日本の最高峰富士山。
その麓の海には世界有数の海底大峡谷が沈んでいます。
この岸から急に落ち込む険しい谷に謎に満ちたある生き物たちがあふれているといいます。
この事に気付いたのは僅か100年余り前。
日本を訪れた世界の海洋学者が見た事もない不思議な生き物たちを見つけました。
日本の深海は世界的にも例のない深海ザメの宝庫だというのです。
今回研究者と共に海底大峡谷の奥深くに潜入。
さまざまな機械を駆使して全貌解明に挑みました。
現れたのは…。
1億年もの時を超え生き抜いてきた驚きのサメたち。
王者として海底に君臨する巨大ザメ。
牙を向き一瞬でかみつく悪魔のサメ。
(英語での会話)世界で50例余りしか見つかっていない幻のサメ。
そこには聖域のように守られてきた深海ザメの王国があったのです。
ダイオウイカに続く深海の巨大生物第2弾。
今日は深海ザメにあふれる謎の海底大峡谷に分け入ります。
(扉を開ける音)厳かに開かれる分厚い扉。
中から現れたのはなんと冷凍保存されたクジラです。
2008年に海岸に打ち上がったマッコウクジラ。
これから始まるのは前代未聞の大実験。
クジラを海底に沈めてそこに集まってくる深海ザメを観察しようというのです。
2012年夏。
NHKは海洋研究開発機構と共にこの大実験に挑みました。
撮影に使うのは1,000mまで潜れる2台の潜水艇。
座席からはほぼ全周囲が見渡せます。
これなら動きの速いサメがどこから現れても見逃しません。
通常の数百倍もの感度を持つ超高感度深海カメラで撮影します。
この実験の準備を進めてきたのは…20年にわたり潜水艇を使って深海生物の調査研究を行ってきました。
クジラの表面は厚さおよそ20cm。
硬い皮と分厚い脂肪に覆われています。
そしてもう一人は日本のサメ研究の第一人者東海大学の田中彰博士です。
実験の舞台は伊豆半島の東に広がる相模湾。
この海の下にはダイナミックな地形が隠されています。
深い谷が100kmにもわたって続いています。
岸から僅か20kmほどで深さ2,000mを超えます。
世界有数の深い湾。
しかもこの深い谷は伊豆・小笠原海溝などへとつながる大規模なものです。
上がりま〜す。
クジラの死骸が深海で骨となって残っているのがこれまでも見つかっています。
しかしサメが本当にやって来るのか。
その時何が起こるのか。
詳しい事は分かっていません。
藤原さんは今回の実験でその一部始終を詳しく観察しようとしています。
クジラを落とす準備と並行して隣の調査船では潜水の準備が始まっていました。
まずは藤原さんが乗り込みます。
クジラを沈めた直後から観察するのは世界で初めての試みです。
サメは臭いに敏感。
すぐにやって来るかもしれません。
できるだけ早くクジラにたどりつかなければなりません。
潮に流されないようにおもりも取り付けました。
実験開始。
潜航が始まりました。
到着したのは水深500mの海底。
そこには砂漠のような荒涼とした風景が広がっていました。
生き物もあまり見当たりません。
この時思わぬ事が起きていました。
潜水艇が潮で流されていたのです。
急がないともうサメが来ているかもしれません。
海底地形図を頼りに必死にクジラを探します。
1時間近くたった時の事でした。
四角いおもりの先に見えてきたのは…。
クジラです。
不思議な事が起きていました。
頭が持ち上がっているようです。
死んだクジラが…。
どうした事でしょう?
(英語での会話)なんとサメがかみついていました。
泥を巻き上げながらサメがクジラを振り回しています。
クジラと同じぐらいの巨大なサメ。
カグラザメです。
体長6m近く。
深海の王者とも呼ばれるカグラザメの中でも最大級の大きさです。
カグラザメはクジラにかみつき体全体を左右に激しく振っています。
口を開け肉を飲み込みました。
別のカメラが捉えた映像です。
歯が見えました。
ギザギザでまるでのこぎりのようです。
目が引っ込みました。
これは獲物の反撃から目を守るためだと考えられています。
おや?一口食べたあとクジラから離れていきます。
めったにないごちそうのはずなのに一体どうしたんでしょうか?こちらをにらみながら暗闇へと消えました。
その時…。
なんとカグラザメが真上に現れました。
獲物を横取りされると思い潜水艇を威嚇しに来たのでしょうか。
やがて闇の中へと戻っていきました。
一かみで大きな穴をあけ離れていったカグラザメ。
この行動が思わぬ意味を持つ事になります。
観察を終え浮上した時にはもう夜が更けていました。
クジラを沈めて真っ先に現れたのは深海ザメでした。
それは一体どういう生き物なのでしょうか。
海に君臨する最強のハンターサメ。
このサメたちの中で200mより深い海にすむものが深海ザメです。
世界でおよそ500種いるサメ。
その半分以上が深海ザメだと考えられています。
深海ザメの存在が分かってきたのは19世紀の終わり。
このころイギリスの調査船チャレンジャー号は3年半をかけ極地から熱帯まで世界の海を航海し調査を行いました。
そして日本に立ち寄った際驚きのサメを次々と引き上げました。
伝説の怪物オオウミヘビの正体といわれたサメ。
皮膚の表面が柔らかい織物のようなサメ。
これまでになんと40近くもの新種の深海ザメが日本で発見されています。
そしてそのほとんどが見つかったのが駿河湾と相模湾です。
富士山の麓の海底大峡谷には世界的にも貴重な深海ザメたちの王国があるというのです。
王国に潜むのはどんなサメたちなのか。
その姿を捉えようと私たちは4年以上をかけて撮影を行ってきました。
(漁師)いたぞ〜!この周辺の深海を知り尽くした人たちがいます。
深海魚を狙う漁師たちです。
5kg以上あるでしょ。
海の男たちの知識と経験を基に場所を絞ります。
使うのは長時間撮影できる…こちらは船上からリモコン操作できる…警戒心の強い深海ザメを間近で狙います。
・あと10秒ぐらいで投入しますからね。
(2人)せ〜の…。
長期にわたる調査でカメラを沈めたのは実に200回以上。
調査地点は20か所に及びました。
まずカメラを下ろすのは駿河湾の中心部。
頻繁に深海ザメが釣り上げられたという場所です。
水深800m付近。
谷底が回廊のようになっています。
この辺りの海底は一面に泥が積もっていました。
何かが近づいてきます。
ユメザメです。
真っ黒な深海ザメです。
体長は1.3mほど。
硬い皮膚に覆われています。
おや?目を閉じました。
またです。
目を閉じるこの行動から夢を見るサメユメザメと名がついたといわれています。
大きな目が光っています。
これは目の裏側に光を反射する鏡のような膜があるためです。
僅かな光でも強く感じ取る事ができます。
感度の高い目で暗い深海でも確実に獲物を捕らえられるようになったといいます。
別の場所にもカメラを下ろしてみましょう。
餌かご目がけて何かが寄ってきます。
う〜ん。
大きすぎて体の一部しか見えません。
オンデンザメです。
5mはあるでしょうか。
ほとんど撮影された事がない極めて珍しい深海ザメです。
臭いに引かれてやって来たようですが…。
泥を吸っては吐き出しています。
泥の中に隠れている獲物を捕らえているようです。
食べられるものは何でも口に入れ巨体を維持しているのです。
私たちはかつてチャレンジャー号が調査を行った海域を広く探し回りました。
食べ物の乏しい深海では何か一つでも秀でたものを身につけなければ生き抜く事ができません。
中でも飛び切り奇妙な姿で生き抜いているサメがいます。
現れましたよ。
長く飛び出した鼻先。
ミツクリザメです。
英語でゴブリン・シャーク。
悪魔のサメとも呼ばれています。
チャレンジャー号の時代に世界で初めて日本で発見された深海ザメです。
長い鼻先の裏をよく見ると細かい穴がたくさん見えます。
この奥にサメ特有の特殊なセンサーがあります。
動物の体には生命を維持するためにかすかな電気が流れています。
このセンサーは1,000万分の1ボルトというかすかな電気を捉え海底に隠れた獲物を探り当てます。
広い鼻先に何百個もあるセンサーでまるで金属探知機のように獲物を見つけ出すのです。
このあと私たちは悪魔のサメの正体を知る事になりました。
口が飛び出しました!1秒にも満たない速さです。
飛び出す口で離れた獲物を素早く捕らえます。
ミツクリザメは特殊な顎の構造を進化させ食べ物の少ない厳しい深海を生き抜いてきたと考えられています。
峡谷を進んでいくと急に深くなっていました。
こうした海の底から離れた場所にも世にも不思議な深海ザメがいるといいます。
いました。
チャレンジャー号も捕獲したという深海ザメラブカです。
当時伝説の怪物オオウミヘビではないかと世界を驚かせました。
その顔つきはまさしくヘビのよう。
口にはとげのような歯が密集しています。
ラブカは群れで泳ぐイカなどをこの歯で引っ掛け捕らえるのではないかと考えられています。
赤く見えるのは呼吸のためのえらです。
数百mの深さでは水中の酸素は海面の半分しかありません。
えらを外に出し水に触れやすくして酸素をたくさん取り込むと考えられています。
深海の峡谷にあふれていた驚きのサメたち。
実はこの深海ザメたちは太古から姿を変えていない生きた化石だと考えられています。
フランスモンペリエ大学のアンリ・カペッタ博士。
サメの化石と地球の歴史との関係を調べてきました。
今からおよそ1億年ほど前の中生代。
恐竜が陸上の王者として君臨していました。
これはそのころの地層から発見された化石。
ミツクリザメの祖先です。
今と形がほとんど変わっていません。
これらの深海ザメはいずれも…この1億年の間に地球の表面では劇的な環境変化が繰り返されてきました。
噴火や気候変動巨大な隕石の衝突もありました。
生き物たちは何度も絶滅を繰り返してきたのです。
一方深い海の中は地上の影響が及びにくく安定した環境が続いてきました。
そこに進出し古代の姿のまま生き残ってきた深海の覇者。
それが深海ザメたちだったのです。
しかし深海は食べ物がほとんどなく冷たく暗い厳しい環境です。
今回の調査でサメたちが巧みな適応を遂げ深海の過酷な環境を克服してきた姿が見えてきました。
掃除機のように泥ごと吸い上げ食べ物を集めるオンデンザメ。
感度を高めた大きな目で暗闇を生き抜くユメザメ。
のこぎりのような歯と強力なパワーで大きな獲物を切り裂いていた海底の王者カグラザメ。
泳ぎながらたくさんの歯で獲物を引っ掛け捕らえるラブカ。
飛び出す口で生きた獲物を素早くしとめるミツクリザメ。
サメたちは長い時間をかけてそれぞれの生き方で深い海にすみつき深海ザメの王国を築いていたのです。
そしてもう一つ。
この王国を全く異なる戦略で生き抜く幻と呼ばれる深海ザメがいるといいます。
そのサメが初めて人類の前に現れたのは1976年ハワイ沖での事でした。
海軍の調査船のロープに引っ掛かったのです。
体長なんと4.5m。
そして見た事もないような大きな口。
口の幅は1m以上。
その異様な姿に人々は仰天しました。
(テイラー)「メガサイズの口だ!こりゃメガマウスだ」とすぐに呼び名が決まったよ。
巨大な口を持つこの奇妙な生き物発見のニュースは瞬く間に世界に広まりました。
そして全く知られていない新種のサメだと判明。
メガマウスザメ。
世紀の大発見でした。
メガマウスの発見にいち早く駆けつけ詳しく調べたのがレイトン・テイラー博士です。
テイラーさんは巨大な口の不思議な特徴に気付きました。
その口を見たら…フラッシュをたいて…
(シャッター音)こんなに反射するのなら口の中に発光器官があっても不思議ではないとテイラーさんは考えました。
既に…口の中で…テイラーさんの考える仮説はこうです。
まず発光器官が光を出しそれを銀色をした口の内側が反射します。
反射する事で光を強めこの光で獲物をおびき寄せ大きな口を使って一気に飲み込んでしまうというのです。
発見から37年。
メガマウスはこれまで世界中で僅か50例ほどしか見つかっていません。
生きた姿もほとんど目撃されていない幻のサメです。
ところがこのサメが頻繁に現れる場所があります。
なんとそこは日本。
全体の1/3近くが日本沿岸で見つかっています。
とりわけ富士山の麓に広がるあの深海ザメ王国の海域に集中しているのです。
そのメガマウスを追い続けてきたのが田中さんです。
田中さんは16年前からメガマウスが発見される度に調査に参加するなどその謎だらけの生態を解き明かそうとしてきました。
海底大峡谷のどこにいるのか。
一体何を食べているのか。
口の中は光るのか。
潜水艇を使った今回の調査は幻のサメメガマウスの生きた姿に迫るチャンスです。
サメ王国に残されたこの最大のミステリーを解き明かそうと私たちは田中さんと一緒に準備を進めました。
同じ頃藤原さんのクジラの観察は佳境にさしかかっていました。
クジラを海底に落としてから9日。
この日はそばに仕掛けておいたタイマー付きのカメラを回収します。
このカメラがクジラの変化を克明に記録しているはずです。
映像を確認するの非常に楽しみです。
果たしてどんなサメたちが集まってきているのでしょうか。
クジラを落としてから7日目の映像です。
おっ?何だ?赤いの。
(一同)お〜!巨大なサメが現れました。
カグラザメです。
おや?クジラを食べるのかと思ったらすぐにやめてしまいました。
1時間後再びカグラザメが現れました。
体の模様からこのカグラザメはクジラを落とした直後に現れたのと同じサメだと分かりました。
しかし今度もあまり食べようとはしません。
おなかがいっぱいなのでしょうか。
それでも獲物から離れません。
今度は遠巻きに様子をうかがっています。
タイマー付きカメラで撮影された映像は20分に1分ずつ。
その多くにカグラザメが映っていました。
しかし不思議な事にこの同じカグラザメ以外のサメは全く登場しません。
なぜなのでしょうか。
深海ザメが縄張りを作るという生態が捉えられたのは初めての事です。
ほかのサメを寄せつけないこの行動が大きな意味を持っていました。
アナゴの仲間が群れています。
世界最大のカニタカアシガニもやって来ました。
いろんな種類のサメがいっぺんにやって来れば小さな生き物は食べ物にありつけません。
一匹のカグラザメのおかげで周囲の小さな生き物たちはおこぼれにあずかる事ができました。
その結果砂漠のような深海に多様な生き物があふれる光景が生まれたのです。
世界で初めて捉えたクジラを巡る2か月間の映像。
全ては巨大なサメの一かみから始まりました。
ヒトデウニから深海魚まで。
実にさまざまな種類の生き物が入れ代わり立ち代わり集まってきました。
縄張りを守り続けるカグラザメ。
ほかのサメたちがやって来ないよう見張りながら少しずつ獲物を食べていきました。
この行動が限られた食べ物を多くの生き物たちに分かち合い海底にいっときのオアシスを生み出していました。
これまで知られていなかった深海での生き物たちの暮らしが少しずつ解き明かされてきたのです。
幻のサメメガマウスを探し出すため作戦会議が開かれました。
メガマウスは一体どこにいるのか。
田中さんはある深さに注目していました。
その辺で先生に観察する時間を作ってもらう。
いよいよ田中さんが潜水艇で潜ります。
向かうのは200m付近。
潜るにつれ辺りは暗くなっていきます。
光がほとんど届かなくなってきました。
深度200mから1,000mにかけての深い海はこれまで調査がほとんどされてこなかった所です。
あのダイオウイカがすむという海の秘境です。
田中さんはある生き物がメガマウスを見つける鍵だと考えています。
その生き物に出会ったのは2003年。
駿河湾で発見されたメガマウスを解剖した時の事でした。
この時胃の中には消化されずに残っていたものがありました。
それはサクラエビの頭でした。
駿河湾の名産として知られるサクラエビは体長4cmほど。
深さ200〜300mの海にすんでいます。
これまでメガマウスが発見された場所にサクラエビの生息場所を重ねてみるとピタリと一致しました。
メガマウスを見つけるにはサクラエビを追え。
田中さんはこう考えたのです。
あっサクラエビです。
でも1匹だけ。
メガマウスはあの大きな口でサクラエビの群れを狙うはずです。
群れを求めて更に潜ります。
水深250mの海底付近で見つけました。
この群れを追います。
サメが現れました。
ヨロイザメです。
サクラエビの周りに集まった魚を狙っています。
しばらくすると突然サクラエビの姿を見失いました。
一体どこに行ってしまったのでしょうか。
この時海の上ではもう夕闇が迫っていました。
これから…夕方サクラエビは浅い海へと移動していくというのです。
潜水艇も浮上。
見つけました。
水深僅か50m。
田中さんの予想どおりサクラエビは浅い所まで上がってきていました。
すさまじい数の群れです。
辺りはサクラエビで視界が利かないほどです。
サクラエビは小さなプランクトンを食べて生きています。
天敵が多い日中は深い海で暮らし夜になるとプランクトンを求めて浅い海へやって来る事が分かっています。
サクラエビの動きからメガマウスの暮らしを推測してみます。
日中深海で過ごすメガマウスは夕方サクラエビなど小さな生き物の群れを追いかけて浅い海に上っていきます。
そして密集した獲物の群れをその大きな口で一網打尽にします。
深海ザメといいながら獲物を追って深海と浅い海を行き来するのがメガマウスだというのです。
そのため潜水艇も日中には深く夜は浅い海で潜りメガマウスを狙い続けました。
しかしメガマウスは一向にその姿を現してはくれませんでした。
事態は思わぬ展開を見せました。
メガマウスらしき魚が見つかったとの情報が定置網の漁師から届いたのです。
急きょ駆けつけたのは三重県の海。
(田中)こんばんは。
期待が高まります。
月が辺りの海を明るく照らしていました。
船の上からサメの影を探すもののなかなか見つかりません。
この時田中さんはある事に気付きました。
海の表面に群れているのはオキアミです。
オキアミはサクラエビと同じように海を上下に移動する習性を持っています。
夜プランクトンを食べるために海面まで上がってきていたのです。
メガマウスもこのオキアミを追いかけてきているのでしょうか。
普通だと夜間だと20mぐらいまで上がってきてくれるとは思うんだけれども。
ライトが照らし出す光の中から何か巨大な物体が姿を現し始めました。
あっちょっと…見えてる見えてる…。
あ〜浮いてきた。
ゆっくりとこちらに近づいてきます。
大きな頭と口。
メガマウスです。
ついに出会う事ができました。
見つかったメガマウスはおよそ5m。
しなやかに体をくねらせゆったりと泳ぎます。
人知れず深い海で生き抜いてきた幻のサメメガマウス。
なんとこんな浅い海で出会う事ができました。
間近で見たメガマウスはどことなく優しげな顔をしています。
サメ特有の鋭い歯は口元には見当たりません。
歯は僅か5mmほど。
サクラエビなどの小さな生き物を食べるため退化してしまったと考えられています。
スピードを上げ力強く泳ぎ始めました。
その先にはオキアミの群れがいました。
群れに向かって突進していきます。
少しずつ向きを変えながら群れが固まっているところを探して食べているようです。
メガマウスの生態をここまで詳しく撮影できたのは世界で初めての事です。
その時です。
一瞬口の中が見えました。
この部分が光を反射するとテイラー博士が考えているところです。
ライトの光を反射して口の中全体が白っぽく光りました。
発光器官は確認できませんでしたがこの輝きが獲物を引き寄せるのかもしれません。
幻の巨大ザメメガマウス。
大きな口から連想されるどう猛さとは裏腹の穏やかなサメでした。
深い海と浅い海を行き来しながら小さなエビなどを食べるというサメとは思えない平和な生き方で深海ザメ王国を生き抜いていました。
富士山の麓に広がる海底の大峡谷。
そこには深海ザメたちの驚くべき王国がありました。
まるでタイムカプセルに閉じ込められたような古代の姿を残した不思議なサメたち。
Dialogue:0,0:57:17.66,0:57:22.04,Default,,0000,0000,2015/08/16(日) 02:11〜03:10
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル シリーズ深海の巨大生物「謎の海底サメ王国」[SS][字][再]
深海の巨大生物第二弾は海底サメ王国に迫る。富士山のふもとの海は世界的な深海ザメの宝庫。悪魔のサメ・古代ザメ、怪物メガマウスなど世界初の映像満載。4年に及ぶ撮影。
詳細情報
番組内容
深海の巨大生物、第二弾は「深海ザメ」。富士山のふもとから沈み込む深い海。その海底に広がる大峡谷は不思議な深海ザメの宝庫だ。4年の歳月をかけ深海ザメを徹底調査。現れたのは、王者と呼ばれる巨大ザメ、アゴが飛び出す悪魔のサメ、太古から姿をかえていない化石ザメ。さらに世界中で50例あまりしか見つかっていない幻の巨大ザメを大捜索。ついにその姿をとらえることに成功。世界初の映像満載で深海ザメの王国に迫る。
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