美の壺・選「夏のカクテル」 2015.08.16


(テーマ音楽)あ〜暑いなぁもう。
あ〜ハワイ行きたいなぁ。
リゾートホテルに泊まりたいな。
そしてコバルトブルーの海を見ながら…。
おしゃれなカクテル…なんていかがですか?おっそれいいね。
夏海辺のリゾートでおしゃれにカクテル。
南国の海の青。
爽やかな口当たり。
憧れの体験ですね。
最近その気分を家で味わいたいとカクテル教室に通う人が増えています。
すごい!あホントだ!すごいいい香りする。
楽しみ方は自由。
「お酒と何かを混ぜれば立派なカクテル」というのが現代風。
こちらは赤じそのお砂糖とシャンパンのカクテルです。
微細な泡とほんのりとした甘さにうっとり。
家で手軽に飲めたらそれはそれでまた楽しみが増えるんじゃないかなって。
旬の物を使っておうちでできたら女子会とかも盛り上がるかな。
バーテンダーの村田紘子さんは簡単に作れて本格的な何より女性が楽しめるカクテルを作り出しています。
スイカを潰してリキュールを混ぜたスイカのカクテル。
鮮やかな赤にグラスの縁の塩。
スイカを丸ごと感じる一杯です。
見た目が結構ポイントかなと思っててかわいらしかったりですとかあとはきれいな飾りがしてあったりですとかあと女性って香りがすごく好きなので香りもすごく大事かなと思います。
お花の香りをつけてみたり。
食卓やパーティーの演出を担ってきた浜裕子さんです。
カクテルを使った自宅のおもてなしの秘策を一つ。
例えばお客さんを迎える和室でお茶の代わりに煎茶とゆず酒のカクテルはいかがでしょうか。
更にそれをそしらぬ顔でというのがミソ。
(浜)サプライズというかこれを見たらまずお茶と思いますよね。
でそこで「だけど何か涼やかだしちょっと甘いわ」っていうそういう驚きにしたいなと思いました。
あっと言わせて会話が弾むのもおもてなし。
夜のリビングでは食後のコーヒーの代わりにコーヒーのカクテルで贅沢な夏の夜が始まります。
ちょっとした発想やセンス次第でこれまでのカクテルとはひと味もふた味も違う世界へ。
今回はスタンダードから驚きの最先端までカクテルの魅惑の世界へご招待します。
今大人気のカクテル「モヒート」。
たっぷりのミントとライム。
更にシェイクすれば緑が香りたつようです。
南国キューバ生まれの「モヒート」はカクテルの新しい代表選手です。
緑果実といった自然の恵みを生かし目に鮮やかで体も喜びそうなカクテルです。
この自然の恵みはカクテルの美しさをもり立てる重要なアクセントでもあります。
ガーニッシュ。
飾りです。
カクテルの女王と言われる「マンハッタン」です。
味の奥行きを加える甘いチェリー。
オレンジ色に重ねた赤い色が印象的。
いわく「ニューヨークの燃える夕日」という説もあり眺めて味わう熱い一杯です。
日本で生まれた定番カクテルもあります。
「雪国」。
グラスの縁に雪の結晶に見立てた砂糖。
ひっそり沈むのはミントチェリー。
雪の中で春を待っています。
配色の妙で季節や時間をも表現。
一つ目の壺は…バーテンダーの倉上香里さんは独創的な飾り込みでカクテルを演出します。
私にとってカクテルはキャンバスです。
作っていくというか描いていくというかそして完成させていく一つの作品。
シェリー酒で作ったオリジナルカクテルです。
リンゴで出来た船。
なぜ船なのか。
ヒントはシェリー酒の歴史です。
シェリー酒が世に広まったと言われる15世紀以降大航海時代に引っ掛けた遊びでした。
今度はグレープフルーツの皮です。
刻みを入れることで香りが広がります。
イチゴのジャムに皮を載せた小さじで飾ります。
凝っていますね。
合わせるのは紅茶とリキュールのカクテル。
そう飲む方も魔法をお手伝いというわけです。
深紅の泉に漂う白いハス。
小さなカップの中に色形香りの物語が立ち上がりました。
個性派バーテンダーの南雲さんは更に大胆なカクテルに挑戦しています。
使うのは新鮮なトマト。
しかし…潰したトマトを変わった入れ物へ。
遠心分離機です。
トマトの果肉を高速で回転させ皮や種などを分離します。
こちら澄んでいますが味はれっきとしたトマトジュース。
見た目と味の落差を狙った斬新な演出です。
ジントニックのように透明なのに飲めば驚きのトマト味。
オリーブオイルを振りかける徹底ぶり。
あくまでも「魔法の透明トマトサラダをどうぞ」としゃれます。
南雲さんのオリジナルレシピブックです。
これまで100種類以上のカクテルを考案しました。
手書きの図にあふれるような発想が見て取れます。
僕は「デザイン」という言葉を使います。
いろんなことを描くようなものこういう彫刻を例えば作るとか写真を撮るとかこういうものと同じような感覚でカクテルというものを見た時にこれはこれでいいのかとか高さとか幅とかそういうのが全部組み合わさってくると思ってます。
では型破りな発想でデザインした究極の一杯を見せて頂きましょう。
洋梨の果汁に6種類の材料を混ぜバニラビターエッセンスで香りと模様のアクセント。
洋梨型の容器はアンティークの小物入れです。
開けてはまずスモーク。
そしてゆずとジャスミンの香り。
爽やかな洋梨カクテルでした。
1足す1が3にも4にも変化する。
カクテルの醍醐味はこの魔法にあるのです。
どうしたんですか?それ。
随分昔の話になるんですけどね東京に来る前地元でねバーテンのようなことをやってたことがあるんよ。
君も飲んでいかんね?そんな九州弁で。
じゃ1杯だけ。
いいよ。
いらっしゃいませ。
じゃあお薦めのカクテルを頂こうかしら。
お待たせしました。
あなたをイメージしたオリジナルカクテルです。
うわ〜おいしそう!なんか飲むのがもったいないくらい。
きれいですねぇ。
いえあなたのほうが美しい。
私には分かります。
美しい方だ。
え…あそうですかぁ?あ…何言ってんだろ私。
いやこれはあくまで妄想ですよ。
何を言っても自由です。
あなんかこのカクテルすご〜い。
銀座老舗バーのマスター岸久さんです。
岸さんがカクテル作りで最もこだわるのが氷です。
何日もかけてゆっくり凍らせることで透明にした氷。
「純氷」と呼ばれます。
これがカクテルに命を吹き込むのだといいます。
氷というのはやはり冷やす混ぜるだけじゃなくてやはり温度を与えもするし気泡を与えてきらめきを持たせたりだとか香りを立たせる味を立たせる。
氷っていうのはひと言では語れないですけども…カクテルをおいしく美しく作り上げる影の主役が氷なのです。
今日二つ目の壺は…カクテルが普及した背景には圧縮した液体の気化熱で氷を作る製氷機の発明があります。
氷の登場でカクテルは豊かに多様に洗練されていきました。
その代表作の一つがおなじみの「マティーニ」。
強いお酒を氷で混ぜることでクールにそしてハードに仕上がるのです。
メキシコの真っ赤な朝焼けを表現した「テキーラサンライズ」。
冷たくて甘くて情熱的な一杯です。
アメリカの禁酒法時代外からはお酒だと分からないので重宝されたとも言われる銅のマグカップ。
銅に付いた水滴が涼しげです。
何かと何かが合わさってそれはお酒と例えばジュースお酒とお酒だけじゃなくて例えばお酒と氷だったりお酒と光だったりグラスと光だったりとかですねそういう何かと何かが合わさった時に非常に大きな魅力が引き出されるのがカクテルの大きな魅力だと思うんです。
氷使いの名人岸さんの技をご覧頂きましょう。
皆さんご存じのシェイク。
単にお酒を混ぜているだけではありません。
よくご覧下さい。
とっても細かい泡が出来ているのが分かりますか?実はこの泡氷無しでは出来ません。
シェイカーの中の映像です。
振ることで出来た大きな泡を氷が更に細かくしているのです。
均一で微細な泡を作り出すことで口当たりをクリーミーに味をやわらかくしています。
岸さんの氷には更なるこだわりがありました。
なんと2種類の氷を使うのです。
一つは温度が高く緩い氷。
もう一つが温度が低く硬い氷です。
結局硬いほうは硬いんでこういう角と角がぶつかると砕けるんですよね。
でも冷たいんで砕けてもなかなか解けて水にならないで表面に残るんですよ。
キリッとしていながらも表面にちょっと氷の粒々を浮かせるというのは削った氷だとかミキサーにかけたような氷ではできない。
緩い氷は液体を冷やし硬い氷は砕けて粒が残るのです。
フローズン一歩手前の美しいキメがカクテルの表面を覆います。
砕けて出来た氷の粒を覆う微細な泡。
きりりとしながらまろやか。
2つの氷が生んだ絶妙のバランスです。
それでは究極の一杯をご紹介しましょう。
グラスにぴったりと収まった四角い氷の柱。
氷がプリズムとなって光を屈折させ幻想的な世界を作り出します。
グラスの中がきらめきまるで宝石のような美しさです。
でもそれは飲んでしまうまでのわずか一瞬。
やがて解けて無くなるはかない美です。
次は何をお作りしましょうか。
何でもおっしゃって下さい。
えっ何でも?そんないけませんわ。
あ〜これはあくまで妄想なんですから。
そうですか?じゃあ甘くて…。
甘くて?当然見た目はきれいで暑いからちょっとシャリッと冷たくてうちでも簡単に出来るものであとね…。
あいいカクテルを思いつきました。
これ白ワインなんですけどねワインをこの中に入れてこうしてあとは潰していくんですよ。
えっ氷アイスにワイン?そんなので出来ちゃうんだ。
お待たせしました!これぞおうちで簡単リゾート。
おいしそう!いただきま〜す。
いけるいける!マスターもう一杯頂けますか?山梨県北杜市に住む五味さんご夫妻は休日自宅のテラスでカクテルをよく飲むといいます。
持ち出したのは赤ワインにさまざまな果物をつけ込んだサングリアのソーダ割り。
2人にとってこの一杯はある思い出に浸る大切なひとときです。
イギリスに住んでる妹がウェルカムドリンクで最初これで出してくれたんです。
でイギリスのこういう芝生のガーデンででお庭でこのサングリアと炭酸割りを飲んですごい楽しくておいしくて。
そうそれなのでそれからまねしてるね。
そうだね。
外で飲んだ最初のイメージがあるから「サングリアは外」っていう感じがするのかもしれないです。
しかも昼間。
昼間うん。
彩りを添えてくれるお酒というか少しだけ非日常というか…はい!うん味が変わってる。
ホントだね。
桃の味が出てきた。
出てきた出てきた。
「さあ今日は何をして遊ぼうか」って感じだよね。
これからね。
そうそうそう!今日最後の壺は…カクテルは夜もまた特別な空間を作ってくれます。
この日は妻愛美さんの誕生日。
庭でとれたミントを使い…。
夫から妻へ手作りのモヒート。
ふだんはやっぱりビールとかそういうついで終わりのものが多いけど何かこう自分たちで料理したりお祝い事とかの時はカクテルが面白いし多いかもしれないですね。
ロウソクの明かりに揺らめくラム酒。
中に映える鮮やかなミント。
ひと手間をかける間にいいアイデアも生まれるといいます。
誕生日おめでとう。
はいありがとう!あ〜おいしいね!すっきりだ。
やっぱりおいしいよ。
自家製のミント。
うん。
夏だしね。
夏キャンプ行かない?海に行って夜はお酒を飲んで寝る。
ハハハハ!作ってもらって「はい」ってこう出してもらうと何かこう家なんですけど何か…。
おしゃれ感。
おしゃれ感っていうかねそうそう。
「あありがとう」っていうような感謝というか「ありがとう」っていう感じになります。
やっぱりねついで終わりのものとはちょっと違う飲み物ですねカクテルって。
お代わりする時また一から作るからね。
そうだよね!ありがとう!夏のカクテルの時間はまだまだ尽きることがありません。
正雄君もう一杯。
あ〜そろそろ妄想バーは閉店のお時間です。
健康のためにもそろそろお帰りになっては?帰る?帰るって…どこに?あっちのほうに。
だってこれは妄想って言ったじゃないですか。
大丈夫大丈夫…妄想なんですから。
そろそろ帰ってくるんですよ。
(チャイム)あど…どうしよう?分かりましたよ〜。
妄想バーまた開いて下さいね。
あこれ…ねえこれ!これ忘れ物!打ち上げから25年を迎えた…2015/08/16(日) 23:00〜23:30
NHKEテレ1大阪
美の壺・選「夏のカクテル」[字]

身近なテーマを中心に3つのツボでわかりやすく観賞指南する新感覚美術番組。今回は「夏のカクテル」今、女性にも大人気の魅惑の一杯を!案内役:草刈正雄 語り:木村多江

詳細情報
番組内容
今、カクテルが大変身中! もっとオシャレにヘルシーに! 味、色、姿形を自在に変える魅惑の一杯は女性を巻き込んで、手軽で身近な世界へ拡大中。「葉や果実をタップリ」の「魔法の技」とは? 大ヒット「モヒート」の本物の魅力とは? 1+1=を3にも4にも化けさせる、プロの「氷づかい」とは? ホームパーティでの必殺のおもてなしカクテルとは? 蒸し暑い都会を、一瞬でリゾートに変えてくれる究極の涼しい一杯をぜひ!
出演者
【出演】草刈正雄,【語り】木村多江

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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