりを一つ一つつなぎ合わせ病気を探り当てる。
私たちは彼を「ドクターG」と呼ぶ。
ドクターGにご登場頂きましょう。
(拍手)人口9万4,000。
北海道室蘭市。
草場先生の診療所には赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年代の人々がやって来る。
診療所に来る事ができない患者には5人の医師が交代で訪問診療をしている。
難病や寝たきりの患者およそ130人を24時間体制で支える。
どんな患者も優しく包む家庭医草場先生の登場だ。
(拍手)よろしくお願いします。
家庭に入っていくわけですからとんがっている人とかそういう所入っていくと患者さんも構えちゃうという部分あると思うんですが。
そうですね。
やっぱり家に入ってしっかりお話をするところから。
そこで大体どんな方かなというのだんだん見えてくるんですよね。
人間としてのおつきあいがもっと深くなってくるというそういう診療でもありますね。
子供の頃は本当に町のお医者さんおられたんですよ。
やっぱり往診に来てくれて…。
うちの隣のおやじはうるさかったです。
(玉ちゃん)師匠ですよね。
病気は何なのか病気の正体を探り当てるために今回全国から集まって頂いた研修医がこちらの3人です。
ご紹介しましょう。
(拍手)
(拍手)
(拍手)どういうお医者さんを目指してるというところから聞きましょうか。
外科であっても内科の先生と協力して一人の患者さんにとって一番いいゴールを見つけていけるような医師になりたいと思っております。
なるほどね。
酒井先生はどうですか?子供を相手にしながらもおかあさんおばあちゃん家族を相手にできるお医者さんになりたいなと思っています。
先ほどの患者さんの症例みて何かピンときました?まだ?
(玉ちゃん)女の勘というやつですよね。
安藤先生どうですか?僕は全くピンときてないですが…。
(玉ちゃん)いいんですよ。
内科系の医者を目指しているので将来は草場先生みたいな医者になりたいなと思います。
さあドクターGの症例に研修医の皆さんが挑みます。
テレビの前の皆さんも一緒に考えてみて下さい。
ドクタージェネラル!こんにちは先生。
三浦さんお久しぶりです。
お母さんのリウマチの具合はいかがですか?おかげさまで最近は調子がいいみたいです。
それはよかったです。
ところで今日は…?先生今日は俺を診て頂きたいんです。
どうされました?何か変なんですよね。
肩が痛くって…。
ありがとうございました。
(三浦耕造)
そんな事ないですよ。
相変わらずです。
でもまあもうかりゃしませんけど何とか細々とやってます
はいお待たせいたしました。
ありがとうございました。
実は卓球なんですけどね。
えいっえいっ。
こんにちは。
いらっしゃいませ。
この間卓球の大会があったんです。
それで練習しすぎてちょっと肩を痛めたのかもしれません
どうした?耕ちゃん。
肩が…痛いせいかな。
年なんだからしょうがないさ。
…って慰められたんですけど…。
それにこの間までビール2ケース平気で持ち上げていたのに1ケースでも肩が痛むんです。
でちょっと無理したら…
よいしょ!あれっ。
うお〜っ…。
はい。
右腕を伸ばして横から上にあげて下さい。
イテッ!痛いですか?痛いです。
それでは左も同じようにやって頂けますか?痛いですか?ちょっと痛いです。
そうですか。
では肩を押してみますよ。
ああそこ痛いです!ああ…。
ちょっと向きを変えて下さい。
こちらはどうですか?さっきほどじゃないですけどこっちもちょっと痛いです。
痛み止めを打って湿布薬を出すのでそれで少し様子を見てみましょう。
それからしばらく重い物は持たないようにして下さい。
先生それじゃあ配達困るんですよ。
息子さんにお手伝いを頼めませんか?無理無理。
あいつなんか当てにできませんよ。
この間も…。
いっその事売れない酒屋なんかさっさと閉めてコンビニにしちゃえば?バカ野郎!まだまだ俺は現役だ。
お前なんかに偉そうに言われる筋合いはない!何だよ!俺は家のためを思って言ってるんだよ!二人ともやめて!あんたまた血圧上がるわよ!
…ってな具合ですからね
そうですか…。
でもとにかく肩をしばらく休めて下さい。
肩のリハビリを教えますのでやってみて下さい。
はい。
痛みが治まらないようならまた診せて下さいね。
はい。
(三浦)熱かんもう一本。
でもなあ…。
あっアチイ!ところでさっき何やってたんだ?レジの前でアイロンブラブラさせてたの。
アイロン体操っていうんだって。
先生に教えてもらったリハビリ。
アイロンの重みで肩の関節の動きが滑らかになるらしいんだ。
まあ俺たちもいい年だからそろそろ体いたわれって事かな。
そうだな。
俺たちはこれからどんどん気力も体力もなくなっていくわけだしここらで店畳んだ方が利口なのかもな…。
何言ってるんだよ耕ちゃん。
諦めたらそこで試合終了だぜ。
そうだな。
ハハハ…。
園子さんお大事に。
先生ありがとうございました。
ありがとうございました。
今日は耕造さんは?ちょっと利き酒のイベントに出かけてます。
先生今ねうちの人店オリジナルのブランドを出そうって張り切ってるんですよ。
ただいま。
おかえり。
先生いらっしゃい。
ああそうか。
今日はおふくろの訪問診療の日か。
こんにちは。
おかげさまで少し楽になりました。
あっすみません。
おっ…。
よいしょ。
耕造さんなるべく早く診察に来て下さい。
はい?気になる事がありますので。
ドクターは何か気が付いたような。
家庭医だから家に伺う事によって気付いたんですかね。
さあ基礎データですが…。
こうなっております。
それでは研修医の皆さん疑われる病名をフリップにお書き下さい。
アイロン体操勧めてるわけですから。
五十肩?五十肩とか分かります?私はなりましたね。
どうなるんですか?私本当に手がもう上にもどこにも上がんなくて…。
本当に髪の毛一つゆわけなくなっちゃったんです。
そうらしいですね。
だから僕は実を言うと30代ぐらいからもう毎日このグーッと上げる体操をず〜っと毎日やってるんです。
先生肩回したりとかふだんからやっておくと…。
やっぱり予防になるというのはありますね肩の痛み。
ストレッチが大事ですね。
研修医の皆さん書き終わったようです。
それではフリップを一斉にお出し下さい。
フリップオープン。
さあじゃあ高野先生からお願いします。
(玉ちゃん)酒井先生。
(玉ちゃん)安藤先生。
さあ出ましたね。
ここからはドクターGと研修医との真剣勝負カンファレンススタート。
はい。
お二方同じ病名でしたね。
なぜ今回この病名をあげたのかちょっと説明してもらえますか?この病気は自己免疫疾患と言ってものに対して抗体ができてしまってその結果全身に症状が出る病気。
自分の免疫系が正常な細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫疾患です。
60歳以上に多く発症します。
肩が痛いという事なんですけど2か月のリハビリでも改善がないという事は卓球をしていて肩を痛めたそれでその痛みがあったというのではないんじゃないかと考えてこの病気ではないかなと。
同じように高齢者の男性で肩が上がらないという主訴で両方の右も左もあるという全身性の疾患という事で今回リウマチ性多発筋痛症をあげさせてもらいました。
筋肉の痛みが全身に出てくるというのが特徴の病気ですね。
そうですね。
ちょっと怖い病気だと思います。
高野さん。
先ほどVTRであったような物をつかむ時に落としてしまったりとかそういったところが単純な関節痛とかでは説明がつきにくいのかなと思っていわゆる全身性の病気じゃないかと考えました。
2つ出たんですけどもこの病気に当てはまらない所は逆にどうでしょうか?多発性骨髄腫の最初に出てくる症状ってどういう症状が多いでしょうか?大体腰痛であったりとかあとは体重減少であったりとか。
「骨痛」といって骨の痛みが出てくるんですよ。
痛そうですね。
患者さんを見てると本当につらそうで…。
腰とか一番出やすい所に症状が出てないのがあまり典型的じゃないかなとは…。
酒井さんと安藤さんはどうですか?それぞれその病名とは合わないかななんて所あります?例えば太ももの筋力の低下とかそういうのはないですしあと手で取ろうとして落としてしまったりとかそういった症状がどうやって説明していいのかが今の時点だと分からないです。
微熱が出たりとか他の症状とかも出ていいんじゃないかなという。
平温ぐらいですね熱は。
熱は出てないですね。
ちょっと矛盾してるかもしれないですねそこはね。
これは今の段階では完全に駄目とは言えないかもしれません。
ただ今はあくまでも肩だけですから…そこからちょっと少しこう病気をもう一回考えていく必要があるかなと思うんですけどもね。
ああそこ痛いです。
ああ…。
押して「イタッ!」と言ってましたがあれどこを触ってたんですか?ここ全体の構造を何というふうに言いましたっけ?「腱板」とは…関節を支え肩と腕をつないでいます。
腱板がこの肩の関節を守って野球選手があんなに激しい肩の動きをしても肩が抜けないと。
そういう構造になっているという形で。
腱板の病気はどんな病気があるか分かりますか?四十肩いいですね。
(玉ちゃん)五十肩だってありますよ。
先生「四十肩」というのは本当に病名なんですか?そうですね。
四十肩五十肩の事が肩関節周囲炎なんですね医学的に言うと。
肩関節が固まってしまうといいます。
英語では「フローズンショルダー」と言うんです。
でこれがですね基本的にそんな簡単に良くなりません。
1年2年単位の治療になります。
四十肩五十肩の場合は。
長い治療になってきますね。
(玉ちゃん)長いですね。
これ以外に腱板そのものの炎症という事で…。
「腱板炎」というものがあがりますね。
痛いので肩が動かせないのが腱板炎です。
つまり…固くなってしまっていて上がらない。
それが大きな違いなんですね。
そこでドクターGは腱板炎を疑いアイロン体操を勧めたのだ。
これは一体どういう腱板炎で効果があります?酒井先生どうですか?そうですね…。
そのとおりです。
腱板のその狭い隙間が広がってつまり炎症が起きてる場所が骨と骨がぶつかってる所が伸びてストレッチをして広がりやすくなると。
そういうのがアイロン体操の目標という形になっています。
少し楽になりました。
という事は…。
肩だけを見たら腱板炎が少し考えやすいという事になりました。
ドクターGはなぜ三浦さんに診察に来るようにと言ったのか?2か月たっても全然振り方が大きくなってないところを見抜いたのか。
アイロン体操で腱板炎は改善しているが2か月もやればアイロンを…はい。
このアイロン体操の効果も含めて。
アイロン体操とかストレッチとかがあまり効いてないという事から…それもちょっと考えてくる事になりますよね。
それでは診断を絞り込むために再現ドラマの続きをご覧下さい。
ドクタージェネラル!こんにちは。
三浦さん来て下さいとお願いしてから2週間もたっていますが…。
すみません。
すぐに伺わなくちゃと思ってたんですけどなんかネット通販が順調で忙しくなっちゃいまして…。
ホームページにこだわりの酒を載せたいんで毎晩利き酒の勉強もしてるんです。
おかげで息子もおやじ頑張ってるなってちょっと見直してくれたんです。
しかしパソコンって疲れますね
分かりました。
すっかりというわけじゃないんですけどかなり良くなってきてまして。
ただね。
肩の痛みが和らいだんでこの間久しぶりに卓球やりに行ったんです
よしっいくよ。
でも全然できなくて…。
俺はちゃんとやってるんですけど…
どんまい!もういっちょう!
何だか前のようにうまくラケットが扱えないんです
そうですか…。
三浦さん気になっている事を伺いたいのですが。
何でしょう?お仕事は変わりなくやれていますか?これお薦めなんだよ。
ええそうですね。
配達以外はやってるんですけど…
お待たせいたしました。
どうぞ。
いっぱい飲んでよ。
また来ます。
また来てね。
どうもありがとうございました。
ただ…何だか肩が重だるくて…。
いろんな事が前よりも何となくうまくできていない感じはするんです
そうですか…。
ビールケースを落とした時のように何かケガをしそうになった事はありますか?実は…あるんです。
この間店の壁を板張りにしようと思って板を切ってたんですが…
自慢じゃないんですけど日曜大工は得意だったんです。
でも久しぶりにのこぎりを握ったせいかどうもうまく引けなくて…。
で打ちつけようとしたら…
ああ〜っ…。
あんた大丈夫?ところでちょっと…腕が細くなったかもしれませんね。
重い物持ってないし。
ちょっと減ったかもしれません…。
あります。
御飯もうまいし酒もうまいです
この酒は濃厚な味わいだからこのつまみと相性がいいぞ。
(むせる音)もう慌てないの!そういえば昨日一升瓶を持ってくる時に…。
何だか膝がカックンとして転んじゃったんです
そうですか…。
で先生そろそろ配達を再開したいんですけどどうでしょうか?三浦さん配達は駄目です。
それに詳しい検査を受ける必要があります。
ええっ?さあかなり症状が悪くなっていってますよね。
肩はそんな痛くないって言ってるんですけど日常生活におけるちょっとした…。
気持ちは元気なんですよ。
元気なんですけどね。
何でしょうね?どうなんでしょうか?さあ新たなヒントが出そろいました。
それでは研修医の皆さん考えられる病名をお書き下さい。
でもうちの母が脳腫瘍だったんですけどうちの母も膝の力がカクッと抜けて転んだりとか…。
酒がつげないというのは職業的にそんなはずないですからね。
こぼれたりするのはね。
そして卓球のラケットと球の…距離感というかギャップがありました。
飛ばしてしまってましたよね。
さあ研修医の皆さんが書き終えたようです。
それでは最終鑑別です。
フリップオープン。
はいどうぞ。
さあじゃあまず高野先生お願いします。
(玉ちゃん)ぶれてない。
酒井先生。
(玉ちゃん)これ知らない。
さあ安藤先生。
さあ再びドクターGと研修医との真剣勝負。
それでは最終カンファレンススタートです!え〜3つ…また違う病気があがった方もいれば同じままの方もいてという事で病名出てきましたけどもなぜその病名をあげたのか高野先生から。
前よりいろんな事がうまくできなくなったりとかあと転んでしまったりとかそういった症状が出てきたと思うのでこういった症状は一つは悪性腫瘍が脳に転移した影響じゃないかなと考えました。
手の力が少し入りにくかったりとか肩が重だるい感じというのも神経を圧迫しているような症状と考えました。
高野先生があげた病名は第一鑑別と同じ…腫瘍が骨から脳へ転移した事で神経を圧迫し新たな症状が出たと考えた。
なるほどですね。
「悪性腫瘍」という事では安藤さんの「悪性腫瘍」ってかなり広い表現ですけど具体的に悪性腫瘍というのは…?今回食欲がありながら痩せていくという事ですとか結構多彩な症状が出てきているんですがそれぞれ転倒とかそういうのは小脳症状で説明できるのかなと思いまして。
悪性腫瘍はいわゆるがん。
安藤先生は小脳にできたがんが運動を調節する機能に影響し転倒などの症状が起きたと考えた。
腫瘍と書いてますがもう一つ。
これちょっと説明をしながら…。
…という症状が出る病気。
悪性腫瘍に伴って神経の方に影響を及ぼす病気じゃないかという事ですね。
それが今回あるんじゃないかと。
つぐ時大体手が震えてちゃんとつげてなかったですもんね。
キーボードの指とつぐ時のね。
ちょっとおかしな感じでした。
(片岡)おちょこにつげなかったですからね。
研修医たちは3人とも悪性腫瘍が三浦さんの症状の根本原因にあると考えた。
悪性腫瘍では腫瘍のある側にうずくような痛みが起きる事が多い。
三浦さんは左右両方の肩の腱板を押されて痛がっていた。
この痛みは3人があげた病名と合うのだろうか。
肩を押して両方とも肩が痛かったらこれは考えられますか?右肩だけでなく左の肩にも圧痛があったという…肩の痛みが。
なるほど。
圧痛があったのが説明できないと。
ちょっと難しいかなと…。
高野さんどうですか?がんとかそういったものの症状には少し当てはまらない部分があるはあるんですけれども。
だから今回は診察したらすぐ悪性腫瘍という事では可能性低いと僕らは考えますね。
研修医3人があげた病気は左右両方に痛みが出た事や症状の経過を考えると可能性は低くなった。
そこでカンファレンスでは改めて三浦さんの訴えている症状に立ち返って考えていく事にした。
三浦さんの症状が2か月間たって今は一体何が一番この人の問題になってるのか?普通にできてた事がその普通が普通でなくなってきてますよね全体的に。
全体的にだんだんおかしくなって…。
棚の所も上が…上にだって絶対飾れるはずじゃないですか。
それが展示されてなかったんですよ。
上の物が取れない。
そこを見抜いたのかなとか思ったんだけどな…。
何ができなくなってるのかというのを少し詳しく見なきゃいけない部分があるんですね。
ですから今回せっかくですので3月と5月という変化があったところをもう一回ちょっとVTRで確認してみたいと思うんですが。
(玉ちゃん)今年3月。
上から取ってこっち…。
(片岡)掲げてますもんね。
下だわ。
上がんないわ。
(玉ちゃん)これが今年3月。
このころ入ってるもん一番上。
ほら低くなってる。
上拭いてねえもん。
これ全然違う。
腕が上がらない。
そうですね。
腕が上がらない。
棚をまず…棚の上のお酒は全くなくなっていた。
ガラスも見て頂いたとおりですよね。
つまり痛いから上がらないのかなという事も考えられたんですが今はもう痛くなくなってきてるという中でこれは症状としては何というふうに言えますか?そうですね。
どうも肩の痛みが取れてきて今度は筋力低下になってきていると。
こういうふうにだんだん変わってきたと。
考えなきゃいけないんですけどもどうですか?腱板炎は何だったか?腱板炎はなぜ起きたのか?そのとおりです。
つまり筋力が落ちて無理をする状態…。
日曜大工の仕事をした時の感じはどうですか?引く力がないのかなというのと足の固定がしっかりしてない。
歩いたりする時に転んでしまったというので…全体が落ちてるにもかかわらずあそこを部位的にすごくやってたから…?そのとおりです。
全くそのとおりです。
考え方としては…なるほどね〜。
ただ腱板炎だけでは済まされないというふうに考えなきゃいけないという事になってきます。
やっぱりなんかこう…非常に深刻な雰囲気が漂ってますね。
ドクターGは店内の様子やアイロン体操から三浦さんには筋力低下の症状がある事を見抜いた。
ではその原因は一体何か?何が問題で筋肉が動かなくなっているんですか?あんまり明らかなものはなかった。
「腕が細くなった」という話が…。
これは何が問題で…?そうです。
筋の萎縮です。
筋肉そのものの量が減っているわけですね。
これを「筋萎縮」と言います。
どういう原因で筋萎縮は起きるんですか?神経には…「運動神経」は脳から筋肉へと信号を伝えています。
脳から神経の電気が筋肉まで流れると筋肉がギュッと収縮して足が上がる。
人間の体は全部そういう仕組みになってるという。
すげ〜!運動神経は二段階に分かれていて脳から脊髄の部分を「上位運動ニューロン」。
脊髄から筋肉の部分を「下位運動ニューロン」と呼びます。
上位運動ニューロンは下位運動ニューロンをコントロールし下位運動ニューロンは実際に筋肉を動かしています。
下位運動ニューロンが傷つくと筋肉が動かせなくなるので「筋萎縮」が起きるのです。
運動ニューロンが原因で出てきた症状はありました?嚥下障害というのは?飲み込みにくかったりとかあとはむせてしまったり。
嚥下も筋肉を使ってものを飲み込んだりするので筋が萎縮したり…。
飲み込みが悪くなるというのはどう考えたらいいんでしょうか?嚥下機能自体の問題だったら下位…。
嚥下障害をはじめ三浦さんに起きたさまざまな症状。
これらは下位運動ニューロンの障害で説明できる。
下位運動ニューロンの障害どんな病気が考えられますか?説明して下さい。
神経のまわりを取り囲んでいるものに炎症が起きて主に下肢とか足の方から脱力が出るような疾患です。
それでは今回の症状の中で筋力低下以外にあった症状って何がありました?うまくできなくなった。
具体的に何がうまくできなくなってました?そこがポイントですけど。
思ったように筋肉が動いてくれない。
例えばパソコンを打つのもこの指の筋肉とこの指の筋肉が順番にこう動いてくれないと打てないわけですよね。
繊細な運動の事を言うんですけどものを書いたりとか指先の細かい運動…。
狙いを定めていくという目的ができなくなっちゃう。
卓球もそうですものね。
そうです。
卓球もです。
つまりこれはどう考えたらいいんでしょうか?一番考えられる。
キーボードを打つぎくしゃくとした動作。
お酒を注ぐ時のぎこちない動き。
これらは皆巧緻運動がうまくいかないため。
つまり下位運動ニューロンに加え上位運動ニューロンにも障害が起きている可能性が出てきた。
どうでしょうか?今回この方これもこれも当てはまってくるようですがどう考えたらいいんでしょうか?どういう病気ですか?次第に筋肉がどんどん落ちていってしまう病気ですが上位運動ニューロンにも下位運動ニューロンにも障害を与える病気だと思います。
「筋萎縮性側索硬化症」は「ALS」とも呼ばれ全身の筋肉が衰えていく進行性の難病です。
どうですか?上位運動ニューロンと下位運動ニューロンを考えていくうえでそろそろ…話ばかりずっとしてきましたが検査診察というところではどういう事ができますか?健康な人は適正な範囲で跳ね上がりますが上位運動ニューロンに問題があると大きく跳ね上がります。
これは上位運動ニューロンが下位運動ニューロンをコントロールできなくなるからです。
では今の三浦さんの腱反射の結果を見てましょう。
(玉ちゃん)見ましょう!楽にして下さい。
ええ。
(片岡)これだ!これは顕著に…。
今の検査結果陽性という事はどういう事が言えるでしょうか?上位運動ニューロンも下位運動ニューロンも障害される病気というのが一番考え…全部を説明しやすいんじゃないか。
という事で考えられる病名を一緒に声を合わせて言って頂きたいと思うんですが。
せ〜の。
(3人)「筋萎縮性側索硬化症」。
(拍手)正解です。
気管切開をして人工呼吸器を使えば生命の危機はなくなります。
しかし自分の声で話す事はできなくなります。
人工呼吸器をつけるかどうか患者は大きな選択を迫られます。
こういうALSという病気を診断したら「診断つけました」で終わりじゃないんですよね。
むしろここからが何ができるかという話が始まる事になります。
もし自分の患者さんだったらどういうふうにこの患者さんとご家族に説明をするかと。
医者ができる事としたら正確な知識であったり必要な支援の…難病申請ができる事とかを伝えて患者さんが生きやすくする手段をとってあげるのが大事なのかなと思います。
必要があれば同じような事に苦しんでいる人とかそういったグループとかもあると思うのでそういったものを紹介してあげたりとか…。
なるほどね。
一つだけでも患者さんの役に立てる事を見つけていくという事ですね。
すごく大事ですよね。
一度最初は例えば人工呼吸器をご自身はつけないという選択をしたとしてその後もう少ししばらく生きていたいと思う事もあるかと思うので…。
…という事をしっかり伝えてあげる事が大事かなと思います。
そうですよね。
つまり人工呼吸器を使うか使わないか。
こういう事を考える時に僕はいつも考えているのは3つの観点から考えるんですがまず一つはつまりALSという病気そのものですね。
今この方に何ができるのかを医者としてキチッと考える。
これは絶対必要ですよね。
あとそれ以外に考えなきゃいけない事ってありますか?今後経済的な面でもかなり負担がかかっていくと思うので…。
背景ですね。
患者さんの背景を考えたケアも非常に大事です。
ですからその中には今の経済面というのもお金の面もありますけどもそれ以外には…?自宅でみていくのかという判断もありますよね。
そのうえでご家族がどうこの問題を捉えるかがありますよね。
あともう1個。
そうです。
そのとおりです。
ご本人です。
ご本人の意思を考えないと。
「家族がこうするからこれにしましょう」というわけにはいかないですよね。
本人の思い。
こういう病気を持った時に…そういった事をちゃんと本人から聞いていかなきゃいけないという事。
これが非常に最後大事になってくるんですね。
この3点を押さえながら患者さんに寄り添っていく。
つまりこの病気自体は先ほど説明したように治らない。
でも治らない病気だったら「もう知らない」と言うのか治らないけどもできる事はないのか。
それはひょっとすると患者さんに寄り添うという事が非常に大事になってくるかもしれません。
人間っていつかやっぱり亡くなるわけで死する命を生きてるわけで。
それが今日になるのか1年後になるのか10年後になるのかこれはもう本当誰にも分からない事ですが。
でもいつかはその運命の日が来るわけで。
その時に日常から接して下さっている先生だったら本当の心の内をお話できて非常にそういった意味では安心して旅立てるんではないかなというふうな感じはしますね。
要するに先生に話を聞いて頂いて気持ちを伝えられるっていうコミュニケーションってすごい大事ですよね。
今それが結構少ないですもんね。
すごく大事なとこです。
「患者さんに寄り添う」。
草場先生には10年間訪問診療を続けている家庭がある。
こんにちは。
こんにちは。
太田圭輔さんは脳腫瘍の後遺症で視力を失い歩く事もできなくなった。
太田さんと家族は草場先生と一緒にこの病気を乗り越えてきた。
彼は一見元気そうなんですが非常に気を遣う繊細な患者さんなんですよね。
「僕先生どうなるんだろう」とか。
そういう将来の心の部分を支えるというのはこれは我々やらなきゃいけない事だなと改めて感じられましたね。
じゃあまたね。
元気で。
先生も頑張って下さい。
2015/08/18(火) 14:05〜14:55
NHK総合1・神戸
総合診療医 ドクターGセレクション「肩が痛い」[字]
病名推理エンターテインメント「総合診療医ドクターG」。酒店を営む58歳の男性。このところ肩が痛くてビールの配達ができなくなった。ドクターGが見抜いた病気は?
詳細情報
番組内容
親から引き継いだ酒店を切り盛りする58歳の男性。年のせいか、これまで軽く持ち上げていたビールケースが運べなくなった。なぜか肩が痛む。ドクターGからリハビリの指導を受け、続けてみたが…。2か月後、ドクターGは、男性のある異変に気づいた。いったい何の病気なのか?
出演者
【出演】本輪西ファミリークリニック(室蘭)医師…草場鉄周,【ゲスト】片岡鶴太郎,安藤和津,【司会】浅草キッド
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
バラエティ – クイズ
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
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