時代の正体〈169〉日本会議を追う・憲法は今(上)
- 政治・行政|神奈川新聞|
- 公開:2015/08/19 12:52 更新:2015/08/19 16:20
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原爆が投下された午前8時15分、鎮魂の鐘が広島平和記念公園に鳴り響く。戦後70年の節目の式典には過去最多となる100カ国から来賓が訪れていた。
恒例の灯籠流しが始まった夕刻、原爆ドームを見下ろす高層ホテル、リーガロイヤルホテル広島の会場に向かう人々の列があった。
日本会議広島が主催した講演会。中年男女や若い社会人の男女グループ、大学生の姿もある。チケット代は1800円。壇上に金びょうぶがしつらえられ、大きな日の丸が掲げられている。冒頭、会場を埋めた約1900人が一斉に起立し、君が代が盛大に歌われた。
日本会議広島会長の松浦雄一郎・広島大名誉教授があいさつに立つ。
「広島における口先(くちさき)平和論者は、現在の世界の状況を見ず、核廃絶、憲法第9条死守によって広島の平和が守られると繰り返してきた。だが、世界の情勢はますます不安定となり、わが国は軟弱国家としておとしめられている」
続けて言った。
「この70年の間、マスコミは総力を上げ、何も知らされていない人たちに真の歴史からかけ離れた大東亜戦争物語を吹き込み、自虐史観を植え込んできた。口先で核廃絶、平和主義を唱えたところで、地球の各所では争いが繰り返され、戦を仕掛ける集団のさがとして強力な武器を持ち、使うということは容易にうなずける」
そして「憲法改正に向け、私たちは立ち上がらなければならない」と締めくくると、会場は拍手喝采に包まれた。
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