戦時下の衣類変遷たどる 京都・福知山で展示
日中戦争から太平洋戦争期に庶民が着ていた衣類を飾る企画展「衣服に見る戦時下の生活」が、京都府福知山市内記の市丹波生活衣館で開かれている。衣類の移り変わりを通し、生活が圧迫された戦時の暮らしの一端が浮かび上がっている。
戦後70年に合わせて同館が企画。当時の衣類や雑誌、写真など約70点を飾っている。
日中戦争中の1940年、国家総動員法に基づいて、ぜいたく品の綿製品は輸入を制限され、日本の衣料事情が悪化した。女性の間で主流だった着物は破れやすいパルプ繊維のスフやレーヨン製に置き換わった。太平洋戦争開戦の翌42年には婦人標準服「もんぺ」が制定され、繊維製品の購入に必要な「衣料切符」制が始まった。
会場には、「大日本國防婦人會」と書かれたたすきを掛けたかっぽう着や防空頭巾、出征する兵士の無事を祈り女性たちが多数の糸の結び目を縫った「千人針」などが展示されている。また、古い服の再利用法を特集した婦人誌や、本土決戦に備えて竹やり訓練をする女学生の写真など時代を映す資料が並ぶ。10月12日まで。火曜休館。無料。
【 2015年08月19日 10時30分 】