生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
未来のエネルギー社会を作ると期待されている水素を巡る技術開発が活発化しています。
水素は社会をどう変えるのか室山哲也解説委員です。
なぜ水素が注目されているんでしょうか?室山⇒地球温暖化やエネルギー問題などいろいろいわれている中で未来を切り開く未来のエネルギーだと期待されているんです。
水素というのは宇宙の中の7割ぐらい宇宙の中でいちばんポピュラーな物質で地球にもいっぱいあるんです。
それを引き出して例えば電気にして利用していけば大きな可能性が開けるのではないかということです。
最近はいろいろな技術が出てきていてすでに発売されている燃料電池車。
小さな燃料電池が中に入っていて水素を中に入れると酸素と反応して電気が生まれそのモーターで走るという世界的に注目されています。
化石燃料で動く文明が根底から変わるかもしれないというぐらいのインパクトがあるということです。
将来的には生活も変わるかもしれませんね。
今すぐ変わるわけではありませんがわれわれの子孫の時代では世の中を大きく変えるかもしれないという話です。
これから進めていくための課題はありますか?技術にはいつも課題がありそれを乗り越えなくてはいけません。
水素についていうとどう作るのか、どう運ぶのかどう使うのかというところです。
作ると運ぶのところに大きな課題があると言われてきました。
例えば作る場合石油や天然ガスのような化石燃料の中の水素を引き出して作るというのが一般的なんですがそれをやるときに水素ができるプロセスで二酸化炭素が出てしまいます。
それからこれを分解するときに電気エネルギーが必要です。
もしも火力発電所で電気を作っているとそこでも二酸化炭素が出て問題になってしまいます。
運ぶということでいいますと水素そのものを安全に大量に運ぶ方法を見つけなければいけません。
この辺が課題です。
どう解決していきますか?まず作るを見ていきます。
効率化したほうがいいだろうということで石油や天然ガスの代わりに例えば下水処理などの汚泥ですねそういった廃棄物を使って水素を作ることができるのではないかというような試みが出てきています。
この映像は、福岡市の中部水処理センターです。
周辺から集まってくる汚水を汚泥に変えてその中から水素を引き出して利用しようということです。
このガスタンクの中でメタンという天然ガスにします。
一部利用するんですがこれまでは大体捨てていることが多かったんです。
それも含めて水素を引き出します。
それを利用しましょうということです。
この施設の横には作られた水素を使う水素ステーションが据え付けられています。
ガソリンステーションと同じで水素が出てくるわけですね。
ここに燃料電池車が来て実際に注入して町を走っているわけです。
汚泥で走る燃料電池車ということです。
効率化していけば少しでもいいシステムになるのではないかという発想です。
汚泥が役に立つならいいですね。
CO2はゼロになりますか?それでも出ます。
いちばんいいのは火力発電などはではなくて風力発電や太陽光発電のような自然エネルギーでできれば二酸化炭素は発生しません。
しかも有機物ではなくて水はH2Oですから水を分解して水素ができればいちばんいいわけですね。
究極のクリーンエネルギーです。
ところがこういうような試みがすでに始まっているんです。
この映像は川崎市の公共施設です。
太陽光発電がこの公園の中にあります。
電気を使って水を分解して水素を作る装置です。
この装置に水を入れて分解することで水素にします。
仕組みを見るために同じ企業の開発センターに行きますと水が分解されて中からぶくぶくと水素が出てくるところが見えます。
それを集めて燃料電池の中に入れますと反応を起こして電気ができるんです。
この電気はすでに周りのランプや監視カメラ横にあるビルの事務室の一部に使われています。
成功したわけですね。
それから長崎の五島列島にある浮かべるタイプの洋上風力発電です。
たくさんの電気ができます。
これを島に運びます。
島には風力発電で作った電気で水を分解して水素を作る装置が稼働しています。
ここでは作った水素を圧縮してボンベの中にためましてこれを使うんです。
同じように先ほどのスタンドのように注入できるようになっています。
燃料電池車を走らせたり燃料電池船もあります。
もう1つの方法はメチルシクロヘキサンという、液体の中に大量の水素を封じ込めまして常温で運ぶことができます。
ほかの島に運んで液体の中から水素を抽出して、また発電をする。
そのときに出る熱も利用します。
地域の方にも足湯サービスのようなこともやっています。
温かいいいお湯でしたよ。
こういう実証実験がもう成功しているということです。
素朴な疑問として風力で発電した電気をそのまま使えばいいのになぜ水素を作るんですか?実験的な要素があるからです。
実は離島や過疎地など送電線を引くのにお金がかかるようなところはこうしたものに入れて運べるあるいは世界規模で運ぶときに太平洋を送電網を張り巡らせることができないからです。
運びやすいからですね。
こちらが先ほどの液体です。
大体500分の1になります。
500倍の水素を封じ込めているわけです。
常温で簡単に安全に大量に運ぶことができます。
こういうものがすでに国内で世界初ですが、プラントができていて大量に水素を注入して水素を抽出する。
そうしたデモプラントが世界的に注目されています。
今後実用化されますとどんな社会になるんでしょう。
これは地球の上で風の強い地区を示した世界風力地図です。
赤いところが強い風が吹いているところです。
こうしたところに風力発電を作って液体水素を封じ込めて世界で共有すればどこでもそういう価値を共有することができます。
日本も負けていません。
東北や北海道では風が強いんです。
面積が世界の第61位という小さな陸地ですが排他的水域で見ると第6位の海洋王国です。
海の上では安定した強い風が吹いているのでは水素を作って運ぶということもできます。
日本は地熱エネルギーが世界で第3位です。
日本も自然エネルギーの宝庫なんですね。
水素を使って分配していくようなシステムを作る水素社会を作るという可能性が開けていくと思います。
これから進めていくにあたって課題はないでしょうか。
日本は自然エネルギーの宝庫ですが水素に関わる技術の特許をたくさん持っています。
水素社会というのは日本の強みを生かしたそして技術を生かした成長戦略にもなります。
東京オリンピック・パラリンピックに向けてそうした技術を育成して世界をリードしていこうという酵素もコース上でも練習場と同じように平らな場所にティーアップして打てるクラブ…2015/08/19(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「どうつくる?水素社会」[字]
NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢
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【出演】NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢
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