これって効きますか?
2015年8月19日
「いわゆる健康食品」という言葉を聞いたことがありますか?
実は、法律上は「健康食品」の定義はありません。ですが一般通念上、健康の保持増進に資する機能性を有する食品が「健康食品」と呼ばれています。
現在、我が国で機能性を表示できる食品は、シリーズで解説している「機能性表示食品」のほかに、「特定保健用食品」と「栄養機能食品」があります。
それ以外は一般食品に分類され、カプセルや錠剤の形をしていても、野菜や果物と同じ一般食品になります。そして重要なのは、これら一般食品は機能性を表示できません。
しかし、健康の保持増進の効果が科学的に実証されていないにも関わらず、その効果を期待させるような虚偽または誇大と思われる広告・宣伝をしている健康食品が跡を絶ちません。
そのため、厚生労働省や消費者庁は、このような食品を「いわゆる健康食品」と名付け、厳しく規制の対象としています。
そして、最近、これら「いわゆる健康食品」の行く末を示す資料が、内閣府消費者委員会「第1回 特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会」で公開されていたので紹介したいと思います。
その資料は「特定保健用食品等の在り方に関する論点整理(第193回消費者委員会本会議資料1)」。「いわゆる健康食品」のことを言及している箇所を抜粋します。
平成27年4月には機能性表示食品の制度が始まり、企業の自己認証で健康強調表示を行うことができるようになった。同制度による製品は特保とともに、「いわゆる健康食品」と呼ばれる製品群に含まれる、健康への効果や安全性が明らかでない食品の淘汰に寄与することが期待されている。
つまり、機能性表示食品制度が始まったのに伴い、これまでの特定保健用食品(トクホ)などを含めた保健機能食品制度が、国民にきちんと理解されることで、将来的に「いわゆる健康食品」と呼ばれる製品群を市場から排除することが国の考え方として示されたことになります。
もちろん、現時点では「いわゆる健康食品」とされている製品も、機能性を科学的に実証することで「機能性表示食品」や「特定保健用食品」になる可能性もあります。
以前、このコラムで「機能性表示食品制度は「規制緩和」なのか?」というテーマを取り上げました。
個人的な見解として、
ということを紹介しました。
どうも、国も同じことを考えているということで、改めて紹介をさせていただきました。
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