北方謙三の著作に「水滸伝」という歴史小説がある(集英社文庫・全19巻)。
俗に「北方水滸伝」と称されている。
知人から勧められて読みだし、まだ2巻目だが、すっかりハマってしまった。
北方謙三といえばハードボイルド小説という認識しかなかったが、
最近では歴史小説で圧倒的支持を受けているらしい。
「水滸伝」は、「三国志演義」「西遊記」とともに中国3大奇書・名著のひとつ。
いまから1000年前の中国・北宋の時代、108人のアウトローが山東省の梁山泊
に集結して官軍に抵抗し、滅びていく物語。
北方版の水滸伝は、とても読みやすい文体なのでスラスラ読める。
原典とはかなり違うようだが、原典を読むつもりはないので気にしない。
登場する男たちのキャラが素晴らしい。
不運や悲劇に見舞われ懊悩しながらも義のために戦い「男の死に様、すなわち
如何に生きるか」を模索する漢(おとこ)たちの活躍に心躍る。
梁山泊の敗戦後の「楊令伝」 全15巻
官軍側の英雄の「岳飛伝」 2015年8月26日 14巻発売予定(単行本)
この他にも、全13巻の北方版「三国志」もある。
当分楽しめそうだ。
追記
そういえば、SFでは、故・栗本薫の作品に「魔界水滸伝」(全20巻)というのがある。
これは日本の神々が太古の邪神(クトゥルー)と戦う荒唐無稽な話だが、
最後まで読んでいなかったのを思い出した。古本屋を探してみたい。
